交通渋滞の緩和・解消のため、既存道路の有効活用に向けたソフト面の対策の重要性が高まっている。その1つの方法が、ドライバーに将来の交通状態の予測情報を提供し、渋滞が発生しない時間帯での道路利用を促すことである。その実現に向け、交通需要の源泉である人の移動に着目し、当日の人出に基づき数時間から半日先までの交通状態を予測するAI渋滞予知技術が既往研究で提案されている。しかし、AI渋滞予知の実現性は高速道路でしか示されていない。そこで本研究では、一般道路における実現性を確認するため、AI渋滞予知技術を一般道路に適用し、所要時間の予測精度を評価した。評価の結果、過去の統計値を予測値とした場合や重回帰による予測と比べ高い精度で予測できることが確認でき、一般道路におけるAI渋滞予知の実現性を示した。
本研究は,離散間隔で得られる生存/故障という 2 値の観測データを用いて,任意のタイミングで起きた左切断,右打切り,区間打切りが含まれる場合でも生存確率をノンパラメトリックに推定できる手法を提案するものである.切断と打切りを考慮した生存確率の推定については,いくつかの研究実績があるが,これらは左切断時の切断時間(生存開始から観測開始までの時間)が計測できる,切断や打切りのタイミングはランダムであるといった仮定が必要であった.しかし道路施設についてはこれらの仮定を満たすことは難しく,本研究では任意の左切断,右打切り,区間打切りを含む 2 値の観測データを利用して,生存開始時刻が不明(切断時間が不明)な場合にも適用できる生存確率のノンパラメトリックな推定手法を提案した.また,仮想データを用いた検証により,提案手法が適切に生存確率を推定できることを確認した.
レーザ式車両検知器は,ループコイル式車両検知器と同等以上の精度を持ち,設置が容易であることから交通管理の現場で利用されている。しかしながら,降雪時の特定条件下において誤検知が発生する場合があるという課題があった。本研究では,この課題に対処するため,日本有数の豪雪地帯である関越自動車道湯沢地区にて実証実験を行い,降雪によるノイズへの対策を講じた新たな車両検知アルゴリズムを構築し,その効果を検証した。実フィールドにおける実証実験の結果,改良されたアルゴリズムは通常時の検知精度を維持しつつ,降雪時においても誤検知を減少させ,より正確な車両検知および車長推定が可能であることが確認された。特に強い降雪条件下でも 98.8%の適合率であり,十分な精度を持つことが示された。
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