複数共晶点系、Cd-Sb, Sb-Zn系および理想共晶系、Bi-Cd系の液体状態の電気抵抗を測定した。著者らにより見出された化合物半導体―共晶系(Ga-Sb系など)、および深い共晶系(Au-Siなど)の電気抵抗の異常挙動と同様に、ほぼすべての共晶組成付近において濃度揺らぎに起因する電気抵抗の温度係数の異常を見出した。濃度揺らぎの影響を考慮した電気抵抗の理論について考察し、Bi-Te共晶組成液体に適用した。液相線温度への接近とともに濃度揺らぎは増加していると見積もられた。広範な共晶融体の均一液相には析出時の固相を反映した局所構造が濃度揺らぎとして発達していることが判明した。
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