火災発生時に地上への直接避難が難しい場合,避難者が建物内の安全区画に滞留し,一時的あるいは鎮火まで避難籠城しなければならない状況を想定し,このような場合,安全区画に要求される対人距離や面積を心理的な観点から明らかにすることを目的として,実測および実験を行った。心理的アンケートを用いて,被験者1人に対して,相手が1人及び8人の場合,心理的な圧迫感を受けないために必要な面積として,各々,2.6及び2.9m
2/人を得た。また,実測により,電車待ち行列では,最密状態の場合,夏季及び冬季で,各々1.6及び1.9人/m,信号待ちの群集密度では,夏季及び冬季について,各々1.5及び1.6人/m
2を得た。以上。安全区画内避難における人口密度の問題に焦点を絞り,計画上の知見を示した。
(オンラインのみ掲載)
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