Sensation Seeking特性が,現代の非行要因として働いているのではないかとの仮説を検討した。
ZuckermanのSensation Seeking Scale Form Vを翻訳し,項目分析をして,信頼性を満たす日本語版を作成した。
このSensation Seeking ScaleとNye & Shortの非行体験自己報告法及び嗜癖行動に関する質問紙調査を男子大学生100人に実施し,相関分析,重回帰分析を行った。
SS得点と,非行体験得点及び嗜癖行動の程度との間に,有意な相関を認め,特にDisinhibition下位尺度得点が,非行体験に直接的な影響力を持つことが判明した。
またExperience Seeking 下位尺度得点は,未成年に禁じられた行為を犯すタイプの非行体験に,Boredom Susceptibility 下位尺度得点は,規制に反発し自由を得ようとするタイプの非行体験に,それぞれ直接的な影響力を持つことがわかった。
Sensation Seeking 特性は,「遊び型」非行の端緒における促進因と見なせた。