日本デザイン学会研究発表大会概要集
日本デザイン学会 第62回研究発表大会
選択された号の論文の264件中101~150を表示しています
  • 大川家具工業会との連携活動の成果として
    中西 拓也, 青木 幹太, 酒見 史裕, 福永 麻衣
    セッションID: B10-01
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    本研究は協同組合大川家具工業会との産学連携プロジェクトの中で工業会に所属する企業、有限会社丸惣と2年間に渡り新たな分野と販売ルートの開拓に繋がるような試みとして、オフィス家具ブランドの立ち上げのための家具開発を行ってきた。その成果として「オフィス環境で使用するワークデスク」「色を用いたローボード」の二点が試作されている。この二点の家具は展示会に出展しバイヤー及び一般消費者から意見を収集した。それらの意見を踏まえたブラッシュアップ、購入に繋がる価格帯を実現する為の素材選定や製造方法の検討、商品の販売ルートや販売方法の確立などが必要。今後はこれまでの研究成果を生かし商品企画、開発や販売促進に向けた取り組みを展開予定。
  • 齋藤 優太, 平野 葵, 阿部 眞理, 白石 照美, 小幡谷 英一, 足立 幸司
    セッションID: B10-02
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    家具に使われる木材料には、無垢の木材や木質材料がある。このほかに木材を改質させた材料があるが、圧縮した木材もそのひとつである。圧縮材に2次加工を施して集成材にすると、弾性を持つ材料を作製することができる。本研究では、この木材料を家具へ適用させるためにいすの座面材を作製した。その結果、いすの座面寸法を確保しながら弾性を持つ木材料をつくることができた。今後は部材の接合方法やいす以外の家具への適用を検討する。
  • 沈 得正, 飯塚 拓郎, 寺内 文雄
    セッションID: B10-03
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    本研究は、竹林が放棄されている現状に着目し、竹材を染色することによってその価値を向上させることと、竹林の放棄を抑止することを目的とした。そこで、水とメタノールを溶媒として減圧による方法によって竹材を染色した。水を溶媒として用いた場合は竹桿の維管束のみを染色することができた。一方、メタノールを溶媒として用いた場合は、竹桿表面や維管束および柔細胞を含む竹全体を染色することができた。さらに、染色した竹桿を用いた効果的な表現手法について試作と検討を行った。試行錯誤の結果、竹材を交互および平行に積層して積層材に加工することが有効であることが確認できた。また、竹材に曲げ加工を施すことで、湾曲染色竹積層材を作り出すことができた。ついで積層材に加工した染色竹材を用い、椅子部材を制作した。これにより提案した染色竹材が家具材として適用できる可能性が示唆された。  
  • デザインリサーチを起点に空間からプログラムまでをシームレスに形成するデザイン方法
    水内 智英, 中村 真梨子, 萩原 周
    セッションID: C1-01
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    「土と人のデザインプロジェクト – ゲストハウスをつくる」(名古屋芸術大学)の実例を検証し、地域における新たな関係と価値醸成のための場・メディアづくりとそのプロセスについて論じる。事例では、地域資源の顕在化・共有・発信を目的としゲストハウスがつくられた。従来の地域拠点づくりが、まず空間を用意することから始められることが多く、空間とコンテンツとの関係が希薄になりがちであったのに対し、本事例では、空間計画の前段階で行われた地域の魅力抽出作業と、地域の方々との関係構築過程とが重なり合っていたそのプロセスに注目する。そうした方法を経ることにより、場と関係が同時に現れてくる。それがその後の場の在り方に大きな影響を与えると考えられる。また、地域の「資源」を集積しゲストハウスをつくることにより、魅力を体感的に外部の方々に伝えるためのメディアとして、ゲストハウスを機能させたことにも注目する。基礎的リサーチが重要な起点となり、多様なステイクホルダー間の関係の結節点として場が生み出され、地域の生きた価値を伝える装置としてはたらくような方法は、今後の地域の場やメディアづくりのモデルとなり得るのではないか。
  • 星野 浩司, 井上 友子, 佐藤 佳代, 青木 幹太, 佐藤 慈, 荒巻 大樹
    セッションID: C1-02
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では、本学の美術学科と福岡県八女市が取り組む江戸時代より八女市にて伝統的に継承される「八女福島燈籠人形」舞台背景幕の修復・制作事業を準備段階から取材・撮影し、ドキュメンタリー番組として制作する産学連携型のキャリア教育・専門教育を目的とした人材育成教育プログラムの開発を行った。さらに、470年余の歴史と伝統を持つ、家具生産高日本一を誇る木工の産地である大川の家具制作会社と本学のデザイン学科との産学連携を企画段階から取材し、ドキュメンタリー映像と完成製品のプロモーション映像制作を行った。これらの取組みの中で、学生はドキュメンタリー番組の制作やプロモーション映像制作を通して、地域の人々が古来より守り続ける伝統文化と、永きに渡り引き継がれる職人文化を取材することで、地域の人々が持ち続ける精神性と誇りを深く理解する。また、授業で学んだ知識や技術の応用として学外での映像制作過程の中で、問題の解決や渉外交渉を通し、主体性を持った行動力とコミュニケーション能力の育成を促す。
  • 台湾碧華布街におけるハロウィンイベントの現状
    大鋸 智
    セッションID: C1-03
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    今日、持続可能な発展が求められるなか、地域が如何に自立・自律していくかは、大きな課題の一つである。大型都市部において、生活文化が画一化していくなかで、地域振興のイベントを通して、住民に地域アイデンティティーを啓蒙することは、都市部における地域アイデンティティ形成の一助になるであろう。
    本研究の目的は、台湾新北市三重区の布問屋街、碧華布街に焦点をおき、年に一回おこなわれている地域振興イベントであるハロウィンイベントを評価することである。文献調査に基づき、地域振興イベントのあり方について議論をおこない、評価のためのインタビューチャートを導出した上で、当該地域で行われたハロウィンイベントの現地調査をおこない、このインタビューチャートを用いてイベントの評価をおこなった。
    インタビューチャートは、経済的持続性・運営組織と地域連携・訪問者の設定・地域を表現する内容の4つに内容を絞り、作成された。総じて、当該インタビューチャートの有用性と問題点を明らかにし、さらに、インタビューチャートを用いたハロウィンイベントの評価に基づき、当該地域への提言をおこなった。
  • 第1報 - 地域創生デザイン学の確立のためのTSS研究
    酒井 正幸, 蓮見 孝, 城間 祥之, 上遠野 敏, 中原 宏, 原 俊彦
    セッションID: C1-04
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    近年、日本の少子高齢化と大都市への一極集中による過疎市町村の限界集落化が急速に進み、地域の衰退が進んでいる。この問題に対し本研究では「タイム・スペースシェアリング型地域連携」(以降TSS)によって、地方都市を活性化することを目的とし、本稿では北海道の札幌市と壮瞥町で実施した居住体験実証実験等の報告を行う。研究の結果本研究チームでは、地域創成のキーとなる「人(ヒト)」「事(コト)」「場(バ)」「物(モノ)」の4要素を仮説として構築するに至り、地域の活性化を分析するために有益であると結論づけた。
  • 第2報 - 地域を対象とした研究における仕掛けづくり
    柿山 浩一郎, 片山 めぐみ, 石井 雅博, 山田 良, 斉藤 雅也, 上田 裕文
    セッションID: C1-05
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    本研究報告は、第1報で全体像をしめした本研究における、平成26年度の研究的/理論化的活動で実施した報告である。具体的には、地域を対象とした研究において定量的なデータを取得することを目指した『居住体験実証実験』、『ワークショップ』、『フォーラム』を行うにあたっての仕掛けづくりに関する報告である。『居住体験実証実験』では、住居の整備から参加者の日々の報告方法の検討等をおこなった。『ワークショップ』では、『フォーラム』では、議論に参加する集団全体の考え方を、瞬時に把握する仕組みの検討を行った。
  • 札幌市南区芸術の森地区を事例として
    斉藤 雅也, 中村 千世萌
    セッションID: C1-06
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では、地域で取り組むグリーンカーテン栽培活動を通して住民の協働意識がどのように育まれるか、家族や参加者同士のコミュニケーションとしての会話頻度などを明らかにするために、札幌市南区芸術の森地区の住民を対象にしてアンケートおよびヒアリング調査を行なった。その結果、以下の1)~3)がわかった。
    1)地域で取り組むグリーンカーテンの栽培活動は、地域に対する愛着だけでなく、地域資源の醸成に寄与する。
    2)グリーンカーテンが窓・壁面を50 ~ 70%覆っている世帯では、家族や近隣との会話頻度は高い。
    3)グリーンカーテンの壁面被覆度が高い世帯は、活動年数に関係なく地域活動への参加率が高い。
    グリーンカーテンを育成するのが得意な住民は、グリーンカーテンで得た楽しみを地域で共有しようとする協働の意識が高く、地域活動が継続するための核になり得る人材と考えられる。
  • 試作リモコンを用いたモックアップシミュレーションによるUI要素研究
    辻 雄大, 久保 雅義
    セッションID: C2-01
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    日本では高齢社会が到来し、後期高齢者(75歳以上)の自立への関心が高くなっている。後期高齢者は一般的な成人と比較して、加齢による衰えにより、家電の操作能力には大きなハンデがあると予測される。各種製品は、企業の競争や魅力づけから、多機能化が進み操作が複雑化し、後期高齢者と一般的な成人との製品の使用しやすさにおいての格差は、ますます広がっていくと思われる。そこで、本研究では家電の操作が難しくなると考えられる後期高齢者を対象とし、ダイヤルとボタンの二つのインターフェース要素において、家電操作で頻繁に用いられる増加・減少の操作を空調機器の温度と風量の設定を例にあげ、二つのインターフェース要素の使いやすさについて比較、検証を行った。結果、後期高齢者の中で二つのインターフェース要素には、違いが認められなかった。操作の複雑さがインターフェースの要素間の使いやすさに影響を与えると考えられる。そのため温度と風量などの単純な操作タスクではインターフェース要素間で差が現れにくいと考え、今後、複雑な操作時のインターフェースの要素の違いが後期高齢者の家電の使いやすさに与える影響について検証する必要がある。
  • 土屋 雅人, 鈴木 喬裕
    セッションID: C2-02
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    本研究は,片面が白色,他方が黒色の紙片2枚を,色の異なる面をずらしながら重ねることで,直感的に情報入手の操作ができる,実世界指向型インタフェース「リバーシブルインタフェース」のデザイン研究である.紙を情報入手のトリガーとすることで,スマートホンのような携帯情報端末を持ち歩いていなくても,誰もが直感的・直接的に情報入手できるシステムの実現を目的としている.今回,適用場面を音楽コンサートホールとし,エントランスホールに本システムを設置して,来場者が入場チケット2枚の表面,裏面を重ねて使う状況を想定した.本システムでは,webカメラの画像処理技術を用いた紙の塊検知を行い,ずらした紙の位置に応じた情報を投影する技術を開発した.評価実験の結果,初めて体験する操作方法の誘導とシステムの安定性の課題が得られ,また,今後の受容性の高さを確認できた.技術的な課題に対しては,今後プログラムを改良し,塊検知の精度を高めると共に,今回採用することができなかった輪郭線データを用いて,任意の角度に置いた紙でも操作できるように検討を進めたい.適用事例に合わせた評価実験も実施していく.
  • 平井 伸幸, 五十嵐 浩也
    セッションID: C2-03
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    音楽のライブコンサートの魅力の1 つに大音量の重低音による振動が考えられる。この研究の目的はどのような場所でも音響的な制約に縛られることなく、また遠く離れた場所でも低音によるライブコンサートの臨場感を味わうことができる「リモートライブ」用に低音を身体に入力するウェアラブルデバイスを制作するため、人間の上半身の周波数毎の低音の振動感度と振動伝播範囲のデータを得、振動の入力に適した部位を特定することを目的としている。実験では上半身の複数の点においての振動感度を3 つの周波数で測定を行った。それと同時に振動が伝播した範囲がインタビューによって報告された。実験から、4 点の測定点において振動感度が高かったことや振動の伝播が周波数に依存する傾向があることが確認された。
  • 自動車内装材のデザイン技術開発に向けて(2)
    前泊 秀徳, 松岡 慧, 森 幸雄, 岸本 侑子
    セッションID: C3-01
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    本稿では,自動車用内装材テクスチャの仕様別視覚評価実験結果を用いて,それらの比較分析,重回帰分析を行うことで,仕様別評価因子の解明を行った.その結果,「本物感」,「立体感」,「個性」が仕様を超えて共通の総合評価結果に影響大の主因子であった.また,杢目木材,ヘアライン金属などの「高級感」では「手作り感」,それらの「嗜好」では「濃さ」が,加飾フィルム樹脂では「モダンさ」が,主因子として抽出された.そのため,これらの因子を用いることにより,それぞれの仕様の特徴を活かした,自動車用内装材テクスチャ開発の一助となることが可能になった.
  • 自動車内装材のデザイン技術開発に向けて(3)
    森 幸雄, 松岡 慧, 前泊 秀徳, 岸本 侑子
    セッションID: C3-02
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    本稿では,内装材テクスチャの視覚評価実験結果を用いてクラスター分析を用いて,類型化を行った.その結果,テクスチャは杢目型と金属型に分かれ,さらにそれぞれが普及型と非普及型に分類された.また,それらの類型における主因子は共通に,「本物感」,「奥行き感」などであるものの,非普及型においては,多くの主因子が抽出され,その評価構造の複雑さを示した.さらに,これらの結果を受け,今後の内装材テクスチャの開発においては,普及型はさらなる最適デザインを推し進め,非普及型においては創発デザインを展開することで,新たな価値の創造に繋げる方針を提示した.
  • 森 亮太
    セッションID: C4-01
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    本研究ではメンタルモデルの不一致について効率的かつスピーディーに改善度合いを確認することができる方法として一致率の算出法を応用した手法を提案することを目的とする。架空のインタフェース、大学のWebサイトおよびデジタルカメラを対象に、本手法とアンケートによる方法[4]を比較した。実験の結果から、本提案手法によってインタフェースがどの程度ユーザに適合しているかを数値化できることを明らかにした。本提案手法によって、評価者のスキルに依存することなく簡便かつ短時間で、メンタルモデルの不一致における定量的な評価が可能となるだろう。
  • 「カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル」(旧カンヌ国際広告祭)における広告作品評価の変遷
    水田 圭
    セッションID: C4-02
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では、「カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル」(旧カンヌ国際広告祭)における評価軸の変遷を分類する。  この広告賞は1954年映画館における劇場CM振興のために創設された。当初は1つのグランプリ作品を選んでいたが、現在では13の部門に分け評価をおこなっている。「カンヌ」の最大の特徴は評論家や研究者ではなく制作者が広告作品へ評価していることである。その歴史は、表現メディアの変化への対応ばかりではなく、「あるべき評価」を実現しようと試行錯誤する姿である。文献を追うと「カンヌ」のクリエイティビティの評価に対する真摯な姿勢を確認することが出来る。  現存する各部門は表現メディアの違いによってのみ分けられているのではない。評価対象は、アイデア、革新性、営業活動、表現技術、理論の実行、ターゲットの絞れたコミュニケーションのように多彩である。評価の観点として、対象とする課題、表現技術と理論の実行、広告効果、クリエイティビティ等と整理することが出来る。  「評価」を整理・理解することで制作側と顧客の間にある情報を整理し、事業に貢献することが研究の目的であり、本稿はその基礎研究となる。
  • 太田 裕通, 塙 洋介, 北 雄介
    セッションID: C4-03
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    デザインの評価とは、絶対的な指標があるわけではなく瞬間的に複雑な要素を頭の中で総合的に判断するプロセスであると考えることも出来、その意味では言語化の困難な他者へ共有し辛いものである。とりわけ建築・都市デザインにおいては建物の自体の強さ・機能性・美しさだけでなく、人々の活動や周囲の環境との関係性まで考慮せねばならないためその評価は非常に複雑である。本研究は建築・都市デザインの講評会を対象として、階層的意思決定法(AHP)を導入した評価手法によってデザイン評価における個人の意思決定の構造を可視化する実験を行った。講評会で最初の発表者との一対比較を発表中リアルタイムで行い、被験者それぞれの判断の構造、評価要素毎の作品の数値化、総合順位の算出等細やかな評価経過が可視化する事が出来た。AHPによる手法の結果と直感とのズレを考察することから被験者自身の自己分析や、そこから評価に関するコミュニケーションが発生する等新たな発見もあった。また評価手法としての有効性を示し、今後はアプリ開発等のツールとしての可能性や評価の場自体のあり方への提案も視野に入れている。
  • 中島 瑞季, 横井 聖宏, 永盛 祐介
    セッションID: C4-04
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    一般住宅のダイニングを想定した屋内空間の照明の色温度と照射位置の印象へ,周辺環境である日の入りが与える影響にどのような関係があるのか,色温度2種類と照射位置2種類を組み合わせた4つの空間模型を撮影した写真を準備し,日の入り前後にそれぞれの空間について14項目の形容詞から印象を評価してもらい検討した.主成分分析の結果から,屋内空間の色温度と照射位置の印象は空間形状と温度に対する印象で評価され,日の入りは空間形状では空間全体の印象へ影響を与え,空間の温度では特に90度の照射角度の印象に影響を与えることが示唆された.また多変量の分散分析の結果から,閉鎖感において90度は閉鎖感をより感じ,日の入り前では昼光色,後では電球色がより閉鎖感を感じない可能性が考えられた.軽快さにおいては日の入り前では昼光色がより軽快であるが日の入り後は45度がより軽快に感じる可能性が考えられた.次に涼しさは色温度が電球色の空間はより涼しくなく感じるが.とくに日の入り前にその影響が強く表れる可能性が考えられた.以上より,日の入りは色温度と照射位置の印象に影響をあたえ,日の入り前後で影響をうける要素が異なることが示唆された.
  • 飛田 真理子, 藤戸 幹雄, 木谷 庸二
    セッションID: C4-05
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では、近年急増する訪日外客を対象とし、鉄道駅券売機の問題点と券売機の造形に対する印象を明らかにし、券売機および周辺表示のデザイン提案を行う事を目的とする。訪日外客の鉄道駅券売機利用時の問題点を明らかにするために、京都駅中央口において、券売機およびみどりの窓口を利用する訪日外客に対し、券売機の利用状況や問題点についてのヒアリングを行った。得られた問題点を分析し、抽出された問題点をもとに、訪日外客の券売機利用時に経験する問題のエクスペリエンスマップを作成した。また、券売機の機器と画面に対する印象を明らかにするために日本人と外国人を対象に海外の券売機の印象評価を行った。これにより、日本人・外国人それぞれにおける、印象の良い機器および画面に共通するデザイン要素の傾向が明らかになった。最後に、得られた問題点と造形に対する印象の傾向をもとにきっぷ売り場の新たな周辺表示と券売機の機器・画面のデザイン提案を行った。
  • ペンジュラム・パターンの生成規則の数理モデル化による形体情報の観察・把握の方法(7)
    石井 宏一
    セッションID: C4-06
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    振り子の減衰運動の軌跡に基づく形体である「ペンジュラム・パターン」は、非写実的な造形手法として、主に構成学において盛んに研究がなされた対象であるが、種々の理由から現在では研究が下火になっている。本研究はその生成規則の数理モデル化を通じて、ペンジュラム・パターンの造形的性質を探究し、新たな造形的可能性の開拓を目的としている。前報では、非線形力学系の観点から、「分岐」や「同期」に基づく観察手法が形体解析において有効であることを指摘した。本報ではこの知見に基づき、ペンジュラム・パターンの生成規則である振り子運動を構成する要素のうち、「加速度」と「質点位置」との関係性から生成システムの解析を試みた。その結果、ペンジュラム・パターンの形成過程には異質な2つの生成システムが存在し、かつプロセスの一部に両者が同時に展開される状態、すなわち「過渡状態」が発生していることを確認した。
  • 大学生を対象とした刃物の使用実験とその分析
    上野 志歩, 木村 元彦
    セッションID: C5-01
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では、現在の刃物の使い方やそれに関する注意について疑問を投げかけ、より適切な注意点や指導ポイントを見出すことを目的とする。またそれらを基に、刃物を使いこなす時間の短縮や効率的な指導方法の発見、より使いやすい製品の開発などを目指す。
    初めに、刃物に関する意識を調査するためアンケート調査を行った。その結果、はさみ、カッター、包丁の3種類が多くの人に使用されていることがわかった。そのほかにも性別による使用開始時期の違いや、使用開始時期による自己評価の差が見られた。これらの調査結果から、はさみ、カッターを用いて使用実験を行う。
    次に、使用実験として実際にはさみとカッターを用いた作業を行ってもらい、その様子を動画に記録した。記録した動画をそれぞれの動作ごとに細かく分け、分析を行った。はさみを使用する様子からは、切る対象の形や、切る順番によって動作にかかる時間に違いがみられることがわかった。また、カッターを使用する様子からはそれぞれの動作にかかる時間と成果物との関係を見出すことができた。
  • 大久保 翔太, 柳澤 秀吉, 中川 聰, 早川 忠将, 加藤 博之
    セッションID: C5-02
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    多様な外装デザインが存在する現在,自動車には,他ブランドとの識別性や同ブランド内の同一性を持つデザインによってブランド・アイデンティティを形成し,ブランド全体の魅力向上が進んでいる.しかし,設計時におけるブランドの同一性/識別性の評価は現状デザイナーの経験的知見に依存しているため,それらを定量的に評価する指標が求められている.そこで本研究では,自動車のフロントマスクを対象と,デザインの同一性/識別性に寄与する形態特徴を抽出,それらを評価する方法の考案を目的とする.本研究では「ブランド特有の形態として記憶に残る」「ポジティブ感情の生起」の二点に注目した.これらそれぞれに重要であると考える典型からの逸脱,覚醒ポテンシャル理論に基づく適切な逸脱度合いを中心として, 3層からなるフロントマスク認知,評価のパス図を作成した.また,実験から,逸脱した特徴的な形態やブランド内で共通性の高い形態が同一性に寄与することや,部位間の連続性から想起されるまとまりが選好評価に影響を与えることが分かった.今後は系統的に形状操作した図形を用い,形状の逸脱度が記憶への残りやすさや選好に及ぼす影響について検討する.
  • 商品開発プロセスの比較分析と考察
    畔柳 加奈子, 伊藤 晶子, 櫛 勝彦
    セッションID: C5-03
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    組織的なものづくりにおいて、同じリソース、同じ仕組みで開発されているにも関わらず、なぜ商品によってデザインの評価や事業的効果が分かれるのか。結果の異なる商品が開発される要因を明らかにすることで、組織における新しい商品開発スタイルを提言する。デザイン賞を受賞し、事業目標を達成した事例をプラス事例、デザイン賞を受賞しなかった事例や事業目標を達成しなかった事例をマイナス事例と定義し、同じ組織内で行われた複数の事例について、開発者へのインタビューから商品開発プロセスの比較分析を行った。分析の結果、商品開発の目標として設定されるゴールの質が重要であり、プラス事例とマイナス事例では、ゴールの記述方法に違いがあることが分かった。また、ゴールの内容はゴール設定に至る迄の開発ステップが影響しており、マイナス事例ではその一部が欠如していた。
  • インフルエンザにかかりにくくするための社会環境の事例
    木内 孝昌, 山崎 和彦
    セッションID: C5-04
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    近年、サービスを考える上でユーザーや企業の価値を考慮する他に、社会環境を考慮することが求められており、そのようなサービスも増えている。このような背景から、社会環境を考慮したデザインアプローチが必要である。
    本研究では、社会環境を考慮したデザインアプローチを提案することが目的である。ここでは、ウェブサービスを中心にデザインアプローチを検討する。
    今回は、インフルエンザの為の事例を検証した。目的は、ユーザー視点、ビジネス視点そして社会環境視点を考慮したデザインアプローチとして「ビジネスモデルキャンバス」に社会環境視点を追加した「社会環境ビジネスモデル」を用いて、ユーザー参加型ウェブサイトを制作し、このアプローチの有効性を検証するためである。社会環境ビジネスモデルとは、サービスのアイデアを基にステークホルダーを書き出し、それぞれのステークホルダーがどのような関係か、どのような価値があるか、ビジネスとして成り立つか、ユーザーの価値と社会環境を考慮しているか視覚化して確認するためのアプローチである。
  • 楊 玄叡
    セッションID: C5-05
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    図形をデザインする際、キーワードから、コンセプトを起し、図形に至るまで、適切な発想手法を用いることが重要である。本研究は流行語をテーマに、「経験連想法」、「ランダム組合せ法」、「逆思考法」三種類の発想手法による図形開発と立体化を検討するのが目的。最初にアイデア課程を設計し 、同一被験者に三種類の発想手法を用い、三種類のコンセプトを作り、新たな図形パタンをデザインさせる。その後、ブレインストーミング法を用い、図形パタンに適切な応用方法は提案し、立体化の制作を行う。実験は2014年9月~2015年1月の間に、図文伝達芸術学科修士一年生6名を対象に行い、「幸せ」をテーマに、合計18枚の図形パタンが得られ、その後、ブレインストーミング法を用い、「幸せな時計」と言う商品を決め、図形パタンを時計の針、文字盤に応用し、6つの立体作品を完成した。研究結果から、経験連想法では、テーマの本質と経験値による文化性が現れた。ランダム組合せ法では、意外性が加えられた。逆思考法では、本質の定義、視点が変えられた。三者の利点を結び付ければ、文化性、革新性、異質性を兼ねる図形表現方法が可能ではないかと考えられる。
  • 文化とサービスの関係
    エズワン ハキム ビン ムハマド ズビル アンソリ, 古屋 繁
    セッションID: C5-06
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    本文は文化的なアプローチに国々の顧客満足度指数モデルを比較する研究である。近年では多くの国が独自の顧客満足度指数を確立してきた。これらの指数は基本的に似いているのに、構造モデルの場面で異なると考えられる。本研究でこれらのモデルが国の背景や文化を考慮しながら構築されたかどうかを確かめる。そのため、各国顧客満足度指数の概念化を調べる。
  • 宮澤 以鋼
    セッションID: C6-01
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    製造業などの企業にとっては,設計も含めたデザインが必須である。中小規模の企業においては,デザインを要求する側とデザインを実施する側との間にその認識に明確な差異がある。要求側は結果的に美しいデザインだけでなく,安価で独創性の高いものを要求しがちである。一方,実施側は対価の面で常に独創性の高いものを提供することが難しく,コンセプト由来のデザインは必ずしも要求側のイメージと一致しない。
    筆者は企業支援の要請から,「デザイン」を考察し,その概念に対して,設計も含めた,より包括的でフォーマルな定義を与えることを試みる。本稿では,意味論で用いられている概念の定義方法,すなわち,内包と外延を援用してデザインを定義する。この定義方法により,デザインに対する認識の差異について,要求側は外延,実施側は内包からデザインの概念を認識したことに起因することを指摘する。さらに,この根源的な認識上の溝は単純に現有の手法,例えば,デザインマネジメントで述べられた種々の方法によっても簡単に埋められず,新たなアプローチが必要なことについても指摘しておく。
  • 2BOXと3BOX 719台のデータをベースとして
    橋本 隆志, 羽渕 琢哉, 中野 聡, 古屋 繁
    セッションID: C6-02
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    現在の自動車産業はグローバル化が進行し、メインマーケットは先進国から途上国にシフトしていく事が予想される。それに伴い、自動車に求められる要件にも変化が生じる。しかしながら、環境問題や世界経済などの要因により、今後自動車がどのように発展していくかは不透明である。特にスタイリングは、国や文化により好みが別れるためデザインするのがますます難しくなる。
    本研究では、車体形状を「比」置き換え、車体のプロポーションを把握し、様々な車体形状を持つ車種との比較することで、自動車のトレンドの変化を把握し、予測が難しい自動車の将来のスタイリングを考える上で有効な資料となることを目的とする。。
  • 未来歴史学 : クリティカルデザインの可能性
    津坂 真有
    セッションID: C6-03
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    本稿で述べる「未来歴史学」は、これからの科学技術の倫理的・社会的課題を検証するデザイン手法のひとつである。具体的にはSF(サイエンス・フィクション)系作品に描かれている科学技術と社会に対する人々の見解を調査・分析し、それらのアーカイブを行う。科学技術の複雑化に伴い、科学技術の問題を科学の論理で解決することが困難となっている。特に市場に投入されていない科学技術はユーザにどのように受け入れられ、どのように社会に浸透するのかという前例が極めて少なく、倫理が存在しない状態となっている。これらにより問題が複雑化することを避けるためには、多様な選択肢や解決策があり得ることを念頭において、より広い視野から問題に向き合う必要がある。アートやフィクションは社会的課題に対して既成概念に捉われず、根源から思考し検証することを可能にする。中でもクリティカルデザインとSFは、新しい技術の浸透に伴い発生する倫理的・社会的課題を思考し検証するものである。これらを分析する未来歴史学は、これからのテクノロジーのあり方について多様な視点から見解と検証を引き出すことを目的としている。
  • KinectTMを使用したAnakin Systemの紹介
    石本 明生,  本多 信夫, 足立 和隆
    セッションID: C6-04
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/06/11
    会議録・要旨集 フリー
      ヒトの運動を計測する場合、一般的な三次元動作解析法では、身体の関節位置の体表面にマーカーを取り付け、それらを赤外線カメラ等により一定の時間間隔で撮影し、各マーカー位置の三次元座標を求め、これらから関節中心位置を算出する。これには、専門的な知識と手間、時間がかかる。これに対して、本システムではマーカーを取り付けず、身体の表面形状を三次元的に計測し、その形状とコンピュータ内の身体モデルを一致させ、その身体モデルに設定されている関節位置から、元の身体の三次元的な関節位置を推定算出する。モデルに設定された関節位置は25カ所である。身体の表面形状の三次元計測には、3台のKinectTMを特殊なキャリブレーション法を使用して座標系を一致させ、対象を3方向から撮影することによって行う。キャリブレーションに要する時間は10秒程度である。各関節位置の計測サンプリングレートは30Hzである。本システムによって普段着のままで、複数人の同時計測ができるようになった。本発表では、マーカー式との精度比較や歩行計測等への応用例を紹介する。
  • 片本 隆二, 藤家 馨, 榊 泰輔, 青木 幹太
    セッションID: C6-05
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    歩行に不安のある退院後に、自宅周辺で歩行することは転倒のリスクがある。一方で動かなければ廃用症候群のリスクがある。そこで、我々は在宅用の「歩行バランス訓練ロボット」を試作した。本装置は足圧変化をトリガーにしている。送り出す側の踵が接地面から浮いていたら前後にスライドする。対象者は、退院後の非骨傷性頚髄損傷者や高齢者を想定している。今回、本装置を用いて歩行や運動可能な60歳代前半層6名を対象とする初期段階の実証実験を行った。結果より、重心総軌跡長は本装置検証のためのパラメーターとして測定可能であることが示された。加えて、安全に運動するために、現状の足乗せ台の前後スライド運動と運動強度を維持する見通しである。また、訓練や実証実験を途中で中断するための判断基準として、「リハビリテーション医療おける安全管理 ・ 推進のためのガイドライン」に従うこととした。
  • 伊藤 弘基, 佐藤 弘喜
    セッションID: C7-01
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    プロダクトグラフィックスとは、商品の性能や機能を使いやすく、分かりやすく伝えるための視覚情報である。特に操作部のグラフィックは商品の操作性を大きく左右する。グラフィックが選好とどのような関係に位置しているのだろうか。本研究では、所持者が多く、一般性の高い「腕時計」としてグラフィックと選好の関係を探る。人の属性と腕時計の関係についてのアンケートを実施した。このアンケート結果から、属性と腕時計には関係がある事が分かった。そこで実験1では、腕時計のグラフィック要素の違いが選好とどのように関わるのか調査した。この結果から、服と組み合わせる際にあまり主張しない腕時計が好まれているのではないだろうかと考えられた。次に、既存の腕時計の分類の調査をした。この結果から、6つのグループに分かれる事が分かった。このグループは、企業などで主に扱われる分類ではなく、新しい分類として利用できるのではないだろうかと考えられる。次回は若者だけでなく他の世代での実験を行っていく。
  • 佐野 大貴, 赤井 愛
    セッションID: C7-02
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    アルミ素材は、軽さ、加工性の良さ、耐食性に優れ増加している。リサイクル効率が良く、リサイクル時のエネルギーは新地金製造時の3%で済むなど、地球環境保全の観点からも注目されており、他の素材に代替が不可能なほどに普及が進み利用されている。ゆえに、今後はさらに増加する製品のニーズに合わせ、アルミ素材の表現の多様性が求められると考えられる。本研究でのアルミ素材のアンケート調査では、同一素材にも関わらず対比関係にあるキーワードが同一回答者から得られるケースが多く見られた。また、2つの製品群(嗜好品、日用品)に分類し、製品ごとにイメージキーワードをまとめると、製品群によってイメージキーワードの種類が異なり、アルミ缶、アルミホイルまたは電子端末製品にキーワードが集中した。また、アルミ製品の高級感は製品の厚みとの相関が高いことが予想される。マップの分布からは「高級感がある」「あたたかい」に該当する製品が希薄であったことから、今後ウェブアンケートの回答の分析を通し、高級感があるかつ、あたたかみのあるアルミの表現を構成する要素を明らかにし、プロトタイプの制作に繋げていく。 
  • ―学習経験差による比較
    笹井 五月, 木下 武志, 山本 紀輝, 長 篤志
    セッションID: C7-03
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    デッサン教育は美術・デザイン教育において重要視されており、デザイン分野では主に静物デッサンが制作課題とされている。本研究では、アイマークレコーダを用いたデッサン制作時の視覚探索を行い、学習経験の長い場合と短い場合の視線行動にどのような差や特徴があるのか調べることを目的とする。これまでのデッサン教育は教育者の主観や経験則に頼って行われてきたが、視線行動の差や特徴を明らかにすることにより、科学的根拠に基づいた教育を可能にすることが期待できる。デッサンの学習経験の長さが異なる計5名を実験参加者とし、3時間の視線行動を記録した。その結果、学習経験の差によって視線の範囲や、視線の行き来の頻度に違いが見られた。
  • ユーザー情報と表現
    山崎 和彦
    セッションID: C7-04
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    本研究はユーザーエクスペリエンス(UX:User Experience)の視点から感性をどのように扱ったらよいのか提案することを目的とする。ここでは、ユーザーエクスペリエンスデザイン(UXD)のために必要な情報(インプット)と最終的なデザイン表現(アウトプット)という視点より感性を整理することを試みる。
  • 石川 和也, 佐藤 弘喜
    セッションID: C7-05
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    この研究は、ドラッグストアでの医薬品判別が難しいという問題を解決することを目的とする。医薬品の判別を容易にするために、パッケージを改善する。そのために、16種類の医薬品に対し"色"と"マーク"を作成する。まず始めに、医薬品に対する色別評価を行う。方法としては、24色の中から、一つの医薬品に対して、一色ずつ選ぶ方法で行う。その次に、医薬品に対するマークを決定するために、言葉とイラストによるイメージ評価も行う。この実験からマークを決定し、医薬品を判別する要素を作成する。色別評価では、近似色がなくばらつきのある結果になった。イメージ評価では、言葉とイラストの内容に関連性のある結果になった。
  • 堀江 大, 佐藤 弘喜
    セッションID: C7-06
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    人は与えられて情報から様々なことを考える。そして違う物事を結びつけることができる。新たな発想を導くためのさまざまな発想法もこのようなことを利用したものだ。物を触ることで様々なことを創造できるのかを探る研究である。まずそのために、人々がものに対して持つかたちの印象を実験1で明らかにした。この結果を利用してサンプルを制作した。被験者にサンプルを触らせると、どのような印象を持つのかを調査する。そしてスケッチを用いて触覚の有無での差を調査する。 結果を使って触覚の有用性を調べる。
  • 岡本 誠, 安井 重哉, 東出 元輝
    セッションID: C8-01
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    事拾図は、デザインプロセスの中で出来事を生け捕りにする手法です。 これは、出来事の全体を観察し、洞察し、表現し、ステイクホルダーの間で内容を共有することができます。この手法を実験的授業の中で実施し評価をしました。当事者やステイクホルダーは容易に内容を理解することができ、また新しいアイデアソースを共有することができます。
  • Vine Prototypingと「つくること」の記述
    久保田 拓朗, 小田 裕和
    セッションID: C8-02
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    本プロジェクトは大学の教育カリキュラム外において、積極的に新しい知識と経験を取り入れようとしている学生のための学習の活動であり、同時に学習成果を社会へ繋げるための試みである。この取り組みではものづくりの知識や技術習得は構成主義に準ずると考え、学生がこれまでに蓄積してきた知識と新たに与えられた知識をどのように繋ぎ、知識と知識の相互関連と作用について理解を深めることに重点を置いている。あるアイディアを人に伝えるため、あるいはアイディア実現のための課題を探求する活動の中で「作ること」「観察すること」「評価すること」「改善すること」を強く意識させ、自己認識させることで学習を促す。
    本稿では学生の自己理解をフレームワークの中で記述させ、成果物の記録・共有を簡略化することで「つくって考える」というサイクルを高速できるようワークショップを設計し、その実践について報告する。
  • 日本型イノベーションモデルの考察
    山崎 真湖人
    セッションID: C8-03
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    本論文では日本の企業文化に適したイノベーションのプロセスを提案する。シリコンバレー流のイノベーションプロセスは、少なくとも現状の日本企業の風土とはなじまない点がある。企業文化に問題があると考えるのでなく、ブランドや専門性の高い人材を活かし、創造的な提案を可能にするプロセスが構築できればよい。社会・競合・技術の動向を踏まえた上で、顧客ニーズにマッチした製品・サービスのコンセプトを検討する、デザイン思考をベースとしたプロセスを説明する。プロセスの設計や関連する様々な支援活動をアウトソーシングすることによって、様々な専門性をもった企業メンバーが効率的・効果的にデザインを行うことができる。
  • デザイン探索に取り組む前に押さえておくべき前提条件とコンセプトの表現方法
    瀧 知惠美
    セッションID: C8-04
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    本研究は、事業会社内のサービス開発における理想と現実のバランスを試行錯誤していく際に必要となる考え方やプロセスなど、最適なデザイン探索のあり方の体系化を試み、再現性を示す目的で実施している。ここで言う「理想」とは、ユーザー、企業の両者にとって最適な最終的に目指すサービスの姿である。加えると、ユーザーにとってはユーザーの本質的なニーズを満たす最適な価値ある体験をすること、企業にとっては継続可能なサービス提供のしくみを作ることで、企業が目指す目的を達成できることが最終的なゴールである。「理想」は、ヤフーのサービス開発の現場において「コンセプト」と表現されることが多いため、この先「コンセプト」と表記する。初めにデザイン探索に取り組む前に押さえておくべき前提条件を明確にし、デザイン探索の有効性を示したい。更に本稿では、コンセプトの表現方法について考察を行う。
  • 木塚 あゆみ, 原田 泰, 大場 みち子
    セッションID: C8-05
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    大学教育において、創造的問題解決を学ぶための演習や実習が行われている。しかし学生は経験が未熟であるため観察やアイデア出しなどが不十分、視野が狭い、リアリティのない世界観を構築してしまうなどの問題が生じる。効果的に創造的問題解決プロセスを学ぶための学習プログラムを開発するために、実験的にSF映画を題材としたデザイン・ワークショプを実践した。ワークショップでは「SF映画のワンシーンを想定したIT機器を使ったプロトタイプ(大道具や小道具)を作る」という課題に、様々な専門領域を学ぶ学生が混成チームで取り組み、完成させた。結果、日常生活から離れた題材であるSF映画をテーマとしたデザイン演習を行ったことで、日常の授業で学生の経験の未熟さから起こる問題のいくつかが回避できる可能性が示唆された。さらに未熟さを補完するためには「妄想力」が重要であることが示唆され、ワークショップのプロセスにおいて何度も「妄想出し」と進捗共有や振り返りを行うことでより妄想が具体的になり、これが良いアイデア出しのプロセスにつながったのではないかと考えられる。
  • - デザインの学びの範囲についての考察 -
    両角 清隆, 氏家 拓海
    セッションID: C8-06
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    インターネット時代のデザインは,幅広いアイテムのデザインをする必要がある。具体的には,コンテンツ,ソフトウェア&ハードウェア,活動やソフトウェアの運用方法,などである。そして,デザインした人工物をユーザーの活動に適合させるためには,4つのデザインプロセスが必要になる:1)活動への共感,2)本質的な要求を知る,3)稼働するシステムを作る,4)活動の課で検証する。特に作り手は稼働するシステムを創り,活動の中で検証し改善することが重要である,しかしながら,デザインを学ぶ学生にとって,システムの実装スキルを学ぶことは大きな課題となる。
  • -ユーザーエクスペリエンスデザインのための実践ワークショップ
    堀江 政広, 坂川 侑希, 加藤 美聖, 南城 あゆみ, 伊藤 美由紀
    セッションID: C9-01
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    ソフトウェア開発において、ユーザーエクスペリエンス(UX)のデザインが、重要な課題となっている。本稿では「バリアウォーキング」のUXデザインを事例として、実践ワークショップの報告をする。「バリアウォーキング」とは、日常生活に存在する段差や階段、傾斜、坂、スロープなどのバリアを意図的に利用して、適度な負荷を筋肉に与えながらウォーキングをすることである。現在、社会では高齢者の自立が課題となっており、閉じこもりと、日頃の運動不足による筋力の低下が問題となっている。そこで、高齢者の閉じこもりと筋力低下を防止することを目的とした「バリアウォーキング」のUXをデザインした。
  • 坂川 侑希, 細谷 多聞, 堀江 政広
    セッションID: C9-02
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    福祉施設におけるグループウォーキングには、様々な障害があるため、日本での普及はあまり進んでいないという現状がある。その障害の1つがグループウォーキングの継続である。なぜならば、グループウォーキングは継続をしなければ効果が得られないからである。本研究は、ウォーキングを始める時と継続する時のモチベーションが異なるという仮説を立て、福祉施設におけるグループウォーキングを継続するための方法について調査・検証を進めるものである。
  • 酒井 聡, 青木 孝文, 若生 一広, 阿部 晃一, 三瓶 仁寛, 菅原 道晴
    セッションID: C9-03
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    昨今、広告業やデザインの分野でプロジェクションマッピングが広く扱われるようになった。建築物 や自動車、人などに映像投影を行うことで、新たな映像表現として注目を集めている。しかし、広く 扱われるようになったプロジェクションマッピングの映像投影する条件として映像投影面は変形や移 動などをしないことが前提となっている。 本研究開発では、動的に形状が変化する物体に対して歪み のない映像を投影可能なスクリーン(Addressable Screen)を開発することを目標としている。本 稿では、研究開発の過程において制作・発表を行った映像投影作品Addressable Screen「9パズル」 「Magical Card」について報告する。
  • 杉本 美貴
    セッションID: C9-04
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    近年、ゲーミフィケーションの考え方を用いてユーザの関心や使用性を高めるための表現方法が注目されているが、これは家電製品の環境負荷に関するエコ表示にも有効であると考えられる。筆者は、現在ゲーミフィケーションが用いられている様々な分野の72件の成功事例について調査を行った結果、家電製品のエコ表示にゲーミフィケーションを効果的に用いるためには、ユーザの行為と関係の深い「行為の変換」「行為の共感」「行為の承認」の3要素に含まれるゲーム性を使った表現の重要性を導出した。しかし、これらはまだ実証実験による検証はなされておらず、それらの有効性について検証する必要があった。 そこで本研究では、家電製品の中でもエネルギー消費量の多い冷蔵庫を対象に、被験者宅で実際に使用されている冷蔵庫でゲーミフィケーションを用いたエコ表示を行い、実生活の中での継続使用実験によってゲーミフィケーションを利用したエコ表示を行った場合のユーザの意識について検証した。その結果、家電製品のエコ表示にゲーミフィケーョンを効果的に用いる際に、3要素に含まれるゲーム性を使った表現が有効であることが確認できた。
  • 位置情報に応じた音声配信技術をベースとしたサービスプラットフォームの構築
    池田 絵里子, 松林 景子, 服部 宏行, 蓮池 公威
    セッションID: C9-05
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    近年、位置認識技術の浸透により、ユーザーのいる場所に応じて情報を提示することが容易になり、旅行者に新たな体験を生むサービスが実現可能となってきた。筆者らは、観光の実体験そのものを重視する視点から、音声ガイドに着目し、旅行者が最小限の操作で観光を楽しみ、また、地域の自治体や市民がコンテンツ作成に参加することができるサービスを構想してきた。 本活動では、基盤となる技術が開発された段階で、デザイン部門が参画し、サービス化に向けてHCDプロセスを実践した。一連の活動により、ユーザー視点から技術を方向付け、サービスの指針とデザイン施策を立案し、実証実験を経て、地域発信型の観光音声ガイドサービスプラットフォームの商品化を実現した。 本稿では、HCD 活動から得られた気づきと、そこからサービス指針、デザインを策定し、商品化に至ったプロセスを報告する。
  • 中田 成人, 山崎 和彦
    セッションID: C9-06
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    現代の市場において、あらゆる商品やサービスはコモディティ化の一途をたどっている。そして、どれ程新しいものが登場しようとも、技術の進歩と共に、いずれコモディティ化することは避けられない。このような状況で、企業にとって重要となるのがブランド力である。ブランドとしての確立は購買者からの信頼を意味し、購入時に選択される大きな要因となり得る。そこで、ブランド力の確立に欠かせない「一貫性」を、企業理念に基づいたブランドメッセージと、購買者に最も触れるビジュアルアイデンティティ(VI)との間に保つ事が重要である。よって本研究の目的は、デザイナーがブランドメッセージから読み取るブランドが目指す体験価値との一貫性を保持し、企業にとって効果的なメッセージの発信源となり得る視覚表現を研究することである。
  • 益田 雄司, 別所 直哉, 久保 雅義
    セッションID: C10-01
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/06/11
    会議録・要旨集 フリー
    タッチパネルは、普及に伴って使用機会が増えている。しかしタッチパネルは、触覚的な操作感の薄れにより、誤操作の要因になることも多く指摘されている。  本研究では、タッチパネルを搭載した携帯情報端末を用いて、様々な指操作に連動した振動を被験者に与えた。そして、振動の構成要素を変化させることで、被験者に対して特定のイメージを与えることが可能かどうかを明らかにした。本実験では、1操作につき8種類の振動パターンを健常者、高齢者に体験させ、9の評価項目に関して回答をさせた。これを7操作繰り返した。この振動パターンおよび指操作は、予備実験から導出している。分析の結果から、種々の操作に連動して発生する触覚刺激に対し、2者に共通する特定のイメージが存在することがわかった。加えて、機器操作に適用すべき触覚フィードバックを容易に選択できる「操作に応じた触覚フィードバック参照モデル」を作成した。この参照モデルを元に、特定の印象を抱く振動の構成要素を選定することで、年齢を問わず、より直感的な操作に繋がると思われる。
feedback
Top