DCマグネトロンスパッタ法により,TiO
2-xおよびNb:TiO
2-x還元ターゲット(Nb含有量:3.7,9.5at.%)を用いて,Mo/TiO
2/MoおよびMo/Nb:TiO
2/Mo3層膜を作製し,TiO
2およびNb:TiO
2の熱拡散率を導出した.なおTiO
2層およびNb:TiO
2層は基板温度を110°Cの条件での300nm厚さに成膜し,成膜後600°Cで焼成を行った.熱拡散率解析は裏面加熱/表面測温型ナノ秒サーモリフレクタンス熱物性解析装置を用いた.得られたTiO
2およびNb:TiO
2の熱拡散率は、膜中のNb含有量が増加するに従い2.1×10
-6m
2s
-1から1.2×10
-6m
2s
-1まで減少した.熱拡散率減少のメカニズムはTiより質量の大きいNb原子の増加によりフォノン散乱の確率が増加し、平均自由行程が減少したためであると考えられる.
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