日本火災学会論文集
Online ISSN : 1883-5600
Print ISSN : 0546-0794
ISSN-L : 0546-0794
45 巻, 1+2 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
論文
  • 奈良 松範, 熊谷 尚登, 渡部 学
    1996 年 45 巻 1+2 号 p. 1-9
    発行日: 1996年
    公開日: 2011/09/09
    ジャーナル フリー
    火災発生時に地上への直接避難が難しい場合,避難者が建物内の安全区画に滞留し,一時的あるいは鎮火まで避難籠城しなければならない状況を想定し,このような場合,安全区画に要求される対人距離や面積を心理的な観点から明らかにすることを目的として,実測および実験を行った。心理的アンケートを用いて,被験者1人に対して,相手が1人及び8人の場合,心理的な圧迫感を受けないために必要な面積として,各々,2.6及び2.9m2/人を得た。また,実測により,電車待ち行列では,最密状態の場合,夏季及び冬季で,各々1.6及び1.9人/m,信号待ちの群集密度では,夏季及び冬季について,各々1.5及び1.6人/m2を得た。以上。安全区画内避難における人口密度の問題に焦点を絞り,計画上の知見を示した。
    (オンラインのみ掲載)
  • 奈良 松範, 大島 泰伸, 渡部 学
    1996 年 45 巻 1+2 号 p. 11-17
    発行日: 1996年
    公開日: 2011/09/09
    ジャーナル フリー
    火災時の建物内における避難歩行速度を推定することを目的として,鉄道駅の階段における群集流動の現状に関する実測調査を行った。実測値の回帰分析により,群集密度と歩行速度との間に相関係数0.9以上の線形な関係が存在した。群集流率は,群集密度の2次関数で回帰され,0.9以上の相関係数が得られた。群集密度及び群集流率ともに,夏季と冬季との間に差異が認められ,冬季の歩行速度及び群集流率は,夏季におけるそれよりも大きくなる傾向を認められた。また,過去における同様のデータとの比較も行った。老人等の災害弱者については,混雑していない状況における歩行速度を測定し,老人,手すりに掴まっている人,杖を突いている人,要介助者は,それぞれ健常者の50,40,30及び10%の値を得た。
    (オンラインのみ掲載)
  • 早坂 洋史
    1996 年 45 巻 1+2 号 p. 19-25
    発行日: 1996年
    公開日: 2011/09/09
    ジャーナル フリー
    燃料に,ヘプタン,メタノール及び灯油を使い,タンク内の燃料液面高さが時間と共に変化するような,小型プール火災の実験を行い,燃焼速度,燃料温度などを測定した。この結果,燃料温度の変化傾向より,小型プール火災の非定常燃焼では,予熱,遷移,沸騰と呼べる過程の存在すること,ヘプタンと灯油の燃焼速度は,燃料とタンクの温度上昇と共に増加することがわかった。準定常となる予熱と沸騰の各過程の燃焼速度を比較すると,ヘプタンで,約1.6倍,灯油で,約1.3倍の増加が観測されたが,メタノールの場合,他の燃料と同様に,燃料とタンクの温度上昇があるにもかかわらず,明確な燃焼温度の増加は観測されなかった。これらの燃焼速度の変化を燃料の蒸発熱で明らかにした。
    (オンラインのみ掲載)
  • 木下 勝博, 萩本 安昭, 渡辺 憲道
    1996 年 45 巻 1+2 号 p. 27-29
    発行日: 1996年
    公開日: 2011/09/09
    ジャーナル フリー
    これまでに木材や塩化ビニルなどの炭化温度と電気抵抗の関係などについて研究が行われているが,試料を高温度に加熱した状態で測定が行われているので,火災が鎮火したあとで採取された炭化状態の試料の特性をそれらから推定することができない。そこで本研究では,実火災を模擬する加熱特性を持った電気炉を用いて有機絶縁材料を加熱炭化させ,炭化物の電気的特性に及ぼす形成温度の影響について検討した。その結果,電流密度が概ね0.1~10mA/cm2の範囲では抵抗率が余り変化しないが,これ以上の電流密度ではジュール熱が無視できなくなって導電状態が不安定になり,急激に抵抗率が減少することが分かった。
    (オンラインのみ掲載)
feedback
Top