目的:2型糖尿病在宅療養者を対象とした遠隔モニタリングに基づくテレナーシングが,通常診療と比較してHbA1cなどの臨床指標に有効かをシステマティックレビューとメタアナリシスにより評価する.
方法:CINAHL Plus with Full Text, PubMed, Embase, CENTRALを用いて文献検索を行い,1)2型糖尿病の在宅療養者,2)看護師による遠隔モニタリングに基づくテレナーシングの提供,3)通常診療と比較したランダム化比較試験,4)英語文献,5)対象者18歳以上,を適格基準とした.
結果:8文献を採択した.アウトカムは全研究でHbA1cの有意な改善を示した.血圧は6RCT,BMI・血糖値は3RCT,体重は5RCT,コレステロール・中性脂肪などの脂質は4RCT,インスリン量・QOL は2RCTが評価していた.2RCT,計836人のメタアナリシスの結果,介入群でHbA1c低下が有意であった(mean difference = -0.23; 95% confidence interval = -0.45 to -0.01; I² = 0%; p = .04).参加者と医療者ともに隠蔽化が困難であり,二重盲検化の高リスクが示唆された.
結論:2型糖尿病在宅療養者への遠隔モニタリングに基づくテレナーシング支援は,HbA1cの改善に有効であることが示されたが,バイアスリスクが高いためエビデンスの精確性は限定的である.
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