Experimental Animals
Online ISSN : 1881-7122
Print ISSN : 0007-5124
39 巻, 4 号
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
  • 鈴木 邦夫
    1990 年 39 巻 4 号 p. 497-505
    発行日: 1990/10/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
  • 前川 昭彦
    1990 年 39 巻 4 号 p. 507-517
    発行日: 1990/10/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
  • 天尾 弘実, 斎藤 学, 高橋 和明, 中川 雅郎
    1990 年 39 巻 4 号 p. 519-529
    発行日: 1990/10/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    Corynebacterium kutscheri (CK) の不顕性感染動物を高率に摘発する目的で, ハートインフュージョン寒天培地にフラゾリドン, ナリジキシン酸およびコリマイシンを添加した選択培地を作製し, FNC培地と命名した。この培地は, マウス, ラット由来のプロテウス, 緑膿菌およびその他のグラム陰性桿菌ならびにグラム陽性球菌の発育を抑制したが, CKの発育には影響を与えなかった。マウスとラットの口腔および盲腸内容物をFNC培地で培養することにより, CK自然感染動物の検索を行ったところ, コンベンショナルマウス6コロニーのうち2コロニーと, ラット8コロニー中3コロニーにCKの感染が確認され, 合計19匹のマウスと12匹のラットからCKが分離された。しかし, これらのCK陽性動物ではいずれも臨床症状や病変はみられなかった。また, CK菌液を実験的に経口投与したマウスおよびラットについてFNC培地を用いて種々の部位より菌分離を試みたところ, 感染20週までCKが分離された。最も高い分離率を示した部位は, マウスでは口腔, ラットでは顎下リンパ節と口腔であり, 半数以上の動物では盲腸からも本菌が分離された。自然感染および実験感染例におけるこれらの結果から, マウスとラットでは, FNC培地を使用して口腔および盲腸内容物を培養することにより, CK不顕性感染動物を効率良く摘発できることが示唆された。
  • 東保 麻美, 内田 良一, 宮本 達, 小川 忠丈
    1990 年 39 巻 4 号 p. 531-537
    発行日: 1990/10/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    SD雄系ラット, (8週齢) の耳介にPropionibacterium acnes (P.acnes) の加熱死菌140μg (乾燥重量) を皮下注射した。炎症の強さの指標とする為に, 試料投与部位及び対照部位の耳介の厚さをマイクロインジケーターを用いて1日1回, 1週間, さらに1日おきに35日目まで測定した。また, 経時的に組織検査用に動物を屠殺し, 被検部組織をヘマトキシリン・エオジン染色にて炎症状態を調べた。さらに, 酵素抗体法により, P.acnesを特異的に染色してその動態を検討した。ラット耳介の厚さを測定した結果, 2日目には, 対照の2倍以上になり, 腫脹は最大になった。5日目までに腫脹は軽減し, 対照の1.5倍になり, 35日間持続した。組織学的検査の結果, 腫脹部位にリンパ球, 好中球からなる顕著な細胞浸潤が認められた。細胞浸潤は投与初期から24時間までは多核白血球が主体でありそれ以降は, 単核細胞主体の細胞浸潤となった。P.acnes投与6時間後には一過性の好酸球の浸潤が認められた。酵素抗体法による検査の結果, 投与35日目の組織においても細胞浸潤部位の細胞及び貪食細胞内にP.acnes抗原が存在することが判った。本炎症モデルは肉芽腫性炎症を伴う尋常性座瘡の動物実験モデルとして有効と考えられる。
  • ―日本で新たに分離された株とその性状―
    宮田 博規, 佐藤 浩
    1990 年 39 巻 4 号 p. 539-548
    発行日: 1990/10/01
    公開日: 2010/12/09
    ジャーナル フリー
    わが国の実験用マウスコロニーにマウス脳脊髄炎ウイルス (TMEV) の感染が存在するか否かを血清学的・ウイルス学的に検索した。また新しく分離された株の同定ならびに性状についても検討した。その結果, コンベンショナルマウスで8倍以上の抗体陽性例を137/354 (38.7%) に確認し, その抗体価の分布は1: 8~1: 512であった。一方, SPFマウスは全例陰性 (0/90) であった。抗体陽性マウスの腸乳剤から新しく分離されたウイルス (YOC株, AB株) の性状を検討したところ, エーテル耐性, pH3で安定, 粒子サイズ10~50nmであり, SDS-PAGEならびにイミュノブロッティングでのウイルス蛋白の分析結果もVP1; 33Kd, VP2; 32Kd, VP3; 25Kdの主バンド, VPO; 38Kdの副バンドが認められ, かつウイルス核酸もRNAであることよりTMEVの標準株であるGD-VII株と一致した。また血清学的にもGD-VII株と両方向性に交差し, さらにマウス脳心筋炎 (EMC) ウイルスのVP2とも交差した。しかし, 分離株のマウスにおける病原性は, 後肢麻痺, 立毛を主徴とする亜急性感染経過をとり, 従来報告されているTO株に類似すると考えられた。以上の結果から, 欧米同様我が国のコンベンショナル・マウスコロニーにもTMEVの感染が存在し, 今後我が国の全生産業者由来SPFマウスの検査項目の一つとしてとりあげる必要性が示唆された。
  • 櫻井 美典, 鈴木 宏和, 小林 憲明, 寺田 英司, 高倉 彰, 鍵山 直子
    1990 年 39 巻 4 号 p. 549-555
    発行日: 1990/10/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    モルモットにおけるBordetella bronchiseptica (B. bronchiseptica) 感染症の血清学的診断法として, enzyme-linked immunosorbent assay (ELISA) を確立するために, 使用する菌体成分由来の3種類の抗原についてその有用性を検討した。検討した抗原は, sonication antigen (S-Ag) , cell surface antigen (C-Ag) , lipopolysaccharide antigen (L-Ag) である。その結果, S-Agを用いたELISAが死菌免疫血清ならびに自然感染モルモット血清において, 最も高感度に抗体を検出した。S-AgはC-Agと同様に, Pasteurella multocidaとの交差反応性も認められず特異性に優れていた。感染実験により各抗原に対する抗体産生時期を検討したが, 肺での菌の増殖に伴ってS-Agに対する抗体が最も早く産生された。以上の結果より, B. bronchiseptica感染症の血清診断には, S-Agを抗原とするELISAが有用であることが分かった。
  • 鈴木 敏明, 清水 正導, 石橋 晃
    1990 年 39 巻 4 号 p. 557-564
    発行日: 1990/10/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    我国では, 市販の実験動物用固形飼料のエネルギーを評価するのに, エネルギー換算係数を適用する場合が多い。この適用が妥当であるか否かを検討するため, 10種の市販の実験動物用飼料につき, それぞれ対応するラット, イヌ, ウサギ, モルモットを用いて, 粗蛋白質, 粗脂肪, 可溶無窒素物, 炭水化物 (可溶無窒素物+粗繊維) の見掛けの消化率と窒素補正代謝エネルギー (MEn) を測定した。また, 市販飼料に使用される主要な原料を含む12種の飼料原料の粗蛋白質, 粗脂肪の真の消化率をラットで測定した。各栄養素の見掛けの消化率は飼料中の粗繊維含量の増加とともに低下した。MEnは, 飼料により乾物当たり2.18~3.75kcal/gとなった。慣用されている4, 9, 4のエネルギー換算係数を飼料の化学分析値に適用して得たエネルギーの計算値を, MEnと比較すると, 計算値は実測値の1.04から1.39倍の高い値を示した。全ての市販飼料は, エネルギー換算係数の適用の前提となる高い消化率を示さず, また, 飼料原料も前提を満足する消化率を示したものは少なかった。このことから, 市販の実験動物用飼料へのエネルギー換算係数の適用は飼料のエネルギーを過大に評価することになり, 適正ではないことが明白となった。これに代わるエネルギーの評価法として, 各々の実験動物飼料につき対応する動物でMEnを実測することが望ましいと考えられる。
  • 勝田 新一郎, 太治 司郎, 細見 弘
    1990 年 39 巻 4 号 p. 565-569
    発行日: 1990/10/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    6, 12, 18, 24および30ヵ月齢におけるウサギの血圧およびその変動性を明らかにし, それらに対する加齢の影響について検討した。実験には, 日本白色種ウサギの同一コロニーから任意に抽出した25匹を使用した。それらを5匹ずつ6, 12, 18, 24および30ヵ月齢のグループに分け, 同一飼料, 同一環境条件下 (室温22~25℃, 相対湿度50~60%) で飼育した。血圧測定に先立ち, ウサギをペントバルビタールで麻酔し, 左鎖骨下動脈よりカテーテルを先端が大動脈弓に届くまで挿入し, 他端は背部の皮膚に固定した。数日後, ウサギを血圧測定用ケージに移し, 約2時間実験環境に順応させてから, 10時頃より血圧測定を開始した。大動脈圧は, カテーテル, 圧トランスデューサを介してペンレコーダで約3時間モニタするとともに, A/D変換器を介して1秒毎にコンピュータで記録した。3時間の平均血圧の月齢毎の平均値は, 91.7~96.8mmHgの範囲に分布し, 加齢による変化は認められなかった (p>0.05, Kruskal-Wallis'multi-sample test) 。3時間の血圧標準偏差は3.8~5.2mmHgの狭い範囲にあり, 加齢による影響はみられなかった (p>0.05, Kruska1-Wallis'multi-sample test) 。血圧ヒストグラムは, いずれの月齢においてもモードにおける先鋭化が観察され (18例) , 正規分布は2例のみが示した (p>0.05, x2-test) 。上記結果より, ウサギの圧反射系全体の調節能は6~30ヵ月齢では加齢の影響を受けないものと解釈した。
  • 鈴木 通弘, 小川 浩美, 長 文昭, 本庄 重男
    1990 年 39 巻 4 号 p. 571-575
    発行日: 1990/10/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    光透過率が異なる面を着用した観察者の眼に対する, カニクイザルの凝視反応を利用する視覚判定のための簡単な方法 (鈴木ら, 1988) を, 黄斑変性および非中心性網膜変性を示す個体に適用し, 眼底所見が正常な個体と比較した。その結果, 眼底の正常な個体に比べて, 黄斑変性を呈する個体の視覚機能は明らかに劣っていた。さらに, 黄斑変性の程度に応じた視覚機能の差も認められた。一方, 非中心性網膜変性所見を呈する個体の視覚機能は眼底所見が正常な個体とほぼ同様であった。
  • ―卵巣摘除の影響―
    浅沼 章宗
    1990 年 39 巻 4 号 p. 577-581
    発行日: 1990/10/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    ラットにおける自然発生性の骨髄肉芽腫は, Slc: Wistar系の19週齢以降の雌に高頻度に認められたが, JCL: SD系およびSlc: SD系には雌雄ともにまったく発生は認められなかった。雌Slc: Wistar系における骨髄肉芽腫を病理組織学的に観察すると, 主としてリンパ球や形質細胞で囲まれた類上皮細胞やマクロファージで構成されており, 異物あるいは病原微生物の存在は認められなかった。6週齢のSlc: Wistar系ラットの卵巣を摘除すると, 20あるいは24週齢における骨髄肉芽腫は, その大きさ・発生頻度ともに著明に低下した。これらの結果から, 本肉芽腫の発生には遺伝的素因が関与しており, さらに増強因子として免疫系に影響を及ぼすestrogenが重要な役割を果していると考えられる。
  • 茶山 和敏, 田中 愼, 松沢 昭雄
    1990 年 39 巻 4 号 p. 583-588
    発行日: 1990/10/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    乳癌誘発に関係する背景因子へのMtv-2遺伝子の関与を解明する目的で, GRS/AJms (GR) マウスから. Mtv-2遺伝子を導入・作出したDDD/1-Mtv-2, /Mtv-2 (DDD-Mtv-2) コンジェニックマウスとDDD/1マウスの間で, 内分泌活動及び免疫能に関係する臓器, 乳腺の発達, マウス乳癌ウイルス (MMTV) -gp52抗原の発現, 過形成胞状結節 (HAN) 及び乳癌の発生について比較した。4, 6及び12ヵ月齢での観察で, 体重, 子宮, 卵巣, 副腎, 下垂体, 胸腺及び脾臓の重量, 卵巣の組織像と乳腺発達に関して, Mtv-2に直接関係あると考えられる差は全くなかった。これに対して, DDD-Mtv-2のみでMMTV-gp52抗原が発現し, HANと乳癌が発生した。従って, Mtv-2遺伝子は乳癌発生に関わる背景因子を介して, その発生を促進させるのではなく, 乳腺細胞での内因性MMTVの産生により細胞をトランスフォームさせ, 乳癌発生率を高めることが判明した。また既報のGRに関するデータとの比較で, Mtv-2の発現がDDD/1の遺伝的背景では, より弱いことが示唆された。
  • 鈴木 秀作, 小林 裕太, 吾郷 昭夫, 佐畑 ひとみ, 御船 弘治
    1990 年 39 巻 4 号 p. 589-592
    発行日: 1990/10/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    母マウスの下顎腺摘出が幼若マウスの成長に与える影響と, その時の飼育温度環境について検討した。23±2℃; 50±10%に空気調和された動物室 (A室) で飼育した下顎腺摘出母マウス群の泌乳7, 14, 21日目における乳腺重量及び生後同母マウスが哺育した幼若マウスの7, 14, 21日齢の体重は, 対照群に比べ小さい傾向を示したが, 仔の眼瞼開裂は両者間に差異はみられず, 生後14日齢で全て開裂した。一方, 15±2℃; 60±20%の温度の低い動物室 (B室) で飼育した下顎腺摘出母マウス群の乳腺重量及び幼若マウスの体重は, A室の下顎腺摘出母マウス群のそれに比べさらに小さく, また, 仔の眼瞼開裂は対照群に比べ2日遅延し, 生後16日目で開裂した。下顎腺摘出により, 母マウスの乳腺重量, 幼若マウスの体重増加及び眼瞼開裂に影響がみられ, これらは飼育環境により左右されることが考えられた。
  • 中潟 直己
    1990 年 39 巻 4 号 p. 593-595
    発行日: 1990/10/01
    公開日: 2010/12/09
    ジャーナル フリー
    マウスおよびラットの偽妊娠メスの卵管へ胚を移植時に, 双極電気凝固装置を用いて卵巣嚢を切開した。双極電気凝固装置は, 正確にかつ優れた毛細血管の凝固を可能とし, 卵管および卵巣に損傷を与えることなく, 広範囲に卵巣嚢の切離が可能であった。
  • ―マウス系統間の感受性差―
    三枝 順三, 木内 吉寛, 伊藤 豊志雄
    1990 年 39 巻 4 号 p. 597-599
    発行日: 1990/10/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    DDD/1, IAI/Jcl, ICT/Jcl, IQI/Jcl, IPI/Jcl, NOD/Jcl, SJL/およびWHT/Htの8マウス系統について塩化水銀による抗核抗体の誘導を検索した。誘導された抗核抗体の陽性率および抗体価から高 (IQI/Jcl, SJL/J, WHT/Ht) , 中 (IAI/Jcl) , 低 (ICT/Jcl, DDD/1) , 及び無反応 (IPI/Jcl, NOD/Jcl) 群に分類された。IAI/Jcl, ICT/Jcl, IQI/Jclは何れもH-2qハプロタイプを有しているにもかかわらず感受性が異なっていたことから, 抗核抗体誘導を制御するH-2に連座しない遺伝子の存在が示唆された。
  • 岡本 正則, 松下 悟, 松本 恒弥
    1990 年 39 巻 4 号 p. 601-603
    発行日: 1990/10/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    SV感染マウス (ドナー) から, ウイルス接種後5または7週目に胚を採取し, SV抗体陰性のSPFレシピエントに移植した。ドナーは血清のSV抗体の検査により, 全例が陽性を示し, 感染が成立していた。ドナー17匹より計286個の正常胚を得て, 培養後に桑実胚または胚盤胞に発生した胚は259個 (90.6%) であった。76個の胚を9匹のレシピエントに移植し, 8匹が妊娠・分娩した。移植した胚の61.8%に当たる47匹が産子へ発生した。レシピエントおよび産子は血清のSV抗体の検査において, 全例, ともに陰性を示した。以上より, 抗体陽性のSV感染マウスは, SPFのレシピエントに胚移植を行い, 清浄なマウスの作出の可能なことが明らかとなった。
  • 山崎 寛治, 佐脇 正邦
    1990 年 39 巻 4 号 p. 605-607
    発行日: 1990/10/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    胸骨の弯曲を示した12週齢の雄Sprague-Dawleyラット2例を病理学的に検索した。肉眼的に第3胸骨片以降は腹側に弯曲し, 胸骨丙は頭方を向いていた。組織学的に第4胸骨片は第3胸骨片の背方にずれ, さらに胸骨丙では骨折, 胸骨丙軟骨部の弯曲がみられた。
  • 山崎 寛治, 佐脇 正邦
    1990 年 39 巻 4 号 p. 609-611
    発行日: 1990/10/01
    公開日: 2010/08/25
    ジャーナル フリー
    左腎臓の低形成を示した4週齢の雄Sprague-Dawleyラットを病理学的に検索した。肉眼的に左腎臓は著しく小型で, 尿管は形成されていなかった。組織学的に同腎臓では皮質, 髄質の区別がなく, 糸球体, 尿細管は増生した結合組織中に散在していた。乳頭, 腎孟は確認できなかった。
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