熱物性
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17 巻, 1 号
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論文
  • 大村 高弘, 坪井 幹憲, 富村 寿夫
    2003 年 17 巻 1 号 p. 9-17
    発行日: 2003/01/31
    公開日: 2008/12/01
    ジャーナル フリー
    温度範囲100∼1000°Cで測定可能な投下法による比熱測定装置を開発した。比熱の測定手法は数多くあるが、断熱材のような多くの空隙を持つ低熱容量、低熱伝導率試料の比熱を測定することは、一般に非常に困難である。そこで、筆者らは、加熱した試料を水中に投下しその水温上昇から試料の比熱を測定する方法、すなわち従来の投下法を適用し、高温での断熱材の比熱測定を簡便に行える装置を開発した。これは、試料の初期温度と投下後の熱平衡状態における水温との間の平均比熱を測定する装置である。本研究では、まずアメリカの標準技術研究所 (NIST)の標準物質SRM720 Synthtic Sapphire(α-Al2O3)を用いた平均比熱の測定を行い、標準値との比較および測定精度の検討を行った。その結果、本装置による測定結果は標準値と偏差約±10%で一致することがわかった。また、平均比熱の簡易測定結果に基づき、実用的な精度で真比熱を求める方法を提案した。続いて、6種類の断熱材(SiC系緻密質キャスタブル、ロックウール断熱材、アルミナシリカ系繊維質断熱材、けい酸カルシウム保温材、SiO2系ガラス、ふっ素ゴム)に関する平均比熱の測定結果を示すとともにそれらの実験式を求めた。さらに、ガラスの平均比熱に関して得られたSharp-Gintherの実験式が、断熱材の大まかな平均比熱の予測式として適用可能であることがわかった。
  • 温度プローブの改良
    高橋 一郎, 佐藤 健一
    2003 年 17 巻 1 号 p. 18-23
    発行日: 2003/01/31
    公開日: 2008/12/01
    ジャーナル フリー
    点接触式温度プローブによる熱3定数の測定法は温度プローブが一様温度に加熱できて、その感温部を適当な接触圧で被測定物体表面へ点接触させることを要する。これまでの温度プローブがその要件をどの程度満たし得るかを検討し、本報では熱電対温度プローブの改良と、それを格納するプローブホルダーを開発した。温度プローブの加熱方法に関しては、軸方向に生ずる温度分布が熱物性測定にいかに影響するかを実測と理論解析によって調べた。また、適切な加熱量を検討するため、被測定物体への伝熱量とプローブ加熱量との関係を調べた。測定時の接触熱抵抗の影響度を理論解析した結果、本測定法は適切な接触圧が付加できるため熱抵抗の影響を容易に軽減できる。
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