熱物性
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20 巻, 2 号
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論文
  • 〓平 信幸, 田中 敏宏
    2006 年 20 巻 2 号 p. 70-74
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/13
    ジャーナル フリー
    著者らは, 予め表面酸化した鉄基板に還元雰囲気下で液体Cuを接触させると, その液体Cuが異常に濡れ広がる現象を見つけ, 「特異拡張濡れ」と呼んでいる。本研究では, 空気中で鉄基板を酸化し, 基板表面上に形成した酸化鉄層を種々の条件下で還元して得られた表面ポーラス層に対する液体金属 (主にIn) の濡れ挙動を調べた。酸化・還元により鉄基板表面に形成したポーラス層の形態は, 目的の還元温度に達するまでの雰囲気 (ArまたはH2) によってその構造が異なっていた。本実験条件で酸化・還元した鉄基板と液体Inとの濡れ性の実験を行った結果, 全ての試料に対し特異拡張濡れ現象が見られた, これらの表面ポーラス層中の細孔は3次元的に繋がっていることが明らかとなった。また, 鉄と多少の溶解度を有する液体Cuもポーラス層内に浸透し, 鉄基板を除去してCuのポーラス薄膜を得ることができた。
  • 藤野 淳市, 本田 知宏
    2006 年 20 巻 2 号 p. 75-82
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/13
    ジャーナル フリー
    廃プラスチックとフライアッシュを主原料とする再生複合材の熱伝導率を平板直接法により測定した。試料は廃プラスチックからなる混合相が母材として連続相を形成し、粒径が約60μm以下のフライアッシュ粒子が不規則な間隔で分散している複合材料である。試料内部では小さな気孔が密集しているのも確認された。測定試料の大きさは加熱源と同じ大きさとし、100×100および50×50mm2である。
    熱伝導率は、試料温度が250から350Kまで上昇すると、約0.44から0.38W・m-1・K-1まで直線的に減少している。試料100×100mm2の測定データの再現性は約±2%以内、一方、試料50×50mm2の場合は約±4%以内である。また試料50×50mm2の測定結果は100×100mm2に比べ低めを示しているが、5%以内で一致している。
  • 松永 直樹, 堀 守雄, 長島 昭
    2006 年 20 巻 2 号 p. 83-86
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/13
    ジャーナル フリー
    ジメチルエーテル (CH3OCH3、DME) およびジエチルエーテル (C2H5OC2H5、DEE) の蒸気の空気、窒素および酸素に対する拡散係数を、温度範囲303~453Kにおいて大気圧下でTaylor分散法を用いて測定した。DME、DEEとも、空気を窒素または酸素で置き換えても拡散係数の値には事実上差が生じないことがわかった。また、DEEの拡散係数はDMEに比べて系統的に35%程度小さい。測定結果は、D/cm2s-1 = A (T/K)Bの形の相関式で再現することができる。ここで、Dは101.325kPa (1atm) における拡散係数、Tは絶対温度である。係数AおよびBの値は、DME- (空気、窒素、酸素) 系に対してはA = 6.61×10-6B = 1.75、DEE- (空気、窒素、酸素) 系に対してはA = 3.56×10-6B = 1.78である。
速報
  • 加藤 昌弘, 児玉 大輔, 佐藤 雅美, 羽田 綾, 杉山 光紀
    2006 年 20 巻 2 号 p. 87-90
    発行日: 2006年
    公開日: 2006/10/13
    ジャーナル フリー
    メタノール、エタノール、および水中での5-ヒドロキシメチルフルフラールの気液平衡挙動を大気圧において再循環装置で固体成分の希釈濃度領域で測定した。メタノールおよびエタノール中でのクエン酸の気液平衡挙動も同様に測定した。平衡組成は紫外可視分光光度計で決定した。5-ヒドロキシメチルフルフラールの無限希釈での揮発度は、メタノール、エタノール、および水中で、それぞれ、0.0020、0.0026、および0.012となった。クエン酸の無限希釈での揮発度は、メタノールおよびエタノール中で、それぞれ、0.0008および0.0012となった。
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