口腔病学会雑誌
Online ISSN : 1884-5185
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38 巻, 3 号
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  • 増原 英一, 中林 宣男, 熱田 充
    1971 年 38 巻 3 号 p. 287-293
    発行日: 1971年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
  • 藤田 浩, 才野 佑之
    1971 年 38 巻 3 号 p. 294-299
    発行日: 1971年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
    1) 120例のヒト骨髄血から48%にCorynebacterium liquefaciensが分離された。正常, 健康人の方ががん患者に比し, 高い分離率を示した。
    2) 本菌の骨髄血よりの分離成績は一部皮膚常在菌よりの汚染が否定できないが, 無菌的に剔出した肋骨骨髄からも本菌が分離されることより, 本菌はヒトの骨髄に保菌されていると考えられる。
    3) 本菌生菌をマウスに静注し, 菌の消長を検討すると, 投与後3日迄は各臓器に分布するが, 1~8週後一には骨髄, 肝, 脾等, 網内系臓器に長期間保菌される。
    4) 本菌に対する抗体を感作血球凝集反応により検討した。446例の測定結果から, がん患者は非がん患者よりも高く, その中でも, 直腸がん, 食道がん, 造血器腫瘍, 胃がん, 子宮がん患者に高く, 非がん群では関節炎, リンパ節や脾腫大のある患者に高い傾向を示した。
    5) ヒト骨髄よりの新鮮分離株のホルマリン死菌を用い, Sarcoma 180に対する抗腫瘍性が検討された。その結果, 皮下腫瘍に対して, 移植2日後, 本菌1mg以上, 腹腔内或は静脈内投与により約70%の阻止率を示した。腹水型に対しても, 本菌の投与は50%生存率を約2倍に延長する効果を有した。
  • 藤田 浩
    1971 年 38 巻 3 号 p. 300-305
    発行日: 1971年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
    β-lactamase抵抗性ペニシリン (methyl chlorophenyl isoxazolyl penicillinあるいはmethyl dichlorophenyl isoxazol ylpenicillin) と広スペクトルペニシリン (aminobenzyl penicillin) 或はセファロスポリンC (cephaloridine) との間の併用効果について, 之らの単剤或は合剤の最小発育阻止濃度, 2-dimensional dilution test, 増殖曲線, 発育阻止帯を検討し, 研究された。その結果, この薬剤の組合せは, 臨床的に分離れたグラム陰性杆菌 (E. coli, Kl. pneumoniae, Enterbacter, Ps. aeruginosa) に対し, 糊な協同作用を示すことが判明した。而し, グラム陽性球菌 (St.aureus, St. epidermidis, Enterococcus) に対してはその作用は著明ではなかった。これら薬剤の協同作用の作用機転について, 詳細な討論が加えられた。
  • 第3報外国製全部陶歯冠上顎中切歯の適応性について
    花村 典之, 野村 孝太郎, 川畑 博昭, 福島 俊士
    1971 年 38 巻 3 号 p. 306-314
    発行日: 1971年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
    全部陶歯冠が継続歯に応用されて久しく, そのうちでDavis冠と総称される陶歯冠は, 手軽に美しい補綴物を作るのに便利である。しかしその適用範囲は, 咬み合わせや, 歯牙の大きさなどでかなり制約を受ける。
    筆者らは以前に国産S社ポストクラウン陶歯について, 正常歯列の典型例とみられる15種の咬合矢状断面写真上で, その使用適用率を検索し, その欠点が基底結節及び, 維持装置の長さにあることを指摘した。
    今回は外国製D.S社の24種のポストクラウン陶歯中切歯の適合性を以前使用した15種の咬合模型を使って検討し, 国産陶歯との比較を行なった。
    その結果, 外国製は全体に適用率が高く, 国産陶歯は, 維持装置の位置及び基底結節の張り出し方を変えることにより, 適応性が高まることが判った。
  • 第4報外国製全部陶歯冠上顎犬歯の適応性について
    花村 典之, 野村 孝太郎, 川畑 博昭, 福島 俊士
    1971 年 38 巻 3 号 p. 315-323
    発行日: 1971年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
    全補綴物中で継続歯のしめる割合は本学に於いては18%以上で第3位をしめる程頻度高く使用されている。
    継続歯に使用されるポストクラウン陶歯の使い易さ, 又適用範囲を求めるため検索を行ない前報に於いては外国製のポストクラウン陶歯と国産陶歯との比較を中切歯について行なった。
    本報告では前報と同様な方法で, 犬歯についてその適用率を測定し, かつ国産陶歯との比較を行なった。
    その結果, 国産陶歯に比して外国製陶歯は維持装置の位置が頬側寄りで, 又基底結節が大きく張り出しており削合によっても陶歯の破折や維持力の不足を来たさないものが多く, かつ国産に比して3倍の種類により適用率が広がる。以上の結果から国産陶歯の改良すべき点を指摘した。
  • 渡辺 継男, 鷹森 健志郎, 堀川 高大, 野口 俊英, 石津 勉, 木下 四郎
    1971 年 38 巻 3 号 p. 324-332
    発行日: 1971年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
    強い炎症を伴う歯肉炎患者の口腔より, きわめて小さい鱗をつくるmycoplasmaが検出された。このmycoplasmaはureaを分解するが, glucose及びarginineを分解せず, thallium acetate (1: 1000) , erythromycin (0.5μg/ml) に対して感受性を示した。これらの性状から考えて, このmycoplasmaはT-mycoplasmaであると考えられる.このmycoplasmaは嫌雉で, 人及びモルモット血球に対して溶血性及び吸着性を示さなかった。
    口腔からのT-mycoplasmaの分離頻度は3.3% (30人中1人から) であった。
  • 他覚的障害について
    松木 教夫
    1971 年 38 巻 3 号 p. 333-362
    発行日: 1971年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
    補綴的処置に伴なう患者の音声の変化を聴覚的に検査する方法として, 国際音声記号を基本として, これに更に詳細な注を付すことによって音の歪等を忠実に表記する方法を試みた。
    検査用語は (1) 語音100個を全く任意の順番に配列したもの (R法) , (2) 語音100個を50音図の順に従って配列したもの (O法) , (3) 単語200個, (4) 文章1種類とした。
    検者は国際音声記号の表記法についてとくに訓練された3名の言語治療士で, 被検者の音声の録音を繰返し聴取してから表記を行ない, これを原表と照合して不正音について検討を行なった。
    全部床義歯患者38名について上記の方法で検査を行なったところ, 次のような結果が得られた。なお, 検査時期は, 語音の検査では, (1) 術前, (2) 義歯装着直後, (3) 義歯装着30日後の3時点, 単語及び文章の検査では (1) 術前, (2) 義歯装着30日後の2時点とした。
    また, 被検者を (1) 術前に旧全部床義歯を装着していた者 (経験者群) と (2) 義歯を使用せず無歯顎であった者 (未経験者群) の2群に分けて検討した。
    語音の検査における明瞭度 (正解音数率) を見ると, いずれの時点でもR法の方が0法よりも低い。また, 経験者群では明瞭度の変動は比較的少ないが, 未経験者群では術前の明瞭度が著明に低く, 義歯装着直後, 30日後に明瞭度は上昇し有意差が認められた。
    語音の検査における不正音を子音別にみると, R法では経験者群, 未経験者群ともに多くの子音に分散してみられたが, 0法では, 全体の不正音はR法の場合よりも少なく, 特定の時点, 音に集中してより多くの不正音がみられた。とくに未経験者群の術前で [s] , [dz] , [∫] , [t∫] , [d〓] に不正音が多かったが, 義歯装着後には急激に減少してゆく。
    子音の調音点別にまとめてみると, R法では全体に不正音がみられるが, 0法によると未経験者群の術前で, 歯音, 歯茎音の不正音が多く, 義歯装着後には著明に減少していた。硬口蓋音では, 義歯装着後に経験者群も未経験者群もほぼ同程度の不正音がみられた。また, 軟口蓋音では義歯装着直後に一時的に不正音が増加していた。
    単語を用いた検査では, 語音のO法より更に全体の不正音は少ないが, 未経験者群の術前では [s] , [ts] , [∫] , [t∫] などの限られた音に不正音がみられた。また, 子音の前後の音の調音点別の組合わせによる影響を検討したが一定の傾向はみられなかった。
    文章を用いた検査では, 単語の場合よりも更に全体の不正音は少なくなり, 特定の時点, 音に集中していた。また, 前後の音の種類による影響も認められなかった。
  • 大橋 泰子
    1971 年 38 巻 3 号 p. 363-374
    発行日: 1971年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
    人の口腔から分離されるMycoplasmaは大部分がM.salivariumとM.orale type 1であるが, これ等Mycoplasmaの口腔細菌叢に於ける役割, 或は口腔疾患との関係は非常に興味ある問題である。しかしこれ迄余り調べられていない。
    歯槽膿漏症とMycoplasmaの関係を調べる為, 臨床的に正常な歯肉を有する成人13人と歯槽膿漏患者30人に付, 常在するMycoplasmaの数, 菌種の同定並びに被検者血清のMycoplasmaに対する抗体価を検索して, 両者を比較検討した。
    健康人13人の内, 10人, 歯槽膿漏患者30人の内, 26人からMycoplasmaが検出された。そのcolony forming unit (CFU) は健康人5.0×102~8.9×103 (対数平均値3.0453±0.5326) , 歯槽膿漏患者8.6×102~5.9×104 (対数平均値3.9070±0.9811) で, CFUに於いて両者の間には危険率5%以下で統計学的に有意の差が認められた。
    各被検者から原則としてat randomに5株を分離して10代継代後菌株の同定を行なった。健康人10人から分離した49株の菌株の内, 4株が継代中にbacterial formに変異し, 7株が継代不能となった。残り38株の内20株 (53%) がM.salivarium, 18株 (47%) がM.orale type1で両者の比は約1: 1であった。
    これに対し歯槽膿漏患者30人から分離した140株の内, 10株が継代中にbacterial formに変異し, 5株が継代不能となった。残り125株の内, 102株 (80%) がM.salivarium, 23株 (20%) がM.orale type 1でありその比は約4: 1で, 歯槽膿漏患者では健康人に比べM.salivariumが著明に増加している事が認められた。各被検者から分離した5株のMycoplasmaについては, 全てがM.salivariumであった例が健康人で3例 (30%) , 歯槽膿漏患者で21例 (81%) であった。又M.orale type 1のみ分離された例は健康人で3例 (30%) , 歯槽膿漏患者で4例 (15%) であった。
    被検者血清の抗体価は間接血球凝集反応で健康人13人の内6例 (46%) , 歯槽膿漏患者30人の内17例 (57%) がM.salivariumに対して8~128倍の抗体価で反応した。M.orale type 1に対しては健康人では8倍以上の抗体価で反応したものは無かったが, 歯槽膿漏患者では3例 (10%) が8倍の抗体価を示した。補体結合反応では健康人ではM.salivarium, M.orale type 1に対して反応した血清はなかった。歯槽膿漏患者では9例 (30%) がM.salivariumと反応したが, M.orale type 1と反応した血清はなかった。
    所謂歯槽膿漏症では健康人に比べMycoplasma殊にM.salivariumが増加している。一方Mycoplasmaに対する血中抗体価についてはM.salivariumに対する抗体価が上昇しているように思われるが, まだ歯槽膿漏症と明らかな関連づけは出来ないように思う。
  • ―頭部X線規格写真による研究―
    関口 武司
    1971 年 38 巻 3 号 p. 375-390
    発行日: 1971年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
    日本人の唇顎口蓋裂患者の顎顔面頭蓋の形態を明らかにすることを目的として本研究に着手したが, 顎顔面の成長発育にはadolescent growth spurtが多大の影響を及ぼすといわれているために, 本研究ではそのgrowth spurtの起る前の患者を対照として検討した。
    被検者は片側性の唇顎口蓋裂を持ち, それのほぼ満足のゆく形成外科手術を受けている8歳より10歳にわたる30名であり, それらの顎顔面頭蓋の形態を側貌頭部X線規格写真を用いて, 非裂者のその形態と比較検討し, 次のような結論を得た。
    1.頭蓋基底の形態は, 被検者群と対照群との間に有意の差は認められなかった。従って, この年齢では, 片側性唇顎口蓋裂者の頭蓋基底部の形態は, 非裂者と差はないといえる。
    2.被検者群では, 上顎の前方限界を表わすA, ANSおよびORの前, 後頭蓋基底に対する位置は, 対照群と比べ著しく後方に位置していた。また, 上顎の後方限界を表わすPTMの両頭蓋底に対する位置は, 対照群に比べ後上方位にあった。しかし, 上顎骨の近遠心径を表わすPTM-AおよびPTM-ANSの各dimensionでは, 両群間に差は認められなかった。従って, 上顎はdeficiencyがある他に, 頭蓋基底に対して全体として後上方に偏位している。
    3.被検者群の下顎骨の形態は, 対照群と比べ, 下顎骨体長がやや長く, 下顎枝は短かく, 下顎の前歯部高は大きかったが, 顎角には差が無かった。しかし, 下顎骨の頭蓋基底に対する位置的関係は, 各計測点とも殆んど差はなかった。従って, 片側性唇顎口蓋裂患者の下顎骨は, 形態的には非裂者と異なる点もあるが, その中心咬合位での頭蓋基底に対する位置は, 非裂者と殆んど変らないといえよう。
    4.上下顎の前歯軸は共に著るしい舌側傾斜を示していた。しかし, 上下顎の第一大臼歯の頭蓋底に対する位置は両群間に差はなかった。また, 咬合平面の頭蓋基底に対する傾斜角にも差は認められなかった。
    5.上下顎の前後関係を示す角A-N-Bは, 被検者群では対照群に比べ (-) 方向に著しく大きかった。これはA点の後退によるものであって, B点の前方位によるものではなく, これは唇顎口蓋裂患者の特徴と思われる。
    6.今後adolescent growth spurt以後の時期の当該患者のその形態を研究し, 本研究の結果と比較することによって, adolescent growth spurtの影響を把握する必要がある。
  • 高木 実, 石川 梧朗
    1971 年 38 巻 3 号 p. 391-403
    発行日: 1971年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
    口腔粘膜原発の悪性黒色腫の自験例16例と1900~1970年の本邦における日本人についての報告例102例の計118例について総括した。日本人における症例と欧米人についての報告例を比較してみると, その年齢分布, 原発部位, 初発症状, 経過などの臨床像および腫瘍の組織像などの所見に関しては両者間に著明な差異は認められない。しかし男女比については日本人では性差が欧米人ほどは明らかでなかった。また口腔粘膜原発の悪性黒色腫の発現頻度については, 欧米人に比較して全悪性黒色腫の中で占める比率が高く, また報告例の数から推察して皮膚ににみられるものほど明瞭な人種的差異はないと考えられる。
  • 小林 英和
    1971 年 38 巻 3 号 p. 404-423
    発行日: 1971年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
    歯槽骨の欠損の違いによる骨の修復過程を検索するため, 6頭のカニクイザルの歯槽骨に水平性, 二壁性, 三壁性の骨欠損を形成し, その歯周組織を臨床的, X線的, 病理組織学的に観察した。
    手術創の治癒過程をみると, 術後1週では, 骨削除部にリンパ球を主体とする炎症性細胞が出現し, 削除部骨断端には多数の破骨細胞がみられた。術後2週になると, 削除部は幼若な肉芽組織によっておきかえられ, 上皮付着の新生がみられた。削除部骨断端では破骨細胞が減少し, 骨芽細胞が多数現われ類骨組織が形成された。3週以降になると, 削除部は線維組織でみたされ, 歯間水平靱帯は再現し, 上皮付着の再生は骨断端に付けた象牙質面のノッチまで達し, また, セメント質様物質の形成および削除した骨断端での骨の新生がみられた。6~8週になると組織学的には歯周組織の修復はほぼ終っていた。
    骨欠損の形の違いによる修復過程は次のようであった。
    水平性骨欠損例では, 術後3週迄は歯の動揺, 歯根膜腔の拡大, 白線の消失, 削除面における骨吸収などがみられたが, それ以降になると動揺の軽減, 白線の再現がみられた。術後6週以降では骨の新生添加により骨頂部が削除面よりやや歯冠側に位置している例もみられた。
    二壁性骨欠損例では, 2週になると削除部は線維性組織によって占められ, 上皮付着の再生や骨の新生がみられた。また, 術後4週以降, 骨新生は著明に認められ, 8週では骨頂部は削除した位置よりも歯冠側に達していた。
    三壁性骨欠損例では, 術後4週で削除部はほとんど新生骨によっておきかえられ, 骨頂部はほぼ削除前の位置に戻っていた。
  • 鈴木 暎
    1971 年 38 巻 3 号 p. 424
    発行日: 1971年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
  • 須田 立雄
    1971 年 38 巻 3 号 p. 425
    発行日: 1971年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
  • 中林 宣男, 三浦 不二夫, 吉井 修
    1971 年 38 巻 3 号 p. 426
    発行日: 1971年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
  • 2) 染色体異常の分類について
    須藤 文弘
    1971 年 38 巻 3 号 p. 427
    発行日: 1971年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
  • 北村 中也
    1971 年 38 巻 3 号 p. 428
    発行日: 1971年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
  • 木村 興雄
    1971 年 38 巻 3 号 p. 429
    発行日: 1971年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
  • 伊藤 昌男
    1971 年 38 巻 3 号 p. 430
    発行日: 1971年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
  • 長尾 正憲
    1971 年 38 巻 3 号 p. 431
    発行日: 1971年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
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