本稿では、従来より我が国で語られてきた「持ち味」という言葉に着目し、その内容及び構造と持ち味の発揮がどのような要因に影響を受けているのかを探索的に検討を行った。
社会人135人を対象にしたweb調査における自由回答の分類結果から、仕事における持ち味とは、先行研究における強みと比較すると、取り組む仕事における成果導出との結びつきがより強調された先天的な特性やそれまでの経験等から得られた知識や能力及び志向性であることに特徴があると考えられた。
また社会人9,716人を対象にしたweb調査の結果より、持ち味の発揮に影響を及ぼす要因として職場的環境要因だけでなく、自己理解や現在の仕事の進め方や捉え方を変えようとする能動的な姿勢といった個人要因も非常に重要である可能性が見受けられた。
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