本研究では,津波火災を受ける鉄骨造津波避難ビルの耐火性能評価手法を構築した。津波避難ビルは地震,津波に対する構造安全性だけでなく,津波火災による熱的影響も考慮する必要があり,(A)~(H)の手順で構成される評価手法を提案した。(A)漂流物解析による集積可燃物密度の予測,(B)津波による外壁の脱落判定,(C)内部火災と外部火災の予測,(D)火災継続時間の予測,(E)部材温度の予測,(F)地震・津波外力による構造体の損傷の予測,(G)火災応答解析による崩壊時間の予測,(H)崩壊時間と火災継続時間の比較による倒壊判定。提案した評価手法を設計例に適用した結果から,本手法は津波の浸水深と集積可燃物密度の影響を評価できると考えられる。