Experimental Animals
Online ISSN : 1881-7122
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33 巻, 2 号
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  • 澤崎 坦
    1984 年 33 巻 2 号 p. 131-139
    発行日: 1984/04/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
  • 中川 雅郎
    1984 年 33 巻 2 号 p. 141-149
    発行日: 1984/04/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
  • 井上 健, 井之口 美由紀, 清水 勝嘉, 阿部 克巳
    1984 年 33 巻 2 号 p. 151-157
    発行日: 1984/04/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    マウスの乳腺癌における間質の血管反応の特徴を把握する目的で, C3H/HeJ系の老齢非妊娠マウスに自然発生した腫瘍を基に, 病理組織学的検索, 軟X線血管造影および大型組織透徹標本により間質の微細血管構築を検索した。本腫瘍は三つの異なる組織型を持つadenocarcinoma B型 (Dunn分類) であった。腫瘍間質の血管反応は, 分布形態により三型に分けられ, それぞれの組織型において特異性を示した。また, 腫瘍細胞の増殖が顕著な組織型では不規則な配列を示す類洞状毛細血管の形成がみられ, 腫瘍の増殖度合と深い関係を示した。一方, この腺癌にみられる組織の壊死の出現機序は, 腫瘍内の血管形成の不全あるいは腫瘍細胞の膨張増殖による血管の圧迫が腫瘍組織に持続的乏血を招来するためと考えられた。以上の如く, 腫瘍内の微細血管構築をこれらの方法で検索することは, 腫瘍の悪性度および組織型を知る上でより意義があると考えられた。
  • 橋爪 一善, 五十嵐 康, 佐久間 貞重, 酒井 豊
    1984 年 33 巻 2 号 p. 159-163
    発行日: 1984/04/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    雄ラットの加齢に伴う繁殖能の減退と血中ホルモン含量の変化について検討した。繁殖能の有無は生後30, 59, 93週齢より2週間にわたり, それぞれ20匹の雄を用いて交尾および妊娠の成否により判定した。繁殖試験終了後の雄は生後31, 60, 95週目に採血し剖検した。各時期の血中ホルモンを測定し, 繁殖能の有無と対比検討した。生後30, 31週齢では85%の繁殖能が認められたが, 59, 60週齢では35%に減退し, 93, 94週齢では繁殖能は認められなかった。血中テストステロン量は加齢に伴い低下し, とくに, 繁殖能の認められなかった個体ではその低下が著しかった。血中性腺刺激ホルモンのうち, FSH, LH量は加齢とともに低下し95週齢で最低値を示した。一方, プロラクチン量は95週齢で著しい高値を示した。雄の加齢に伴う繁殖能の減退は交尾能の低下に始まり, その減退は血中テストステロン量の減少およびプロラクチン量の上昇と深い関連性のあることが推察された。
  • 若藤 靖匡, 外尾 亮治, 天尾 弘実, 高橋 和明, 今道 友則
    1984 年 33 巻 2 号 p. 165-171
    発行日: 1984/04/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    病原微生物や寄生虫の侵入を可能な限り防御した厳重な隔離方式施設 (Barrier System) の飼育条件下で3ケ月齢の初産SPF Wistar-Imamichi Rat 6, 142腹を用い産仔数と着床痕数, 妊娠黄体数を観察, 記録した。この成績を既報 [10] のコンベンショナル条件下で得たものと比較し, Barrier Systemが受精卵の着床前の損失および着床後の胚・胎仔の損失率に及ぼす効果について検討した。その結果1) SPFラットの産仔数は6, 142腹の平均が12.4±0.04匹であり, 最少1より最大20匹にわたって分布した。又SPFラットとコンベンショナルラットの成績を比較すると平均産仔数において前者の方が後者 (11.0±0.04) に比べて有意に多かった (P<0.001) 。2) 妊娠黄体数は各産仔数間でほとんど差異が見られなかったが, コンベンショナルラットとの比較ではSPFラットの方が多かった。3) 着床後の損失 (着床痕数―産仔数) は産仔数5~6匹群から11~12匹群まで2.2~2.7個と一定した低い値を示し, さらに低産仔数群と高産仔数群がそれより少なく約1個の値を示した。又コンベンショナルラットに比べて10匹以下の産仔数群で著しく減少した。
    以上の成績から, 病原体の汚染防止および一般環境の統御下に育成されたSPFラットにおいては, 産仔数の増加が認められ, その主要因は排卵数そのものの増加と着床後の胚・胎仔の損失の減少によることが明になった。
  • ―新生仔期および乳仔期における所見―
    鈴木 通弘, 成田 勇人, 田中 吉春, 長 文昭, 福井 正信
    1984 年 33 巻 2 号 p. 173-179
    発行日: 1984/04/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    0日齢より90日齢にいたる各時点での健康なカニクイザル合計242頭の眼底像を観察し, 各部位の所見について日齢による微妙な差を記録・分析した。各日齢の代表像をFig.1~10に示した。眼底網膜色調は, 0日齢及び3日齢においては淡紅色, 7日齢及び14日齢では個体により部分的に緑青色が加わり, 60日齢及び90日齢では全面緑青色を呈した。円板色調は0~14日齢で淡紅色, 28日齢以後橙色を呈した。網膜動脈は淡紅色, 網膜静脈は暗紅色を一貫して示した。黄斑部は0日齢時判別やや困難, 3日齢で周囲に比しわずかに暗調, 14日齢以後周囲と明瞭に区別された。眼底挿入光線反射は14日齢ではじめて記録され, 以後, より強くなった。0日齢の自然分娩仔36頭中22頭 (67%) で各種規模の網膜出一血を認めたが, 帝王切開例では30頭中10頭 (33%) で認めたのみであった。これらの所見は生後約1週齢で自然に消失した。
  • 三枝 雅, 金子 洋二, 奈良間 功
    1984 年 33 巻 2 号 p. 181-185
    発行日: 1984/04/01
    公開日: 2010/12/09
    ジャーナル フリー
    安全性試験における実用的な視覚検査方法を検討するため, Y字型装置を用いて, 無処置, 暗順応および眼瞼縫合群を設定し, ラットの暗所指向性と照度との関係について検索した。得られた成績は以下に要約された。
    1) 無処置群では30luxの条件下で1600luxの条件下と同等の98%の暗所選択率を示し, 以下15, 10, 7.5, 5, 1.25luxの条件下でそれぞれ95, 93, 89, 82, 67%の選択率であった。このことから, 無処置動物が暗所選択率の低下を示さない臨界照度は30lux付近であると推定された。2) 1時間の暗順応群では15luxの条件下で98%の選択率を示し, 7.5, 5luxの条件下でそれぞれ95, 92%を示した。従って, 暗順応ラットが暗所選択率の低下を示さない臨界照度は15lux付近と推定され, 明らかな暗順応効果が認められた。3) 眼瞼縫合の暗所選択率は1600luxの条件下で85%であったのが30luxの条件下では52%に低下し, 盲目の理論値にほぼ合致した。4) 正常動物が暗所選択率の低下を示さない臨界照度である30luxの照度下では, 眼瞼縫合群が盲目の理論値にほぼ合致した成績を示したことと正常ラットにおける暗順応効果は, 本装置によるラットの視覚異常検出の精度がより向上する可能性を示唆していた。
  • 中川 雅郎, 斉藤 学
    1984 年 33 巻 2 号 p. 187-192
    発行日: 1984/04/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    Antigenic characterization ofP. pneumotropicaderived from mice and rats were serologically investigated by use of hyperimmune rabbit sera against mouse strain M 1 and rat strain R 1 and absorbed sera m-1 and r-1 which were prepared by absorbing anti-M 1 serum with strain R 1 and anti-R 1 serum with strain M 1, respectively. All of 13 mouse strains employed were agglutinated with both anti-M 1 and anti-R 1 sera, but their agglutination titers with anti-M 1 serum were usually higher than those with anti-R 1 serum. Agglutination test of 13 rat strains with two antisera showed results converse to those of mouse strains. On the other hand, all the mouse strains were agglutinated with absorbed serum m-1 but not with absorbed serum r-1, while quite converse results were obtained with all the rat strains. Antigens reactive with the absorbed sera were remarkably destroyed by heating at 100°C for 1 hour and treating with 1 N HC1, suggesting to be capsular antigens of bacterial cells.
  • 古村 圭子, 栗木 隆吉, 宮崎 幸恵
    1984 年 33 巻 2 号 p. 193-200
    発行日: 1984/04/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    日本産の新しい実験動物ジャコウネズミすなわちスンクス (Suncus murinus) 雄の性成熟過程を知るために, 出生後の日齢の進行に伴う精巣, 副生殖腺, 生殖腺以外の各種臓器重量の変化, 精子形成, Testosterone生合成系に関与する酵素の1つ△5-3β-Hydroxysteroid dehydrogenase (HSD) 活性の精巣における出現時期, さらに血漿中Testosterone (T) 濃度について調べた。精巣の重量増加は, 10日齢から顕著になった。15日齢にLeydig細胞部位に, HSD活性が弱いながら検出された。血漿中T濃度は, この酵素活性の強まりに呼応して, 15日齢を過ぎると急激に増加し, 30日齢にPeakに達した。精嚢, 前立腺重量は, S字型曲線を描いて増加し, 25日齢頃から急増期に入った。精子は, 28日齢に精細管に出現し始め, 33日齢にはほとんどの精細管中に精子が観察された。これらからスンクスの雄において, 性腺活動開始期は, 25日齢頃と考えられた。また40日齢には, 精巣, 副生殖腺, 体重の増加が鈍化傾向を示した。この事はこの日齢で身体発育がほぼ完了したことを示唆する。そして40日齢で雌と交尾し, 妊娠させた。おそらく, 35~40日齢頃には, 器官重量増加度あるいは血漿中T濃度からも, 既に交尾・射精可能な状態一性成熟に達していると考えられた。
  • 山田 隆, 西山 勤, 井上 忠広
    1984 年 33 巻 2 号 p. 201-207
    発行日: 1984/04/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    生後24時間以内の新生仔ラットの体に直接個体識別処置 (入墨, 烙印) を施す方法について検討し, 次の成績を得た。1.入墨および烙印は頸背部を避け, 肩, 大腿および腰部に2×2mmまたは直径3~4mmの輪形処置とすれば全例生存し, 処置後21日頃まで被毛上から識別できた。2.入墨および烙印処置仔の体重, 外表分化は無処置仔と変らなかった。3.入墨および烙印処置後7および21日目に傾斜板法による行動観察を行ったが, 全く異常は認められなかった。4.入墨および烙印処置の仔を里親に哺育させたところ離乳時まで全例生存した。
  • 吉村 マスミ, 江袋 美知, 鍵山 直子, 清水 淳男, 斉藤 祐二
    1984 年 33 巻 2 号 p. 209-212
    発行日: 1984/04/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    実験用イヌおよびサル類より, Cmpaylobacter jejuniの分離をおこなった。ふん便の培養により, 某生産施設のピーグルの14.7%, および輸入ビーグルの32%から本菌が検出された。動物管理センターのイヌでは, 幼犬の25%, 成犬の3.9%がC.jejuniを保菌していた。輸入直後のカニクイザルの49.2%, アカゲザルの38.8%から本菌が分離された。イヌおよびサル類から分離された菌株のほとんどが, エリスロマイシン, クロラムフェニコールおよびゲンタマイシンに高感受性を示した。
  • 木内 吉寛, 石井 愛, 大倉 彬, 鈴木 慈郎
    1984 年 33 巻 2 号 p. 213-216
    発行日: 1984/04/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    インターフェロン誘発物質であるニュカッスル病ウイルス (NDV) , poly I.C, LPS, PPDによるインターフェロン (IFN) 産生の系統差を比較した。NDV投与ではC57BL/6, DDDがHigh responderであり, BALB/c, C3H/Heはlow responderであった。poly I.C投与もしくはLPS投与ではC57BL/6, C3H/Heがhigh responderであり, BALB/c, DDDはlow responderであった。BCG感作マウスにPPDを投与した時C57BL/6がhigh responderであり, BALB/cはlow responderであり, C3H/He, DDDは中間型を示した。
  • 伊勢川 直久, 土井 邦雄, 山本 哲三, 片岡 元行, 水谷 武夫
    1984 年 33 巻 2 号 p. 217-222
    発行日: 1984/04/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    理化学研究所で維持されているAPA系ゴールデンハムスター71例を剖検し, 19例 (27%) に副脾を認めた。これらの副脾を組織学的に検索したところ, 1例 (15週令, 雄) の膵尾にみられた副脾の実質中に膵島および膵腺房が認められた。この膵組織は, 胎生期に, 副脾と膵臓の接合部で結合織陸中隔を欠く個所から副脾の実質深く侵入したものと考えられた。
  • 松崎 哲也, 斉藤 宗雄, 山中 聖敬
    1984 年 33 巻 2 号 p. 223-226
    発行日: 1984/04/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    スンクス (Suncus murinus) の計画生産を目的として, 1980年5~8月にかけて名古屋大学農学部家畜育種学教室より雌13匹, 雄13匹の分与をうけた。この基礎集団の増殖を行なった結果, 1981年9月には種雌128匹, 雄60匹の繁殖コロニーが形成された。ひきつづき, 種動物の選抜淘汰をくりかえして, 1981年12月には月産100匹以上のスンクスの計画生産体制が整えられた。1982年の1年間の繁殖成績では, 延べ交配雌数994匹において, 妊娠率74.1%, 出産率89.8%, 平均産仔数3.5匹, 離乳率77.2%, 生産指数1.8で, 年間1780匹の離乳仔が得られ, 安定した生産をあげることができた。
  • 松原 孝雄, 山中 宏志, 鈴木 芳和
    1984 年 33 巻 2 号 p. 227-232
    発行日: 1984/04/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    当研究所で自家繁殖飼育しているJW-NIBSの自然発生奇形の出現頻度について検討した。195例中10例 (5.1%) の母体が流早産したので, 残りの185例の母体について胎仔の奇形の出現頻度を調べた。生存胎仔数1217例中, 外表異常は0.57% (7例) であり, 主として頭部, 胸腹壁および尾の異常であった。腹部臓器の形態異常は0.16% (2例) , 頭部と胸部の内部形態異常は1.73% (6例) であった。骨格異常は0.69% (6例) であり, 13肋骨は4.03%であった。
  • 鈴木 通弘, 成田 勇人, 長 文昭, 福井 正信
    1984 年 33 巻 2 号 p. 233-235
    発行日: 1984/04/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    0日齢のカニクイザル45頭の眼観察において, 例外なく硝子体動脈遺残像を認めた。本像は21~45日齢において全例消失した。したがって, 出生時の硝子体動脈遺残はカニクイザルにおいては正常な現象と考えられた。
  • 日本実験動物学会認定委員会
    1984 年 33 巻 2 号 p. 245-265
    発行日: 1984/04/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    実験動物技術員の資質を向上させ実験動物技術の進展に貢献することを目的として, 日本実験動物学会 (旧称日本実験動物研究会) は実験動物技術員資格認定試験制度を定めた。この制度によって, 実験動物技術員は実験動物に関する知識, 技術面の試験によって的確に判定され, 初級, 中級, 上級の資格を取得することができる。
    初級認定試験は, 昭和49年に第1回が実施されて以来毎年1回行われている。中級認定試験は, 昭和53年に実施される予定であったが諸般の事情により延期され, 今日に至っている。昭和57年「中級試験の実施等に関する検討ワーキンググループ」 (長: 中川雅郎) の勧告に基づき, 認定委員会により中級試験受験のための指針作成の作業が進められ, 初級試験用指針作成も併行的に行われて指針はガイドラインとなり, その完成がみられた。
    ガイドラインは, 初級あるいは中級試験受験の際に妥当な範囲内における適切なレベルの知識, 技術面の基準を示すことを目的とした。またガイドラインは, 試験委員が出題に際して準拠すべき基準ともなり得るものであるが, 毎回の出題のすべてが厳格にガイドラインに依らなければならないわけではなく, 大筋においてガイドラインに照らして出題されていれば, その目的は達成されているというべきである。
    なお, ガイドラインは実験動物に関する知識, 技術に対する時代の要請に対応できるよう, 適宜改定されることが望まれる (昭和59年1月) 。
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