口腔病学会雑誌
Online ISSN : 1884-5185
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39 巻, 2 号
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
  • 林 都志夫
    1972 年 39 巻 2 号 p. 105-112
    発行日: 1972年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
  • 大野 紘八郎
    1972 年 39 巻 2 号 p. 113-158
    発行日: 1972年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
    ヒトの乳歯の歯根吸収時に出現するodontoclastについて, 主として電子顕微鏡を用いて形態学的観察をおこない, 次のような結果を得た。
    1) odontoclastの細胞質にはmitochondria, 粗面小胞体, freeのribosome, Golgi complexなどが多数存在する。
    2) mitochondriaは通常細胞の中央部に密に分布し, 粗面小胞体は細胞の辺縁部に特に多い。またfreeのribosomeは細胞質に広く散在するが, 密な集団を形成する場合もある。
    3) centrioleはGolgi areaの近く存在するがcentrosphereを形成する場合もある。
    4) 象牙質吸収面に接するすべてのodontoclastにruffled borderが存在するとは限らない。
    5) ruffled borderの発育の程度はそれぞれのodontoclastによっても異なり, 同一の細胞でも部位によっても異なる。
    6) ruffled borderを構成するものは細胞突起と細胞膜の彎入であるが, ruffled borderの形態には, 細胞膜の彎入部が胞状形態を示すものと示さないものがある。1
    7) ruffled borderの細胞膜は辺縁部を除き, coated membraneで構成されている。またruffled borderの突起内細胞質には微細な粒子状構造物, filament構造物, tube状構造が観察される。
    8) ruffled border下の細胞質には他の部位に比べてvesicle, vacuole, lysosomeなどが総体的に多く, それらが相互に接着融合することも多い。
    9) , 象牙質吸収面に接するodontoclastのruffled border以外の細胞表面と, 象牙質吸収面から離れたodontoclastの表面構造とは, 基本的には同一の構造で比較的数多くの細胞突起が存在する。
    10) odontoclastが接する象牙質吸収面にはdemineralized collagenlまほとんど観察されず, 象牙質吸収時には有機質と無機質が同時に消失するものと思われる。
  • ―日本人各年代最大開口域と関連して―
    杉森 孝志
    1972 年 39 巻 2 号 p. 159-190
    発行日: 1972年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
    本研究は開口時, 顎関節下顎頭のhypermobility (過動性) の本態を明らかにするために, まず各年代の顎関節健常者男女572名の開口, 前方挺出および側方運動域の最大値を求め, この正常値に対して, 自動的ならびに他動的最大開口時の下顎頭の最大前方滑走運動域を顎関節規格撮影X線写真上に求め, これと習慣性脱臼患者7例の同運動域とを対比検討し, 脱臼症例の顎関節骨性構造の特徴を解明したものである。
    各下顎運動域の計測は著者の考案した3運動域測定器を用いて行なった。その結果, 9歳以下男児の他動的最大開口域は39.7±5.9mm, 女児では39.3±4.3mmであった。10歳代男性の自動的最大開口域は50.2±5.6mm, 他動的最大開口域は57.1±5.3mmであり, 同年代女性の自動的最大開口域は43.6±4.4mm, 同他動的最大開口域は49.2±6.0mmであった。また20歳代男性の自動的最大開口域は49.9±5.6, 他動的最大開口域は55.8±5.6mmであった。前方挺出運動域は10歳代男性7.8±2.0mm, 同女性5.3±1.8mm, 20歳代男性6.9±2.2mm, 同女性6.6±2.0mmであり, 側方運動域は10歳代男性右9.1±2.9mm, 左8.6±2.9mm, 同女性右8.0±2.6mm, 左7.8±2.4mmであった。20歳代男性右8.8±3.1mm, 左8.8±2.8mm, 同女性右8.6±1.4mm, 左8.6±1.6mmであった。
    本研究の主体をなす脱臼に関連した観察結果では, 顎関節健常者の自動的ならびに他動的最大開口時の下顎頭の位置は, 関節結節頂を原点とし, 側頭骨下顎窩後突起の最下端と関節結節頂とを結ぶ線を基準としたとき, 原点において基準線となす角12。より上へは越えなかった。これに対し習慣性脱臼症例ではその多くは, 脱臼時, 下顎頭頂が原点において基準線となす角12°を越えていた。また側頭骨頬骨突起基部下縁の規格写真上の陰影輪郭を比較すると, 顎関節健常者では低くなだらかであるのに対し, 脱臼症例ではいずれも高く, 急峻であった。さらに, 下顎窩の下顎窩後突起最下端一関節結節頂問距離に対する相対的深さは, 脱臼症例が有意性 (p=0.05) をもって健常者群のそれより深いという所見をえた。
    従って, 顎関節脱臼の原因は開口時, 下顎頭の過動性および関節結節前方の頬骨突起基部下縁の急峻な特異的な形態にあると推論した。
  • 向後 隆男
    1972 年 39 巻 2 号 p. 191-212
    発行日: 1972年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
    本論文は, 動物実験により歯原性腫瘍の成り立ちを追究する目的でN-nitrosomethylurea (NMU) をハムスターに投与し, 歯原性腫瘍の発生に至る過程について組織学的に検索し, また同時に歯肉部および日後部上皮の異常増殖についても検索した。
    実験動物には生後40日, 体重50~60gのゴールデン・ハムスターを用い, NMUを1mg/100g体重, 0.2%水溶液として週2回, 胃チューブで投与した。実験期間は10~355日で, 投与量は3~75.6mgである。
    実験期間1カ月以後から48匹中の42匹の動物で, とくに下顎切歯部に種々の程度の歯牙硬組織の形成異常と歯原性上皮の増殖性変化が認められたが, 変化は実験期間の長いもの程著明な傾向があった。エナメル質および象牙質のいずれにも種々の程度の形成異常が生じたが, とくに歯胚上皮のエナメル芽細胞への分化とエナメル質形成の障害は著しいものであった。更に著明な異常の見られた例では, 歯牙硬組織が歯槽内で全く消失していた。
    これら形成異常の生じた切歯部の舌側のみならず唇側歯根膜内には種々の形態および大きさの上皮細胞巣が多数見られ, 特に舌側歯根膜内の歯槽中央部から歯槽底部にかけて多かった。これら上皮細胞巣の数および大きさは, 歯牙硬組織の形成異常の程度が強いもの程増す傾向が明らかであった。明らかな歯源性腫瘍の発生は見られなかったが, エナメル上皮腫および歯牙腫の初期像を思わせるもの, また多くの歯原性角化嚢胞があった。
    臼歯部歯肉上皮の深部増殖は48例中32例に認められ, 上皮の増殖の程度は切歯部の形成異常が強く, 且つ実験期間の長いもの程著明な傾向があった。歯肉上皮の深部増殖が歯根膜内に止まっていたもの19例, 更に歯槽骨の骨髄腔にまで及んだものは13例で, このうち1例では顎骨部を広汎に侵し, 切歯の歯胚部にまで浸潤していた。日後部の粘膜上皮が筋層あるいは骨へ浸潤性に増殖したものは8例であった。これら増殖上皮巣は扁平上皮様性格が明らかで, 扁平上皮癌と見てよいものが少なくなかった。
    以上のように, 切歯の形成異常は, 歯原性上皮や臼歯歯肉部上皮の増殖性変化の発現状態とも合せて考えると, 上皮性要素が特に強く影響される結果生じるものと考えられる。切歯歯根膜部に見られた上皮細胞巣の由来については, 歯胚部上皮の病的な増殖を来たしたもので, 既存の上皮遺残とは余り関係がないように思われる。歯肉上皮の増殖性変化は主として遊離歯肉に相当する部分から始まり, しかも内縁上皮部からの増殖開始を思わせるものも少なくなかった。
  • 小川 邦彦
    1972 年 39 巻 2 号 p. 213-229
    発行日: 1972年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
    咀嚼筋に対し, 誘発筋電図法の適用を検討するために, 健康成人男子20名を対象として・まず咬筋について解析を行なったところ以下の結論を得た。
    1.随意収縮法, 刺激方法などの工夫により, 安静時には潜時約1.9msecのM波が, 最大随意収縮時には, さらに潜時約6.4msecのH波が導出できた。M波とH波の閾値の差は, 安静時にH波が容易に誘発される筋に比べて小さく, 閾値比 (H/M) は約0.88, 最大振幅比 (H/M) は約0.27であった。
    2.最大随意収縮時に電気刺激を加えると, M波に続いて咬筋EMGにsilent periodが発生した。その持続時間はmaximal stimulationにおいて刺激開始時より測定すると約28.5msecであった。
    3.被験者が安静状態にあるとき電気刺激を与えると, 咬筋の収縮にともなって下顎が上顎歯列弓と衝突し, 咬合音を発生する。この咬合音の潜時は20~30msecで, 刺激を5secごとに与えると, その潜時は約9.7msecの範囲で変動した。
  • 小野 毅
    1972 年 39 巻 2 号 p. 230
    発行日: 1972年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
  • 宮治 俊幸, 奥 征男
    1972 年 39 巻 2 号 p. 231
    発行日: 1972年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
  • 佐々木 哲
    1972 年 39 巻 2 号 p. 232
    発行日: 1972年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
  • 小椋 秀亮, 篠田 寿
    1972 年 39 巻 2 号 p. 233
    発行日: 1972年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
  • 増原 英一
    1972 年 39 巻 2 号 p. 234
    発行日: 1972年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
  • 中村 嘉男
    1972 年 39 巻 2 号 p. 235
    発行日: 1972年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
  • 佐々木 武仁
    1972 年 39 巻 2 号 p. 236
    発行日: 1972年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
  • 佐々 竜二
    1972 年 39 巻 2 号 p. 237
    発行日: 1972年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
  • 堀内 博
    1972 年 39 巻 2 号 p. 238
    発行日: 1972年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
  • 古屋 紀一
    1972 年 39 巻 2 号 p. 239
    発行日: 1972年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
  • 高橋 雄三
    1972 年 39 巻 2 号 p. 240
    発行日: 1972年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
  • 1972 年 39 巻 2 号 p. 246
    発行日: 1972年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
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