目的:新卒看護師のアサーティブネスとバーンアウトとの関連を明らかにした。
方法:17の病院の看護部長より協力が得られた新卒看護師を対象に2015年9月から11月まで自記式質問紙調査を実施した。新卒看護師のアサーティブネス(NNAS)尺度及び日本版バーンアウト(J-MBI)尺度を使用した。
結果:MBI及びNNASの平均に性別及び職種に差が認められ,女性の新卒看護師645人を解析の対象とした。対象の平均年齢,NNAS及びMBIの平均はそれぞれ22.60±3.07,67.4±10.1,11.3±2.2であった。
本研究の自由度調整済み決定係数は0.46であった。重回帰分析の結果,アサーティブネスは下位尺度すべてが有意にバーンアウトに関連しており,他者からの不当評価を甘受する率直でない受け身的自己表現の者(甘受:β=0.10,p<0.01),他者への配慮優先の率直でない非主張的自己表現の者(非主張:β=0.13,p<0.01),自己権利優先の適切でない拒否的もしくは攻撃的自己表現の者(拒否攻撃:β=-0.11,p<0.01),のβが0.1を超えていた。その他のβが0.1を超えていた変数は,職場満足,転職意向,仕事量であった。
考察:アサーティブでないとバーンアウトする可能性が明らかになった。すなわち新卒看護師では,甘受,非主張,拒否攻撃的な自己表現の者はバーンアウトしやすいことが明らかになった。
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