色管理に関するhuc命題証明の緒論として, 実用的な色差に関する議論においては, もし色差算出値乃至実験値等が精々±30%程度のバラツキで一致しておれば, これは「充分良い一致」であると見做して議論を先に進めても良いと考えうることを, 二つの立場から討議する. その一つは従来発表されている色差算出諸式の一致の程度に関する検討であり, その際, 分光色差ベクトルなる概念を導入して比較を行う. もう一つは, 通常人に関する色差弁別能力の統計的分布の実測であり, 色差弁別力に関する個人差指数なる概念を導入して, 個人差的な色空間の歪みは, 色差式の不一致の程度よりさらに大きいことを示す.
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