熱物性
Online ISSN : 1881-414X
Print ISSN : 0913-946X
ISSN-L : 0913-946X
28 巻, 4 号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
  • 高倉 康一, 住毋家 岩夫, 荒木 貞夫, 山本 秀樹
    2015 年 28 巻 4 号 p. 166-172
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/03/12
    ジャーナル フリー
    大気圧下における酢酸-水-塩系の気液平衡の測定を行った.塩として硝酸リチウム,硝酸マグネシウム,硝酸カリウムおよび酢酸カリウムを使用した.酢酸-水-塩系の気液平衡において硝酸リチウム,硝酸マグネシウムおよび硝酸カリウムは塩析効果を示し,酢酸カリウムは塩入効果を示した.また硝酸塩,塩化物塩,臭化物塩および酢酸塩の塩濃度1.0mol/kgにおける気液平衡の測定を行った.陰イオンが同じ場合,塩効果(塩析)の大きさは、陽イオンの水和熱と比例関係にあった。陽イオンが同じ場合,塩化物塩が最も大きな塩析効果を示し,臭化物塩,硝酸塩,酢酸塩の順に塩析効果は減少し酢酸塩の一部では塩入効果が見られた.
  • 松永 直之, 鈴木 貴雅, 荒木 貞夫, 田村 栄二, 川村 公人, 山本 秀樹
    2015 年 28 巻 4 号 p. 173-178
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/03/12
    ジャーナル フリー
    本研究室では,血液やイオン液体などの流動特性を解析するために落体式粘度計の一種である小型落針式粘度計(FNR)の開発を行ってきた.本研究では,FNRを用いた粘度測定における不確かさを評価した.密度の異なる8本のニードル(ρs= 1030-1505 kg/m3)を用いた校正における不確かさを評価した結果,最も大きな不確かさの要因はニードルと試料の密度差(ρs - ρf)であった.粘度測定の不確かさを減少させるためにはニードルの質量を高精度に測定することが必要であることがわかった.ρs - ρfが610 kg/m3では,FNRを用いた未知試料の粘度測定における拡張不確かさは0.90 %(包含係数 = 2)以下であることを確認した.
  • 小針 達也, 岡島 淳之介, 小宮 敦樹, 円山 重直
    2015 年 28 巻 4 号 p. 179-184
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/03/12
    ジャーナル フリー
    光学厚さが大きい多孔質断熱材の有効熱伝導率について,ふく射伝熱の寄与を示すふく射熱伝導率は,拡散近似を適用することにより温度の三乗に比例する形で表され,高温ではふく射伝熱の影響が支配的となる.本研究では,異なる空隙構造を有する種々の高温多孔質断熱材について,ふく射熱伝導率と温度の関係から,ふく射物性として Rosseland 平均減衰係数を求めた.更に,有効熱伝導率に対して,固体による熱伝導,気体による熱伝導,ふく射伝熱が与える影響について分離して評価を行った.各伝熱機構が持つ影響の温度依存性を考察し,多孔質断熱材の断熱性能向上におけるふく射伝熱の重要性を定量的に示すことができた.
feedback
Top