Works Discussion Paper
Online ISSN : 2435-0753
67 巻
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  • 百瀬 由璃絵
    2023 年 67 巻 p. 1-27
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/01/09
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    昨今、健康経営や仕事と治療の両立支援が推進されており、多様な人材マネジメントの一環として、従業員が健康的に働き、たとえ健康上の問題を抱えていても働ける労働環境が求められている。本研究では、健康上の理由で休職を経験した人々が、どのように復職を果たすのか、その軌跡を明らかにした。特に、休職から復職や離職へ至る経路に注目し、休職前後の労働環境の違いを比較した。その結果、第 1 に、健康上の理由で休職を経験した後に復職した人々と、休職後に離職したままである人々や休職を継続している人々とでは、休職期間や失業期間が大きく異なることがわかった。後者の休職期間は、傷病手当金の平均受給期間よりも長い傾向にあった。また、精神的理由による休職者のほうが休職期間は長く、身体的理由による休職者のほうが失業期間は長いことが判明し、傷病の状況にあわせた制度や社会保障が必要である。第 2 に、休職前後の労働環境を明らかにしたところ、休職後に一度離職して再就職した場合は、休職後に復職した場合よりも復職後の労働環境が良い場合が多いことが判明した。労働環境が良ければ、休職後に一度離職した人も再就職が実現することがわかった。
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