Experimental Animals
Online ISSN : 1881-7122
Print ISSN : 0007-5124
43 巻, 2 号
選択された号の論文の16件中1~16を表示しています
  • 福田 俊, 飯田 治三
    1994 年 43 巻 2 号 p. 159-165
    発行日: 1994/04/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    正常なビーグル犬の成長に伴う腸骨の骨梁骨の組織形態計測値および骨代謝に関連した血清成分値の変化を検索した。生後3, 6, 9, 12, 24ヵ月齢の計90頭 (雄46頭, 雌44頭) を用いた。骨組織の形態および動態を定量的に測定する目的でテトラサイクリンとカルセインを投与して骨2重標識した後, 腸骨の一部を採取した。非脱灰腸骨の組織標本の海綿骨エリアの測定を半自動画像解析装置を用いて行った。3ヵ月齢の石灰化ずれ時間値を除いて骨形態計測値に雌雄差はみられなかった。静的指標のうち, 単位骨量と平均骨梁幅は3ヵ月齢から9ヵ月齢まで増加した。骨表面積と平均類骨幅は6ヵ月齢まで増加した。単位類骨量と類骨表面積は6ヵ月齢まで減少した。動的指標のうち, 石灰化速度と骨形成速度は3ヵ月齢から12ヵ月齢まで減少した。石灰化ずれ時間は3ヵ月齢から9ヵ月齢まで増加した。しかし, 9, 12ヵ月齢に雌雄の骨表面積の高値, 雌の類骨幅の低値, および12ヵ月齢に雌雄の平均骨梁幅, 雄の類骨幅と石灰化ずれ時間, 雌の石灰化速度の低値がみられた。血清総カルシウム値は一定の傾向を示さなかった。血清リン, アルカリフォスファターゼ, オステオカルシン値は, 雄の12ヵ月齢のアルカリフォスファターゼの高値を除いて, 3ヵ月齢から12または24ヵ月齢まで減少した。上皮小体ホルモンとカルシトニン値は3ヵ月齢から9または12ヵ月齢まで増加した。これらの結果は腸骨の骨梁骨の組織形態計測値や血清生化学値は6または9ヵ月齢まで急速に変化し, その変化が24ヵ月齢における成犬の状態に達するまで続く成長中の正常なビーグル犬の骨代謝の変化を表していることを示した。
  • 小林 直美, 五十嵐 功, 古山 佳子, 茨田 享子, 田内 清憲
    1994 年 43 巻 2 号 p. 167-172
    発行日: 1994/04/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    WI系, SD系およびF344系ラットを用いて, 腎機能検査で重要とされる尿量, GFR, および水分, Ca, IP, Na+, K+, Cl-, GluおよびUNの排泄量およびFRを測定し, 比較検討した。SDラットは, 他の系統のラットと比較して, 尿量が多く, 尿量/体重比も大きかった。
    GFRは, 各系統間で差を認めなかったが, FRH2Oは各系統間で異なっていた。Ca, K+およびGluのFRは系統間で差を認めなかった。IPのFRは, SD系およびF344系ラット共にWI系ラットと比較して有意に低い値を示した。Na+, C1-およびUNのFRはほぼ同じ傾向を示し, WI系, SD系およびF344系の順に小さい値をとり, SDとF344間のC1一およびWIとSD間のUNを除き共に有意差を認めた。
  • 清水 利行, 成田 勇人, 大久保 文雄, 吉田 高志, 長 文昭, 吉川 泰弘
    1994 年 43 巻 2 号 p. 173-180
    発行日: 1994/04/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    固型飼料の給餌量の制限が, 成長過程にあるカニクイザルの体重および形態学的発達におよぼす影響について, 育成雄個体を用いて調べた。約1歳齢で実験を開始し, 4歳齢に達するまで3ヵ月ないし6ヵ月間隔で調査をおこなった。動物を三群に分け, 青果物 (リンゴと柑橘類各100g/日) を与えるとともに, 固型飼料の給餌量を, 2.5歳齢までは1日あたり50g (A群) , 30g (B群) , および20g (C群) として, それ以後は100g (A群) , 50g (B群) , および40g (C群) に増加させた。実験開始後, 比較的早い時期にC群で体重増加の抑制が認められるようになり, 2歳をこえる頃にはB群でも認められるようになった。しかし, 給餌量の増加後は, C群でも体重増加の回復が認められ4歳齢ではA群と大差は無くなった。雄カニクイザルへの固型飼料の給餌量は増量時期を2.0歳齢ごろに早めるならばB群でおこなった程度のものが妥当であると判断される。他方, 給餌量の制限によってもっとも大きく影響されて抑制されたのは四肢の成長で, 次いで体幹部および各部の周囲長であり, 頭部の成長はもっとも影響が小さかった。
  • 小守 忍, 斎藤 徹, 梅田 昌樹, 杉山 公宏, 高橋 和明, 谷口 和之
    1994 年 43 巻 2 号 p. 181-190
    発行日: 1994/04/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    ハムスター, スナネズミの香腺を, それぞれの皮脂腺とともにレクチン組織化学的に比較検討した。肉眼的には両者とも雄の方が香腺がよく発達していたが, 組織学的な構造には雄雌間で著しい差異は認められなかった。組織学的にハムスターの香腺は, スナネズミのものより周囲の皮膚に存在する皮脂腺に近い形態を示した。導管部はハムスターでは短く, 毛嚢漏斗部との区別が困難な場合もあった。導管部、毛嚢漏斗部ともスナネズミの方がハムスターより太く, 表皮に大きく開口していた。レクチン組織化学的観察にはConA, RCAI, PNA, SBA, UEA-1, DBA, WGAの7種を用いた。香腺の終末部の分化した細胞は, ハムスターでは強弱の差はあっても7種のレクチンすべてに陽性を呈したが, スナネズミではSBAで陰性の反応を示した。導管部の細胞は, ハムスター, スナネズミともSBAに陰性であった。また, 香腺周囲の皮脂腺はハムスター, スナネズミとも7種すべてのレクチンに陽性反応を示した。香腺と周辺部皮膚の皮脂腺の反応性を比較すると, スナネズミではSBAの反応に相違があったが, ハムスターでは両腺の反応に著しい相違は認められなかった。また, ハムスターでは香腺は組織学的にも皮脂腺に近い形態を示したので, ハムスターの香腺は多少とも皮脂腺に近い性状を残していると考えられた。
  • 中村 直子, 野口 和浩, 浦野 徹
    1994 年 43 巻 2 号 p. 191-197
    発行日: 1994/04/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    実験用のヌードマウスコロニーに汚染した緑膿菌を除去するために, 本菌に有効な消毒薬を用いた環境の衛生管理の徹底, pH2.5~3.0の塩酸添加飲水の給与および本菌汚染動物の排除をおこなった。これらの3つを組み合わせた方法を実施した結果, 本ヌードマウスコロニーからの緑膿菌除去に成功した。
  • 吉田 高志, 大藤 圭子, 成田 勇人, 大久保 文雄, 長 文昭, 吉川 泰弘
    1994 年 43 巻 2 号 p. 199-207
    発行日: 1994/04/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    固型飼料の給餌量制限の, 成長過程にあるカニクイザルの血液学的および血清生化学的測定値におよぼす影響について育成雄個体を用いて調べた。約1歳齢で実験を開始し, 4歳齢に達するまで3ヵ月ないし5ヵ月間隔で調査をおこなった。動物を三群に分け青果物 (リンゴと柑橘類各100g/日) を与えるとともに, 固型飼料の給餌量を, 2.5歳齢までは1日あたり50g (A群) , 30g (B群) および20g (C群) とし, それ以後は100g (A群) , 50g (B群) および40g (C群) に増加させた。実験開始後, 比較的早い時期から, C群で貧血傾向が認められ, 実験終了時まで継続した。他方, 2.5歳齢までのB, C群でTGの増加が認められ, このころの雄カニクイザルへの30g/日という固型飼料の給餌量は, 最少必要量を満していないものと判断された。2歳齢までの最少必要量は30g/日, 2歳齢から2.5歳齢ごろは40g/日, それ以降では50g/日かそれよりもやや多い量であると推測される。以上の成績は, 主として体重指標として用いた先きの報告とおおむね一致した結論が, 血液学的および血清生化学的測定値を指標とした本研究によってさらに詳細に明らかになったと言えよう。
  • 斎藤 治美, 小川 和重, 谷口 和之
    1994 年 43 巻 2 号 p. 209-216
    発行日: 1994/04/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    ラットの鋤鼻器呼吸上皮に対する21種類のレクチン結合性を組織化学的に調べた。鋤鼻器呼吸上皮は線毛細胞と基底細胞からなる典型的な多列線毛上皮で, 線毛細胞は明細胞と, 変性中と思われる少数の暗細胞に分けられた。中等度以上のレクチンの反応性は線毛細胞の遊離縁で16種類, 細胞質では, 明細胞で8種類, 暗細胞で10種類であったことから, レクチンの反応は, 呼吸上皮では刷子縁で最も数が多く, かつ強く反応した。これらレクチンのうちBSLII, DBA, SBA, BSLI, VVAは変性中の暗細胞のみに反応が認められた。また, Jacalinは明細胞に陰性から中等度までの反応を示した。基底細胞では細胞質に中等度以上の反応を示したレクチンは4種類であったが, これらは明細胞の細胞質にも同様の反応を示した。以上のように, 遊離縁で最も多種類の糖鎖が存在することが明かとなり, また, レクチンの反応は明細胞では機能あるいは成熟度によって変化し, 暗細胞では明細胞では反応しなかったレクチンにも反応し, さらに基底細胞では明細胞への分化を示唆する所見が得られた。この結果は, 呼吸上皮を構成する細胞の膜に存在する糖鎖は, 細胞の分化, 成熟, 変性という細胞のライフサイクルによって変化する可能性があることを示唆している。
  • ―一年にわたる経過検討―
    有末 一隆, 内田 清久, 武内 望
    1994 年 43 巻 2 号 p. 217-226
    発行日: 1994/04/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    通常飼料および0.25%コレステロール添加飼料で飼育したアロキサン糖尿ラットの血中脂質およびリポ蛋白値の変化をアロキサン投与後12ヵ月まで検討した。糖尿ラットの血清インスリン値は3~51U/m尼で正常ラットの1/5~1/10であり, 血糖値は約10倍であった。食餌摂取量は1.5~2倍であったが体重はやや低下傾向を示すもののほぼ一定で変化は認められなかった。糖尿ラットでは血中脂質, 特にコレステロールとトリグリセライド値が著しく増加した。燐脂質値もほぼ平行して増加したが, コレステロール値の増加が大きかったためにコレステロール/燐脂質比 (C/P比) は増加した。リポ蛋白も糖尿ラットでは増加し, 通常飼料飼育群で正常ラットの5~10倍, コレステロール飼料飼育群で10~15倍に増加した。カイロミクロン, VLDL, IDL, LDLなどは増加したがHDLは逆に低下した。これらの変化はコレステロール飼料飼育群で更に顕著であった。糖尿ラットでは各リポ蛋白画分のトリグリセライド値は増加したが, コレステロール値の増加が著しく, 従ってトリグリセライドの割合は低下した。しかし, 燐脂質の割合はほぼ一定であった。糖尿ラットではIDLの増加およびIDL画分のコレステロール値の増加が顕著であった。糖尿ラットではリポ蛋白リパーゼに対するVLDLの反応性 (遊離脂肪酸の生成) は正常ラットの1/2以下に低下していた。結論として, 糖尿ラットの脂質代謝異常としてトリグリセライドの増加がみられたが, それ以上にコレステロールの増加が顕著であった。上述の変化はアロキサン投与後3ヵ月で既に発現し, 以降12ヵ月に到る迄ほぼ一定であり, リポ蛋白も含めた脂質代謝異常が経時的に増悪するものではないことが明らかとなった。
  • 佐藤 徳光, 加藤 明子, 藤沢 信義
    1994 年 43 巻 2 号 p. 227-233
    発行日: 1994/04/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    エールリッヒ腹水癌細胞 (EAT細胞) は細胞表面のH-2遺伝子産物をほぼ消失しており, 105細胞の腹腔内移植でどの系統マウスにも生着する。しかし, 皮下移植では2×107細胞の移入で, DBA/2 (H-2d) , C3H (H-2k) , AKR (H-2k) , CBA (H-2k) , DBA/1 (H-2q) では増殖し固形癌を形成したが, C57BL/10 (H-2b) , BALB/c (H-2d) , NZB (H-2d) , A (H-2a) , SJL (H-2s) では退縮した。各グループに共通する遺伝的特徴を探すと, EAT退縮系マウスのLyハプロタイプはLy-1.2およびLy-2.2という共通性があった。EAT増殖系マウスのそれはLy-1.1 (ただし, AKRは例外) およびLy-2.1であった。
  • 冷岡 昭雄, 吉田 高志, 長 文昭, 吉川 泰弘
    1994 年 43 巻 2 号 p. 235-241
    発行日: 1994/04/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    筑波医学実験用霊長類センターで繁殖・育成されたオス・ミドリザル45頭および当センターへ輸入後10年以上経過した野生由来の成熟オス7頭 (推定年齢15歳以上) の計52頭を用い, 腰椎骨の骨密度, 骨幅, 投影面積の計測とそれらの加齢変化について解析を行い, その加齢変化について検討を加えた。測定には, 2波長X線骨密度測定装置 (DPX-α; Lunar社製) を用いた。計測にあたって, 動物を全身麻酔した後, 発泡スチロール製の保定器に仰向けに固定した。測定は, 第3腰椎から第5腰椎 (L3~L5) で行い, それらの部位を平面に投影した時の平均骨密度 (BMD; Bone mineral density) , 平均腰椎幅 (骨幅) および平均骨面積 (投影面積) について, 小児用解析プログラムを用いて測定した。測定にあたり, 5歳齢から7歳齢の成熟した動物5頭を用い測定値の個体内再現性 (変動係数) を検討した。個体内再現性の平均は, 骨密度で1.9%, 骨幅で0.9%, 投影面積で2.6%であった。6ヵ月齢の動物の骨密度, 骨幅, 投影面積の測定値は, それぞれ約0.3g/cm2, 1.2cm, 4.5cm2であったが, その後, 値はゆるやかに増加し, 5歳齢では約0.7g/cm2, 1.5cm, 11cm2となり, ほぼプラトーに達し, 以後10歳齢まで, ほぼ一定の値を示した。他方, 10歳齢以上の育成個体と当センターですでに10年以上飼育している野生由来の推定年齢15歳以上の動物では, 投影面積および骨密度は, 5歳齢以上10歳齢以下の動物よりやや小さい値を示した。オス・ミドリザルの場合, 最大骨量を呈している期間は5歳齢から10歳齢までであると判断される。
  • 山元 昭二, 安藤 満, 鈴木 明, 川原 一祐
    1994 年 43 巻 2 号 p. 243-246
    発行日: 1994/04/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    温熱負荷の生体への影響を解明するために, 13週齢のFischer系雄ラットを32℃の温熱環境に2日間および7日間暴露し, 体温変化と病理組織学的変化について検討した。温熱暴露で直腸温, 眼球温ともに上昇し, 直腸温は約38℃, 眼球温は約36℃で推移した。病理組織学的な変化としては, 7日間暴露で肝静脈周囲の肝細胞に空胞変性が認められた。肝臓以外の臓器には, 異常所見は認められなかった。これらの結果から, 32℃の温熱暴露は体温の上昇をひき起し, 肝静脈周囲に病理組織学的な変化を起こすことが示された。
  • 安斎 政幸, 中潟 直己, 松本 和也, 高橋 明男, 高橋 由美, 宮田 堅司
    1994 年 43 巻 2 号 p. 247-250
    発行日: 1994/04/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    当研究室で作製したトランスジェニックラット (Anti-rGH・Tg) の系統保存を目的に, 既にマウスにおいて確立されている超急速凍結法を用いて前核期受精卵の凍結保存を行った。導入遺伝子をホモ接合に持つトランスジェニックラットの精巣上体尾部精子を用いた体外受精によって得られた前核期受精卵を凍結し, その一部97個を融解した結果, 形態的に正常な卵子の割合は41% (40/97) であった。更に正常卵子を移植した結果, 10% (4/40) が新生児へ発生した。また, 得られた産子すべてに導入遺伝子の伝達が認められ, 矮小化を呈する表現型が観察された。また, その兄妹交配により導入遺伝子をホモ接合に持つトランスジェニックラットを作製することができた。以上の結果より, 超急速凍結法を用いた受精卵の凍結保存が, トランスジェニックラットの系統保存に利用できる可能性が示された。
  • 大野 京子, 丹羽 愛樹, 加藤 志津香, 近藤 恭司, 織田 銑一, 井上 稔, 山村 英樹
    1994 年 43 巻 2 号 p. 251-255
    発行日: 1994/04/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    日本産野生ラット (Rattus norvegicus) から新たに5系統を育成した。野生ラット系統の受胎率は既存の近交系に比べて低く, 母性攻撃が顕著に認められた。実験動物化されたラットは, 捕獲された野生ラットに比べて体格は大きくなった。MITA系およびMITD系は兄妹交配20世代を越えたが, 前者は非常に馴化が進み扱いやすくなり, 後者は動きが非常に敏捷で攻撃的であった。MITB系は毛色の変異を持つ系統としてMITA系から分離された。MITC系とMITE系はそれぞれF15世代とF11世代に達した。これらの系統は新しい遺伝的変異を供給すると共に, 生理学的および心理学的実験に有用である可能性がある。
  • 宮木 孝昌, 仲間 一雅, 秋元 敏雄, 鬼頭 純三, 伊藤 博信
    1994 年 43 巻 2 号 p. 257-260
    発行日: 1994/04/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    ラットの膵臓の外部形態と膵管分布を肉眼解剖学的に調べた。膵臓は十二指腸の前部に沿って位置する膵体, 膵体から十二指腸間膜の中に広がる膵右葉, および膵体から胃脾間膜の中を脾臓に向かって左方に伸びる膵左葉から構成されていた。膵臓に分布する膵管はすべて肝腸管に開口していた。膵管の数は3本から10本までの範囲 (平均6.3本) で見られ, この中で2本の太い膵管 (右膵管と左膵管) が全例に存在し, それぞれ膵右葉と膵左葉に分布していた。このほかの膵管は約半数以上の個体で認められ, 膵体と膵葉の一部, あるいは膵体内に分布していた。ラットの膵臓の導管はすべて膵管の範疇に属するものと推測された。
  • 成田 勇人, 大久保 文雄, 吉田 高志, 長 文昭, 吉川 泰弘
    1994 年 43 巻 2 号 p. 261-265
    発行日: 1994/04/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    二波長X線画像解析装置 (DEXA, DPX-α, Lunar社製) で小児用プログラムを用い全身モードの走査を行うことにより雌カニクイザルの骨量・軟部組織量 (赤身肉・脂肪量) の生体計測が可能であった。測定の正確性は, ウシ赤身肉, ブタ脂身および肋骨で構成したダミーを測定することにより確認した。また, 軟部組織量に占める脂肪量の割合 (%Fat) が, 雌カニクイザルの肥満の良好な指標となり得ることが明らかになった。
  • 1994 年 43 巻 2 号 p. e1
    発行日: 1994年
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
feedback
Top