Works Discussion Paper

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これまでの研究では、企業内の学び機会である OJT や Off-JT は、個人が自ら学ぶ自己啓発を促進することを明らかにしてきた。しかし、2020 年は新型コロナウイルス感染症の影響で、企業内の学び機会は減少した。本稿では、企業内の学び機会の減少が、個人の自己啓発にどのような影響を及ぼすのかを分析している。仕事における日常的な学び行動を、「他律的・自律的」および「実務内（実務に関係する）・実務外（実務に関係しない）」の 2 軸を用いて分類し、他律的な学び行動である OJT や OffJT が、自律的な学び行動である自己啓発を促進する経路を整理した。まず、OJT や Off-JTが増加することで、自律的な学びも増加する補完的な効果の経路と、OJT や Off-JT が減少することで、自律的な学びが増加する代替的な効果の経路があることを確認した。次に、補完的な効果の方が代替的な効果よりも大きいことを確認し、最後に 2020 年のコロナ禍において代替的な効果が強まっていることを認めた。2020 年は新型コロナウイルス感染症の影響で、企業内の学び機会である OJT や Off-JT は減少したものの、代替的な効果が働いた関係で、自己啓発は大きく減少しなかったと考えられる。

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