Works Discussion Paper

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本研究はフリーランスとして働く者の属性を概観したうえで、フリーランスへの参入や、フリーランスの定着・退出要因としての収入の影響について分析した。性別では男性のほうが、若年よりも高年齢層のほうが、配偶関係では無配偶者のほうがフリーランスとして働く人の割合が高い。また、フリーランスの年間収入の分布は正社員のそれよりも低位に偏っており、平均では正社員の半分程度である。しかしながら、時間あたり収入では正社員との差は1割程度である。さらに、雇用からフリーランスへの参入についての分析では、女性が雇用かフリーランスかの選択する際に、時間あたり賃金が高ければ雇用の拘束性の高さを受け入れる可能性が高まるといった、補償賃金的な要素として時間あたり賃金が機能していることが観察された。最後に、フリーランスとして働く者の収入が翌年の就業状態の変化に与える影響について分析した。収入の高さはフリーランスから退出して雇用労働者、家族従業者、無業者といった状態に移行する確率を低める一方で、事業の拡大を通してフリーランスから離れることが示された。しかしながら、内生性を除去するために個別効果を考慮したモデルでは、収入の効果が観察されなくなった。内生性を考慮することは今後の課題として残る。

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