熱物性
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35 巻, 2 号
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  • 伊藤 俊亮, 黒江 怜史, 西 剛史, 太田 弘道, 池田 輝之, 羽鳥 仁人
    2021 年 35 巻 2 号 p. 49-53
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/07/29
    ジャーナル フリー

    近年,熱電変換材料の構造,組成および特性等を迅速に評価するため,ハイスループットな手法を用いた熱電変換材料の研究開発が行われている.本研究では,熱電変換材料の候補であるPbTe-Sb2Te3化合物の中から低い熱浸透率を示す組成・組織を評価し,より有力な候補材となる組成を熱物性顕微鏡(Thermal Microscope: TM)を用いて検証することを目的とした.その結果,Pb2Sb6Te11の熱浸透率がPbTe-Sb2Te3化合物の中で最も低くなっており,熱伝導の立場からPb2Sb6Te11が熱電変換材料の有力な候補材となることが明らかとなった.これにより,ハイスループットな手法を用いた材料開発における材料組織の熱物性値評価手法の一つとして,熱物性顕微鏡が有効であることを確認した.

  • 松永 直樹
    2021 年 35 巻 2 号 p. 54-60
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/10/04
    ジャーナル フリー

    Stefan 法によって,CFC113(分子量187.4)およびトリクロロメタン(分子量119.4)の蒸気の乾燥空気に対する拡散係数D を大気圧下で測定した.測定温度はCFC113については310.2 K(37 ℃)(蒸気圧0.070 MPa),トリクロロメタンについては324.2 K(51℃)(蒸気圧0.072 MPa)である.測定条件である拡散経路長L(≅ 80×10-3 m, 120×10-3 m, 160×10-3 m) および空気流量Q (3.3×10-6 m3s-1 ~100×10-6 m3s-1 (200 cm3min-1 ~ 6000 cm3min-1))は,既報と同様に系統的に変化させた.本報における有機化合物の蒸気圧の値は,第二報のジエチルエーテル(分子量74.1)蒸気の298.2 K(25℃)(蒸気圧0.071 MPa)の場合とほぼ等しいが,測定に適した空気流量Q の範囲は第二報より高流量側にあり,測定に適したQ は試料の分子量に依存して変化することが示唆される.また,本研究のCFC113 およびトリクロロエタンの空気に対する拡散係数D の測定値は,既報のジエチルエーテル蒸気に対する測定値と同様に,著者らのTaylor 法による測定値の低温側への外挿値とよく一致した.

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