口腔病学会雑誌
Online ISSN : 1884-5185
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45 巻, 3 号
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  • 曾田 忠雄
    1978 年 45 巻 3 号 p. 397-407
    発行日: 1978年
    公開日: 2010/12/08
    ジャーナル フリー
  • ―1卵性双生児による比較研究―
    吉増 秀實
    1978 年 45 巻 3 号 p. 408-441
    発行日: 1978年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
    唇顎口蓋裂患者の顎顔面形態に対する環境的要因, 特に手術による影響を検索する目的で, 同胞のうち1児あるいは両児に唇顎口蓋裂のみられた双生児のうち, 性別, 血液型, ABH分泌型, 血清型による卵性診断の結果99.0%以上の確率で1卵性双生児と診断された6組の双生児を研究対象とし, 側方頭部X線規格写真および石膏模型について各種計測を行い, 同胞間で顎顔面形態, 歯列弓形態を比較検討し, 次の結果が得られた。
    1 (右側唇顎裂児/非患同胞) : 右側唇顎裂児は非患同胞と比較し, 顎顔面形態, 歯列弓形態ともに類似していた。2 (左側唇顎口蓋裂児/非患同胞) : 左側唇顎口蓋裂児は非患同胞と比較し, 上顎の発育不全, 上顎歯列弓の狭窄が認められた。また, 頭蓋基底部および下顎に同胞間でやや差がみられ, 全身発育の影響が考えられた。下顎歯列弓形態は同胞間で類似していた。3 (口蓋裂児/粘膜下口蓋裂児) : 既手術口蓋裂児は未手術の粘膜下口蓋裂同胞に比較して, 頭蓋基底部および上顎の前方発育は類似しており, 下顎は軽度下方に位置していた。また, 歯列弓については, 口蓋裂児の上顎長径がやや小さかったが, 上顎幅径および下顎各径は同胞間で類似していた。4 (右側唇顎口蓋裂児/両側唇顎口蓋裂児) : 両側唇顎口蓋裂児は右側唇顎口蓋裂同胞と比較し, 頭蓋基底部, 上顎の前方発育および下顎の形態は類似しているが, 口蓋平面が下方に位置し, 上顎中切歯の舌側傾斜, 下顎の後方回転が認められた。また, 歯列弓については, 両側唇顎口蓋裂児の上顎は, 長径は大きいが, 幅径は小さく, 下顎歯列弓形態には破裂に伴う上顎歯列弓形態の影響が認められた。5 (口蓋裂児/口蓋裂児) : 口蓋裂同胞間では, 頭蓋基底部の発育は類似していたが, 上顎および上顎歯列弓の発育にはやや差がみられ, 裂の程度や, 術者による差が考えられた。また, 下顎の形態および下顎歯列弓の発育は, 同胞間で類似しているが, 下顎の位置には差が認められた。6 (軟口蓋裂者/非患同胞) : 成人まで未手術の軟口蓋裂者は非患同胞と比較し, 頭蓋基底部, 上顎の発育, および下顎歯列弓形態は類似していたが, 上顎中切歯の舌側傾斜, 上顎歯列弓の狭窄, 下顎の後下方への回転, および形態の変化がみられ, 軟口蓋裂の晩期残存による影響が考えられた。
    以上の結果を総括すると, 唇顎裂例あるいは口蓋裂単独例においては, 術後の顎発育障害がほとんどみられなかったが, 唇顎口蓋裂例においては障害が認められた。このことから, 唇顎口蓋裂患者の顎顔面発育に対する手術の影響を左右する要因としては, 症例の裂型, 特に顎裂の程度が最も大きなものと考えられた。また, 成人まで未手術であった軟口蓋裂例においても下顎の形態および位置の異常が起こることが示唆された。
  • 伊藤 和雄
    1978 年 45 巻 3 号 p. 442-453
    発行日: 1978年
    公開日: 2010/12/08
    ジャーナル フリー
    コンポジットレジン充填にグレーズ材を塗布することの効果を検討するために, 抜去歯を用いた墨汁侵入試験と, 口腔内写真およびレプリカ法を用いた臨床試験を行い, 下記のような知見を得た。
    1.グレーズ材は, 窩縁を被覆している間は, 窩縁への漏洩を完全に防止するが, 磨耗によって窩縁が露出すると, このような窩縁にも漏洩が見られた。
    2.グレーズ材は, エナメル質およびコンポジットレジンから剥離脱落してステップを形成し, ここに高頻度に着色を生じた。
    3.グレーズ材はコンポジットレジンを被覆している間は, 修復物の表面粗さを改善するが, 剥離脱落すると, コンポジットレジンの粗造面が露出した。
    4.窩壁の酸蝕およびボンディングエージェントの塗布による漏洩防止効果は, 臨床的には永続しなかった。
  • 倉地 洋一
    1978 年 45 巻 3 号 p. 454-471
    発行日: 1978年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
    MethylmethacrylateとTri-n-butylborane (MMA-TBB) 系のレジンで作製した人工歯を犬の抜歯窩に嵌植する実験を行って, その臨床応用への問題点を検討した。人工歯は犬の抜去歯からreplica法により作製した。実験は歯根部のみを抜歯窩に埋没する第1実験と, 人工歯を抜歯窩に嵌植する第2実験の2種類で, 前者では3カ月間, 後者では5ヵ月間それぞれ経時的に組織学的に観察して, 次のような結果を得た。
    1.第1実験
    1) 成犬10匹の小臼歯の抜歯窩内に埋没した19歯根中, 18歯根は抜歯創内に埋没された状態で, 手術創は順調に治癒した。
    2) X線写真による観察では, 1ヵ月後には嵌植歯根と歯槽骨との境界が不明瞭になった。
    3) 組織学的観察では, 1週後より歯槽窩壁に新生骨小梁の形成がみられ, その後新生骨の増加と骨の改造が進行して, 3カ月後では人工歯根は菲薄な結合組織で被包されていた。なお, 部分的には骨組織と人工歯根とが直接接触しているような所見もあった。
    2.第2実験
    1) 成犬17匹の前歯部の抜歯窩に嵌植し, 3~5ヵ月間経過を観察した20人工歯中, 11歯は臨床的経過がおおむね良好であったが, 他の9歯の経過は不良で, 2歯は自然脱落した。
    2) 嵌植2週後までの組織学的所見は第1実験群のそれとほとんど同様であった。3~5ヵ月後のものでは, 人工歯の根部は比較的厚い線維性結合組織で被包されており, 線維の走向は歯根表面にほぼ平行であった。
    3) 臨床経過の良好なものでは歯肉内縁上皮の深行増殖は軽微であったが, 経過不良のものでは上皮の深行が著明で, 中等度以上の炎症性細胞浸潤がみられた。
  • 岸村 真澄
    1978 年 45 巻 3 号 p. 472-499
    発行日: 1978年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
    きわめて多様な臨床病態像を呈する口腔腫瘍組織の生物学的性状, とりわけその細胞動態の様相を明らかにする目的で, ヒト口腔腫瘍組織および同組織由来初代培養細胞の増殖の様相を3H-thymidine autoradiographyを用いて各症例ごとに比較検討した。
    研究材料は東京医科歯科大学口腔外科を受診した口蓋裂患者7症例の裂縁部粘膜を対照とし腫瘍患者31症例の手術摘出物および試験切除片より得た。腫瘍症例の内訳はエナメル上皮腫5例, 多形性腺腫5例, 粘表皮腫3例, 扁平上皮癌18例であった。なお切除組織およびその由来初代培養細胞とも増殖能の指標としてDNA標識細胞指数 (LI) , 分裂細胞指数 (MI) を算定した。
    扁平上皮癌を除く各種口腔腫瘍群においては, 全例とも細胞の遊出を認め, エナメル上皮腫の一部の症例を除き, 各症例とも口蓋裂縁部粘膜上皮と同様に切除組織に比し, 培養細胞のLI, MIは高度に増加し, 特に粘表皮腫においては今回検索した症例中最も高度な増加を示した。また組織学的に悪性度の高い組織型ほど, その増加の様相は症例間で大きな差異を示した。
    一方, 扁平上皮癌においては18例中10例にのみ細胞遊出を認め, 遊出を認めなかった症例はいずれも切除組織のMIは0.8%以下で, 遊出を認めた症例では, 症例により, その増加の様相に著しい差異を呈するが, 切除組織のLI, MIがもともと高値を示すため, その増加は他の組織型に比較し, 軽度にとどまる症例が多いのが本腫瘍の特徴であった。
  • 安田 登, 佐々木 三男, 茂木 知治
    1978 年 45 巻 3 号 p. 500-501
    発行日: 1978年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
  • 中村 正, 坂巻 公男
    1978 年 45 巻 3 号 p. 502-503
    発行日: 1978年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
  • 浅田 洸一
    1978 年 45 巻 3 号 p. 504-505
    発行日: 1978年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
  • 三間 清行
    1978 年 45 巻 3 号 p. 506-507
    発行日: 1978年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
  • 山田 庄司
    1978 年 45 巻 3 号 p. 508-509
    発行日: 1978年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
  • 石川 梧朗
    1978 年 45 巻 3 号 p. 510
    発行日: 1978年
    公開日: 2010/12/08
    ジャーナル フリー
  • 中村 嘉男
    1978 年 45 巻 3 号 p. 511-512
    発行日: 1978年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
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