Experimental Animals
Online ISSN : 1881-7122
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41 巻, 3 号
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  • 外尾 亮治, 伊藤 恒賢, 野口 純子, 若藤 靖匡, 上松 嘉男, 斎藤 徹, 高橋 和明, 今道 友則
    1992 年 41 巻 3 号 p. 259-268
    発行日: 1992/07/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    10, 27, 44週齢のWistar-Imamichi系SPF雄ラット計15匹を用い, 同居開始後2時間の交尾行動をビデオ装置を用いて録画・観察した。乗駕のみの発現率は全群100%であり, 平均回数は加齢に伴って増加し, 10週齢群の33.8±8.3 (±標準偏差) に対し, 44週齢群は60.2±18.7であった。挿入の発現率は10・27週齢群が100%, 44週齢群が80%であり, 平均回数は加齢に伴って有意に減少し, 10週齢群の42.4±6.6に対して, 44週齢群は8.0±10.1であった (P<0.01) 。射精の発現率は10・27週齢群が100%, 44週齢群が40%であり, 平均回数は挿入回数と同様, 加齢に伴って有意に減少し, 10週齢群の6.8±0.8に対し, 44週齢群は1.6±2.3であった (P<0.01) 。同居開始から初回乗駕までの平均潜時では27週齢群が最も短い値を示した。同居開始から初回の挿入までの平均潜時も27週齢群が他の2群に比べ有意に短かった (P<0.05~0.01) 。初回の挿入から射精までの平均潜時および初回の射精から次の交尾シリーズの最初の挿入までの性的不応期の平均値は, 10週齢群に比べ27週齢群の方がやや長いが有意な変化ではなかった。雄との交配に供した雌の着床数は, 10週齢群が15.0±1.0個, 27週齢群が15.4±2.6, 44週齢群が, 8.8±8.0であり, 44週齢群のみ0の個体が2例認められた。体重および前立腺腹葉重量は, 加齢に伴って増加した。精巣, 精巣上体および精嚢重量は, 27週齢時でプラトー値に達した。陰茎重量は, 44週齢群が, 10・27週齢群に比べ重い値を示した。以上のごとく, Wistar-Imamichi系雄ラットの交尾行動は加齢に伴って変化し, 44週齢時の妊孕能は10および27週齢時に比べ低下していた。
  • 仲村 賢一, 倉本 和直, 柴崎 公子, 朱宮 正剛, 大坪 浩一郎
    1992 年 41 巻 3 号 p. 269-278
    発行日: 1992/07/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    SPF条件下での老化動物育成過程で自然死したC57BL/6CrSlcマウス (雌502匹, 雄463匹) を病理学的に観察した。非腫瘍性病変の中では, アミロイド症が最も高頻度で, 雌の55.5%, 雄の74.4%に認められた。アミロイドの沈着は肝, 腎, 脾, 副腎, 回腸, 心, 肺に高く, 特に, 心, 肺への沈着を伴う例は高齢の雄に多く, KMnO4処理に抵抗性を示した。アミロイド症は非腫瘍性病変の直接死因としても高頻度を示した。他に, 皮膚潰瘍・潰瘍瘢痕, 腎糸球体硬化症, 大脳小血管の石灰化, 雄の精嚢腺貯留, 雌の副腎被膜直下での線維芽様細胞の増生などが比較的多数認められた。腫瘍は雌の69.7%, 雄の55.1%にみられた。
  • 仲村 賢一, 倉本 和直, 柴崎 公子, 朱宮 正剛, 大坪 浩一郎
    1992 年 41 巻 3 号 p. 279-285
    発行日: 1992/07/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    SPF条件下での老化動物育成過程で自然洗したC57BL/6NCrj (CR, 雌535匹, 雄590匹) , C57BL/6CrSlc (SL, 雌502匹, 雄463匹) , C57BL/6NCrj×DBA/2NCrjF1 (BD, 雌298匹, 雄346匹) マウスの自然発生腫瘍の頻度を検討した。腫瘍はCR雌の77.4%, 雄の79.2%, SL雌の69.7%, 雄の55.1%, BD雌の75.8%, 雄の78.0%にみられた。2年齢以上生存したマウスは高率に腫瘍を有していた。最も長寿命のBDにおいては腫瘍死の頻度が最も高かった。頻発した腫瘍は悪性リンパ腫, 組織球性肉腫, 肝細胞癌, 肺腺腫・肺癌, 皮膚・皮下腫瘍などであった。悪性リンパ腫はSL (全腫瘍の62.3%) に, 組織球性肉腫はCR (72.1%) に, 肝細胞癌はBD雄 (41.8%) に高頻度に認められた。
  • 中井 伸子, 名和 孝二, 前川 美津子, 長沢 久充
    1992 年 41 巻 3 号 p. 287-294
    発行日: 1992/07/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    日本新薬株式会社安全性研究所で育成した実験用ネコ91頭の血液および血清生化学的検査値19項目について, 1~48カ月齢までの変動と性差を検討し以下の成績を得た。成長と関連して変動した項目が多く, 赤血球数 (RBC) , ヘモグロビン (Hb) , ヘマトクリット (Ht) , 赤血球恒数, GPT, 総蛋白 (TP) およびアルブミン (ALB) は1ヵ月齢より成長に伴い増加した後安定し, 白血球数 (WBC) , アルカリフォスファターゼ (ALP) , 無機燐 (Pi) , 総ビリルビン (TBil) , 総コレステロール (TC) , グルコース (GLU) およびトリグリセリド (TG) は, 成長に伴い減少した後安定した。GOT, 血清尿素窒素およびカルシウムは, 成長に伴う変動が認められなかった。成長に伴い変動した項目の中で, 赤血球恒数, GPT, GLUおよびTCは, 3~4ヵ月齢頃より安定したが, 大部分は, 体重がプラトーになる9~11ヵ月齢頃 (RBC, Hb, Ht, TP, ALB) から18ヵ月頃 (WBC, ALP, TG, Pi) に安定した。このことから, ネコでは, 少なくとも9~11ヵ月齢, 場合によっては18ヵ月齢以上の動物を成熟個体として取り扱うべきであることが示唆された。11ヵ月齢以降, 平均赤血球容積, 平均赤血球ヘモグロビン量およびWBCでは雌が雄より, また, ALBでは全期間を通して雄が雌より高値を示す傾向があったが, 他の項目では明確な性差は認められなかった。
  • ―光顕および電顕による観察―
    足立 泰基, 九郎 丸正道, 服部 正策, 林 良博
    1992 年 41 巻 3 号 p. 295-303
    発行日: 1992/07/01
    公開日: 2010/12/09
    ジャーナル フリー
    ワタセジネズミCrocidura wataseiの精子発生について光顕および電顕による観察を行った。精上皮周期は精子細胞尖体の形態変化を主な指標として解析した結果, 12のステージに区分可能であった。ステージIからXIIの出現頻度は各々11.0, 10.3, 6.8, 10.6, 24.0, 6.4, 4.4, 7.9, 6.4, 4.9, 3.7および3.6%である。またホールマウント標本の観察から分化中の精祖細胞はA1, A2, Intermediate, Bの4つのタイプに区分された。一方, 精子細胞はその成熟程度に応じてゴルジ相 (ステップ1-3) , 頭帽相 (ステップ4, 5) , 尖体相 (ステップ6-10) および成熟相 (ステップ11-13) の4相に区別された。ゴルジ相では複数の尖体果粒が存在し, 頭帽相ではこれらが融合して尖体を形成し, 精子細胞核表面に広がった。尖体相では核質の濃縮とともに尖体の伸長が始まり, 尖体はステップ8の精子細胞で最長となった。尖体相後期では尖体の収縮が進行し, 成熟相で幅広の尖体が完成した。ワタセジネズミに認められた精子細胞分化過程での尖体の著しい伸長とその後の収縮は, 他の哺乳類に見られない極めて特徴的な現象である。
  • 前島 一仁, 長瀬 すみ
    1992 年 41 巻 3 号 p. 305-313
    発行日: 1992/07/01
    公開日: 2010/12/09
    ジャーナル フリー
    F344ラットを用いた長期吸入実験 (30ヵ月) において, 実験対照群の中で白血病と診断された雄71匹, 雌52匹の血液学的・臨床生化学的値を非白血病ラットのそれと比較した。その結果, 白血病ラットは非白血病ラットに比べ, 赤血球, ヘモグロビン, ヘマトクリット, 血小板が減少し重度の貧血を示したが, 白血球, 平均赤血球容積, 平均赤血球色素量は増加した。さらに, 血清中の低比重リポタンパク, 遊離コレステロール, 総ビリルビン, 尿素窒素, トリグリセリドおよびGOT, GPT, クレアチンホスフォキナーゼ, アルカリ性ホスファターゼ, 乳酸脱水素酵素活性などの高値と高比重リポタンパク, 酸素分圧, コリンエステラーゼ活性などの低値を示した。また, 白血病ラットの臨床観察では, 目の赤みの薄れ, 体重減少, 腹部の膨満, 陰部の汚れおよび衰弱などがみられた。これら臨床観察および血液性状の特徴は, 長期動物実験におけるラット白血病の診断に有効な判断基準になりうると考えられる。
  • 武吉 正博, 井上 武
    1992 年 41 巻 3 号 p. 315-319
    発行日: 1992/07/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    7系統のマウスを卵白アルブミンで免疫した後, 特異的IgG抗体をEnzyme-linked immunosorbent assay (ELISA) で測定し, H-2haplotypeおよび性差にともなうIgG応答の相違を勾配比検定法および平行線定量法を用いて検討した。その結果sH-2kに属するC3H/HeNマウスおよびCBA/JNマウスはH-2d系統 (BALB/cAnNおよびDBA/2N) およびH-2b系統 (C57BL/6N) に比べて高いIgG応答を示した。また, 卵白アルブミンに対するIgG応答に関して性差を示す系統と性差を示さない系統が存在することが示唆されたが, 性差の発現とH-2haplotypeとの間に関連性は認められなかった。この結果はH-2以外の免疫応答遺伝子, あるいは他の未知の因子に起因するものと思われた。
  • 御船 弘治, 鈴木 秀作, 野田 安孝, 林 良博, 望月 公子
    1992 年 41 巻 3 号 p. 321-328
    発行日: 1992/07/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    ハムスター, モルモット, ウサギ, イヌおよびネコの心房ならびに心室筋細胞を免疫組織化学的に, 右側の心耳筋細胞を透過電子顕微鏡的に観察し, さらにこれら細胞のANP顆粒を形態計測により解析した。免疫組織化学的には, いずれの動物種でも, 右側の心耳筋細胞が最も強く反応し, これらの反応は, 検索した動物種の中では, ハムスターおよびモルモットが最も顕著であった。イヌおよびネコでの反応は, 最も弱かった。一方, 心室筋にはいずれの動物種でもANP陽性細胞は認められなかったが, 時に心室中隔の心内膜下に陽性細胞が存在した。電顕的にはいずれの動物種とも, 心耳筋細胞のANP顆粒は, おもに核周囲のゴルジ野にみられ, 筋原線維間にも少数存在した。心耳筋細胞のゴルジ装置は, ハムスターおよびモルモットでは, ウサギ, イヌならびにネコに比べ比較的良く発達しており, イヌおよびネコでは, 発達の程度は悪かった。形態計測的に顆粒の数は, ハムスターが最も多く, 次にモルモット, ウサギ, イヌあるいはネコの順であった。一方, 顆粒の大きさは, モルモットが最も大きく, 次にハムスター, ウサギの順であった。イヌの顆粒の大きさが最も小さく, ネコの顆粒の大きさは, ウサギとイヌの中間であった。
  • 加藤 誠, 小澤 摩理子, 秋間 哲夫, 池田 尚隆, 藤井 孝朗, 石井 美恵子
    1992 年 41 巻 3 号 p. 329-337
    発行日: 1992/07/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    生殖・発生毒性試験における妊娠期あるいは周産期・授乳期の親動物へ投与した薬物の産児へ及ぼす影響を評価する為の背景データを得るため, SD系ラットを用いて妊娠20日と授乳期の母動物および胎児または産児の血液・血清生化学検査を実施した。母動物では分娩後RBC, Hb, Ht, MCVおよびMCHは僅かな低下傾向を示し, 血小板数は高値であった。白血球数に大きな変動は無かったが, 好中球数の僅かな増加がみられた。妊娠20日のGluおよびTGは高値であり, TPとAlbは僅かに低値であった。これらの変動はいずれも妊娠・分娩に関連するものと思われた。胎児と出生直後の産児の赤血球では大小不同, 多染性, 好塩基斑点, Howell-Jolly小体と赤芽球がみられた。RBCは低値でMCVおよびMCHは著しい高値であった。HbとHtは授乳期間中僅かに低下した。その後RBC, Hb, Htは増加し生後56日で, MCVおよびMCHは低下し生後21日でそれぞれ成熟動物のレベルに達した。血小板数は出生後増加し離乳時既に成熟動物値の変動範囲内であった。白血球数の加齢に伴う増加はリンパ球数の増加傾向と一致し, 生後35日以降は性差があり雄値が雌値を上回っていた。産児のGlu, TPおよびAlbは出生後増加し生後28日までに成熟動物のレベルに達した。ALPは胎児で高値を示し, 出生後はヒトで報告されている二峯性に近い変動を示した。Cholは出生後漸増し, 生後14日にピークを示した。UN, IPおよびCaは胎児および授乳期で僅かな高値を示した。Kは胎児で高値を示したが, 出生後は成熟動物値の変動範囲内であった。
  • 上田 雄幹, 山本 茂貴, 大塚 裕子, 町井 研士, 山崎 省二, 斉藤 肇
    1992 年 41 巻 3 号 p. 339-347
    発行日: 1992/07/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    BALB/c nu/nuマウスの実験コロニーでMycobac-terim scrofulaceumによる汚染を経験した。この汚染はnu/nuマウスを維持していた施設にC57BL/6とC57BL/6.Lytl.1を導入後に気付かれた。M.scrofulaceumは経口感染により広がり, また, 動物の取り扱い中に糞便を介して交差感染したものと推察された。菌は, 離乳後のBALB/c系nu/nuよびnu/+マウスの糞便中に持続的ないしは断続的に排出されており, また, これらの一部のマウスの腸間膜リンパ節と脾臓から分離された。保菌マウスの一部はM. scrofulaceumに対するIgG及びIgA抗体を保有し, M. tuberculosis由来PPDに対する弱い過敏症性足蹠反応を示すものも見られた。
  • ―溶媒, 投与部位および卵齢の影響―
    橋詰 良一, 野田 篤, 伊藤 雅也, 山本 譲, 増井 清次, 岡 基, 中村 経紀
    1992 年 41 巻 3 号 p. 349-356
    発行日: 1992/07/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    本研究は, 鶏胚を用いた催奇形性試験法の確立を目的として行ったものであり, 先ず技術的な検討として, 溶媒, 投与部位および卵齢の影響を検討した。1) 蒸留水, 生理食塩水, ゴマ油, 25%エタノール水溶液, 0.5%カルボキシメチルセルロース水溶液および0.1%メチルセルロース水溶液の6種の溶媒を卵齢4日の種卵に投与した結果, 卵黄および気室のいずれの投与部位においても死亡および奇形胚の出現は増加しなかった。2) 6-アミノニコチナミド, シクロホスファミドおよびホウ酸を卵黄あるいは気室に投与し, 投与部位の影響を検討した。6-アミノニコチナミドは気室投与でより重度の影響が認められ, ホウ酸は, 逆に卵黄投与で影響が強かった。シクロホスファミドでは, 投与部位による差は認められなかった。このことから, 薬物の性状により最適投与部位の選択が必要であることが明らかとなった。3) 生理食塩水, 6-アミノニコチナミドおよびホウ酸を卵齢0から16日の種卵に投与し, 卵齢の影響を検討した。生理食塩水では卵齢0日から3日の胚死亡率が高く, 鶏胚法は卵齢4日以降の種卵の使用が必要であると思われた。6-アミノニコチナミドは卵齢4日から13日までの長期間, 奇形出現率が高く, ホウ酸は卵齢3日から4日の短期間のみ奇形出現が認められた。このことから, 鶏胚においても薬物によっては特異的な感受期があることが示唆された。
  • 三日月 勝見, 平沢 勉, 境 陽子, 大原 眞代子, 根縫 弘子, 高橋 恵子
    1992 年 41 巻 3 号 p. 357-362
    発行日: 1992/07/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    モルモットにおけるBordetella bronchiseptica (B. bronchiseptica) 感染の血清診断法としてのEnzymelinked immunosorbent assay (ELISA) を導入することについて検討を加えた。抗原としてモルモット肺炎由来B. bronchisepticaI相菌の培養菌体を超音波処理後遠心した上清を用いた。感染実験にはSPFモルモットを使用し, 同菌液を経鼻接種後経時的に剖検し菌分離を行なうとともに, 血清を採取して凝集反応およびELISAを実施した。菌は感染後5~30日にかけて全例から回収された。凝集反応では感染後30日および50日に低い抗体価を有するものが各1例認められたのみであったのに対し, ELISAでは感染後5日より特異的反応が認められ, 20日から50日後の実験終了時まで全例高い吸光度を示した。1983年から1989年にかけて得られた検体について調べたところ, ELISAでの成績は剖検所見および菌分離結果の推移と一致しており, ELISAはB. bronchiseptica感染の血清診断法として有用と考えられた。
  • 久野 博司, 稲垣 覚, 坂 芳樹, 小西 玲子, 田中 浩二, 藤井 孝朗, 臼井 敏仁
    1992 年 41 巻 3 号 p. 363-367
    発行日: 1992/07/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    妊娠9又は11日のCRJ: CDラットに軟X線を照射し, 生後3から7週齢のF1産児の眼科学的な異常を倒像検眼鏡および細隙燈顕微鏡を用いて検査した。妊娠9日に635rまたは1270rの用量で照射した産児の観察において, 外科観察で判断可能な小眼球症, 無眼球症, 虹彩のコロボーマに加えて, 眼科学的な検査においてのみ診断できる脈絡膜のコロボーマが観察された。また, 635r群の1例に眼の外科異常を伴わない動物に脈絡膜のコロボーマが観察された。これらの所見は, 検眼鏡検査が前臨床試験における被験物質の催奇形性の評価に有用であることを示唆している。
  • 山田 隆, 井上 忠広
    1992 年 41 巻 3 号 p. 369-372
    発行日: 1992/07/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    SD系ラットの回腸にみられた約10mmの先天的憩室 (メッケル氏憩室) について組織学的検索を行った。その結果, 組織学的には本例は回腸と同一の構造と機能を有するものであった。ラットにおけるメヅケル氏憩室は極めて稀であるが, 本報告は今後新たな症例の発見の可能性を示した。
  • 樽見 千利, 高橋 達彦, 増田 裕
    1992 年 41 巻 3 号 p. 373-377
    発行日: 1992/07/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    イヌの摂水量および排尿量を連続して測定する装置を作製した。そして装置の良否の確認を, 一頭のビーグル犬を用いて摂水量および尿量の日内変動パターン, および利尿剤であるフロセミドを投薬した際のパターン変化から行った。日内変動パターンでは摂水量の増加が給餌後に見られたが, 尿量に一定のパターンは認められなかった。これらの結果はすでに報告されているパターンと同様であった。また, 利尿剤投薬時には投与後1時間以内に尿量の増加が観察された。以上の結果は, 今回作成した装置がイヌの摂水量あるいは尿量を長時間連続して測定できることを示唆した。
  • 渋谷 政治, 矢鍋 誠, 大杉 直弘, 田中 利男
    1992 年 41 巻 3 号 p. 379-381
    発行日: 1992/07/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    シリアンハムスターに薬剤を投与しSPF化を試みた。鞭毛虫類の除去には, Metro 50mgを1匹に1, 2日目には5回/日, 3, 4日目には2回/日の頻回に経口投与することで除去することができた。緑膿菌とパスツレラ菌の除去にはグラム陰性菌に有効な抗生物質NTLを10mg/匹10日間筋肉内接種することにより除去することができた。
  • 猪股 智夫, 二宮 博義, 宗宮 弘明, 齋藤 寛史, 望月 公子
    1992 年 41 巻 3 号 p. 383-386
    発行日: 1992/07/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    妊娠23日目の母体スナネズミから胎仔を取り出し尿生殖道を組織学的に観察したところ, 雌胎仔の尿生殖洞の腹側に前立腺の原基が認められた。同時に母体についても調べたところ膀胱頸部の両側に一対の良く発達した前立腺が観察された。
  • 中潟 直己
    1992 年 41 巻 3 号 p. 387-388
    発行日: 1992/07/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    体外受精由来マウス2細胞期胚を偽妊娠第1日目の受容雌の卵管膨大部へ卵管壁を介して移植した。計112個の胚を7匹の受容雌へ移植し, すべての受容雌から68匹 (60.8%) の新生児が得られ, 従来の経卵管釆卵管内胚移植の成績と同様に, 良好な移植成績が得られた。
  • ―マウスにおけるセンダイウイルスならびにマウス肝炎ウイルス抗体の検出―
    片倉 紀子, 高倉 彰, 鍵山 直子
    1992 年 41 巻 3 号 p. 389-390
    発行日: 1992/07/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    ELISAの簡便化のため, 濾紙に吸収させたマウス血液を検体として, センダイウイルスならびにマウス肝炎ンイルス抗体の検出を試みた。得られた結果は血清を材斗とする通常のELISAのそれとよく相関した。
  • 上野 新也, 山内 康之, 小池 宏, 松田 進, 遠藤 孝
    1992 年 41 巻 3 号 p. 391-393
    発行日: 1992/07/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    虚血-再開通障害モデルを得ることを目的に虚血に対し抵抗性が低いといわれるFischer 344系ラットを用い実験を行った。両側頸動脈を15~180分間結紮した後, 再開通後72時間までの神経症状及び死亡率を観察した。虚血時間を2時間とすると再開通72時間以内に40~60%の動物が死亡した。死亡率は10~40週齢の間で差はみられなかった。
  • 実験動物調査WG基準実態調査小委員会
    1992 年 41 巻 3 号 p. 395-400
    発行日: 1992/07/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
  • 1992 年 41 巻 3 号 p. e1
    発行日: 1992年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
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