熱物性
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25 巻, 3 号
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論文
  • 田崎 ちひろ, 岡 伸人, 八木 貴志, 竹歳 尚之, 馬場 哲也, 神山 敏久, 重里 有三
    2014 年 25 巻 3 号 p. 117-120
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/12/31
    ジャーナル フリー
    DCマグネトロンスパッタ法により,TiO2-xおよびNb:TiO2-x還元ターゲット(Nb含有量:3.7,9.5at.%)を用いて,Mo/TiO2/MoおよびMo/Nb:TiO2/Mo3層膜を作製し,TiO2およびNb:TiO2の熱拡散率を導出した.なおTiO2層およびNb:TiO2層は基板温度を110°Cの条件での300nm厚さに成膜し,成膜後600°Cで焼成を行った.熱拡散率解析は裏面加熱/表面測温型ナノ秒サーモリフレクタンス熱物性解析装置を用いた.得られたTiO2およびNb:TiO2の熱拡散率は、膜中のNb含有量が増加するに従い2.1×10-6m2s-1から1.2×10-6m2s-1まで減少した.熱拡散率減少のメカニズムはTiより質量の大きいNb原子の増加によりフォノン散乱の確率が増加し、平均自由行程が減少したためであると考えられる.
  • 山田 盛二, 荻須 昭雄, 平岩 隆夫
    2014 年 25 巻 3 号 p. 121-128
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/12/31
    ジャーナル フリー
    冷凍生地製パン法においてパン生地を冷凍させる際に起きる冷凍障害の要因の一つとして挙げられている凍結速度に着目し,このファクターが最終的な製品品質に与える影響を明らかにすることで,パン生地の冷凍障害を軽減させられる理想的な冷却方法を導くことを目的とした.パン生地の冷凍工程における凍結速度の分布は,既報[1]において実測した有効熱伝導度や比熱の値を用い,直接差分法を用いた数値解析による温度履歴から推測した.
    実際に凍結速度を意図的に調整して冷凍したパン生地を用いてパンを製造し,製品品質の指標となる気泡面積(内相),比容積,硬さを測定した結果,生地の冷凍条件における凍結速度の低下に伴って,内相が荒れ,比容積が落ちて,硬さも上昇する傾向が見られる等,製品品質の低下が確認された.
  • 山田 盛二, 荻須 昭雄, 平岩 隆夫
    2014 年 25 巻 3 号 p. 129-135
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/12/31
    ジャーナル フリー
    パン生地に使用される酵母は冷凍させる際の最低到達温度の低下によって失活する事が知られており,更に死滅した酵母から漏洩した還元物質によって生地構造の破壊が二次的に引き起こされる.本研究では,パン生地の冷凍工程における状態変化を数値解析による温度履歴から推測し,この最低到達温度の影響による冷凍障害を軽減させられる理想的な冷却方法を導くことを目的とした.
    最低到達温度を調整して冷凍した生地について発酵によるガス生成量を調べた結果,著しく変化する温度の存在が確認できた.酵母の失活に至らない温度域での冷凍条件を数値計算から求め製パンした結果,酵母の失活温度に至らない温度条件下で良好な品質の製品が得られた.
  • 堀部 明彦, 劉 稙秀, 春木 直人, 金田彰朗 , 町田 明登, 加藤 雅士
    2014 年 25 巻 3 号 p. 136-142
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/12/31
    ジャーナル フリー
    本研究では,工場から出る100℃〜250℃の中間温度域の廃熱を利用するため,潜熱蓄熱システムで利用可能な相変化物質としてエリスリトールとマンニトール,およびこれらの混合物の基礎的融解特性に関する実験を行った.エリスリトールとマンニトールの融点,混合物の融解ピーク温度および潜熱量をDSCで測定し,さらに試験管に入れた試料の融解挙動をデジタルカメラで観察した.その結果1)混合物のマンニトール含有量が10〜40mass%と50〜65mass%,および70〜90mass%の時にそれぞれ1ヶ所,3ヶ所,2ヶ所の融解ピーク温度が現れることを確認した.2)混合物の基礎的融解挙動観察では,凝固融解の繰り返しによって挙動が変化しないこと,固相と液相の密度差が融解挙動に影響を与えることを確認した.
  • 熊野 寛之, 平田 哲夫, 小林 佑輝
    2014 年 25 巻 3 号 p. 143-149
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/12/31
    ジャーナル フリー
    本研究では,潜熱を利用でき,流動性を有する相変化スラリーである,アイススラリーとTBAB水和物スラリーを用い,流動特性および層流化が生じる条件について実験的に検討を行った.固相率,流速,配管径などをパラメータとして圧力損失を測定し,管摩擦係数により流動特性の把握を試みた.低レイノルズ数領域では,固相率とともに管摩擦係数は増加するのに対し,高レイノルズ数領域では,固相率によって管摩擦係数の変化の傾向が異なることがわかった.さらに,相変化スラリーを非ニュートン流体の一つである擬塑性流体と仮定して,層流化に伴い管摩擦係数の傾向が変化する条件を抽出し,管摩擦係数を予測する方法について検討を行った.
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