24時間ケア必要者のニーズの種類・量・構造を明らかにする目的で,平成8年8月に全国調査を実施した.1,398か所の訪問看護ステーションに質問紙を郵送,734か所から返送された.全利用者30,700名のうちステーション管理者により2,167名(7.1%)が24時間ケアが必要と判断され,1,658名(有効回答76.5%)の情報を分析した.
1)夜間・早朝・休日の訪問ニーズの種類は,設定した50項目すべてに出現しており,出現率が高かったニーズは医療的処置,おむつ交換,バイタルサインのチェック,全身状態の観察などであった.ニーズに対する訪問実施率は全体で53.9%であった.
2)夜間・早朝・休日の訪問ニーズの分類は,クラスター分析により,A:病状観察ニーズ,B:医療的ケアニーズ,C:家事援助・身辺自立ニーズ,D:身辺ケアニーズの4つのニーズタイプに分類された.
AとBのニーズタイプ領域がCとDよりも夜間・早朝・休日の訪問実施割合が高く,優先されてケアが実施されていた.
3)ニーズの種類によって計画的訪問・臨時訪問・電話の対応方法の相違がみられた.また,訪問が必要な時間帯は平日準夜帯と休日で全体の約70%を占めていたので,まずこの時間帯でのケア体制が急がれる.夜間・早朝・休日の訪問を実施すべき職種としては,看護職と介護職の関与する割合が93.7%を占めていた.
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