1. 3CaO・Al
2O
3, 5CaO・3Al
2O
3, CaO・Al
2O
3及3CaO・5Al
2O
3の4種調合物を1200-1450℃又は1200-1500℃に燒成したる試料につき凝結時間、凝結に伴ふ温度曲線及小型耐壓力を測定し、併せて強度と微構造との關係を考察せり。
2. 3CaC・Al
2O
3試料及5CaO・3Al
2O
3試料は燒成温度或は遊離石灰含有量の如何に拘らず急速に凝結を始むるも其終結は遊離石灰が或量を超ゆるときは俄に緩となる。CaO・Al
2O
3試料及3CaO・5Al
2O
3試料は遊離石灰の存する限り急結性を呈し、其終結は多量の遊離石灰に依りて遲延せらる。
3. 5CaO・3Al
2O
3試料の強度は略其化合度に比例して増進するも、CaO・Al
2O
3試料及3CaO・5Al
2O
3試料の強度は化合度が或%を超ゆれば急激に上昇す。
4. 一般に空氣中養生の強度は水中養生の夫よりも大なり。
5. 水和の初期に於て屈折率ω=1.498, ε=1.507なる單軸、正結晶を生ずる試料は瞬結し易きが如し。強度小なる供試體には此針晶多くゲル少し、強度大なる供試體には球顆状放射纎維結晶及びゲル多し。ゲルはアルミ酸カルシウムの水和に依りて生ずる外、アルミ酸カルシウム水和物と炭酸との反應に依りて生成し、強度を増進す。
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