目的:新卒看護師用のアサーティブネス評価尺度「Novice nurses assertiveness scale」(以下NNAS)の看護師への適応を検討し,この信頼性,妥当性を検証することを目的とした。
方法:NNAS16項目を使用し,2018年6月に関東地方の大学病院3施設と国公立病院3施設に勤務する看護師3,303人を対象として,自記式質問紙調査を実施した。調査内容はNNAS及び属性として,生年月日,性別,実務職種,職位,看護師経験年数,最終学歴,配偶者および同居の子どもの有無とした。分析方法は,信頼性は内的整合性,妥当性は標本妥当性,さらに探索的因子分析より得られた仮説モデルの適合度を確証的因子分析により確認した。
結果:有効回答1,929人を分析対象とした。最尤法,主因子法,プロマックス回転法,直接オブリミン回転法等を繰り返しおこない確認したが,「私は多大な業務量を行うように依頼された時に,断りたくても断れない」の1項目は,どの方法を組み合わせても,因子負荷量が低くまた2因子にまたがり良好な結果が得られなかった。そのため,この1項目を除外し,残りの15項目3因子とした。また,固有値1以上,因子負荷量は0.35以上として項目を確認し,最尤法,プロマックス回転での因子分析を行った。 Kaiser-Meyer-Olkin(以下KMO)の標本妥当性は0.86であった。尺度全体のクロンバックα係数は0.78であり,下位尺度は,第1因子0.86,第2因子0.78,第3因子0.71であった。また,探索的因子分析で得られた尺度の15項目において,仮説モデルの適合度はGFI=0.92,AGFI=0.89,RMSEA=0.07(p<0.01)と良好であった。
結論:看護師では不向きと考えられる1項目が除外され,15項目で信頼性,妥当性が検証された。したがって,看護師全体のアサーティブネスの評価には,本尺度15項目の使用を提言する。
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