実験動物技術員の資質を向上させ実験動物技術の進展に貢献することを目的として, 日本実験動物学会 (旧称日本実験動物研究会) は実験動物技術員資格認定試験制度を定めた。この制度によって, 実験動物技術員は実験動物に関する知識, 技術面の試験によって的確に判定され, 初級, 中級, 上級の資格を取得することができる。
初級認定試験は, 昭和49年に第1回が実施されて以来毎年1回行われている。中級認定試験は, 昭和53年に実施される予定であったが諸般の事情により延期され, 今日に至っている。昭和57年「中級試験の実施等に関する検討ワーキンググループ」 (長: 中川雅郎) の勧告に基づき, 認定委員会により中級試験受験のための指針作成の作業が進められ, 初級試験用指針作成も併行的に行われて指針はガイドラインとなり, その完成がみられた。
ガイドラインは, 初級あるいは中級試験受験の際に妥当な範囲内における適切なレベルの知識, 技術面の基準を示すことを目的とした。またガイドラインは, 試験委員が出題に際して準拠すべき基準ともなり得るものであるが, 毎回の出題のすべてが厳格にガイドラインに依らなければならないわけではなく, 大筋においてガイドラインに照らして出題されていれば, その目的は達成されているというべきである。
なお, ガイドラインは実験動物に関する知識, 技術に対する時代の要請に対応できるよう, 適宜改定されることが望まれる (昭和59年1月) 。
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