口腔病学会雑誌
Online ISSN : 1884-5185
Print ISSN : 0300-9149
44 巻, 3 号
選択された号の論文の17件中1~17を表示しています
  • 大井田 新一郎, 佐々木 哲
    1977 年 44 巻 3 号 p. 141-149
    発行日: 1977年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
  • 横尾 恵美子
    1977 年 44 巻 3 号 p. 150-179
    発行日: 1977年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
    きわめて多様な像を示す唾液腺腫瘍の生物学的性状を把握するために.増殖細胞を選択的に検索できる初代培養法を用い, 組織化学的ならびに電子顕微鏡的観察を行った。
    研究材料は東京医科歯科大学口腔外科を受診した唾液腺腫瘍患者19症例で, そのうち.多形性腺腫14例, 粘表皮腫3例, 腺様嚢胞癌2例の試験切除片および手術摘出物より得た。培養法は直接カバーグラス法に準じ, カバーグラスおよびスライドグラスを用い, 培養液は20%仔牛血清を添加したEagle MEMニッサンを用い, 37℃のCO2培養器にて行った。
    多形性腺腫由来培養細胞の遊出は比較的緩慢で, 類円形ないし紡錘形の細胞が主体をなし, 組織化学的にはin vivoと同様LDH, SDH, MDH, Ac-pの活性が認められ, Al-p陽性細胞も散見された。細胞質および細胞間質にPAS陽性物質が散見され, 粘液分泌能を有する細胞も認められたが, 酸性ムコ多糖はほとんど認められなかった。大部分の遊出細胞にトノフィラメントが認められたが.その量および集束状態は細胞により差があった。トノフィラメントと同時に分泌顆粒を有する細胞も混在していた。
    粘表皮腫由来培養細胞は上皮様細胞の活発な増殖を示し, 主に扁平上皮様細胞からなるが, 粘液細胞やいわゆる中間細胞も散見された。
    腺様嚢胞癌由来培養細胞は, 増殖は緩慢であったが, 細胞の配列は不規則で, 細胞間腟は著しく拡張していた。遊出細胞の電顕所見では, 核が大きく, 細胞内小器官の発達が悪いものが多かった。また多形性腺腫同様, Al-p陽性細胞が散見された。
    唾液腺腫瘍由来初代培養細胞は, 組織化学的にも, 電顕的にも, 母組織の性状を比較的よく保持しつつ, 各組織型および症例に応じ多彩な像を呈していた。多形性腺腫では, 扁平上皮様細胞ないし扁平上皮と腺上皮の両者の性格を有する細胞が, 粘表皮腫では扁平上皮様細胞ないしいわゆる中間細胞が, 腺様嚢胞癌では未分化な上皮様細胞が増殖の主体をなすものと推定された。
  • 山本 悦秀, 佐藤 建夫, 山本 康一, 清水 正嗣
    1977 年 44 巻 3 号 p. 180-186
    発行日: 1977年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
    われわれは日常臨床で比較的しばしば遭遇する, いわゆる義歯性線維腫の臨床病態像を明らかにする目的で本研究を行った。対象症例は1966年1月より1976年12月までの11年間に東京医科歯科大学歯学部付属病院第1口腔外科を受診した義歯性線維腫40例である。
    結果: 40例の年齢は50~60歳代を中心に32~81歳に分布し, 性別では男性7例に対し, 女性33例であった。当該顎に装用せる義歯の種類は総義歯36個, 局部床義歯4個で, これらの装着期間は2~30年, 平均7年であった。患者の自覚症状の大部分は無痛性腫瘤であったが, 義歯装着より症状自覚までの期間は, 2年以内, 3~4年および5年以上が各々ほぼ均等に認められた。腫瘤の形状は弁状型, 分葉型, 腫瘤型の3型に分類され, 各々30, 7, 3例であった。その発生部位は大部分が上下顎前歯部の歯肉唇移行部で, 他に舌側口底移行部, 歯槽部にも認めた。腫瘤の形状と症状自覚までの期間とを比較すると, 腫瘤型では比較的短期間内に発生し, 分葉型では長期間経過後に発生する傾向にあった。弁状型では, その期間は多様であった。
    これらの腫瘤はすべて手術的に切除され, いずれも経過良好であった。
  • 第2報: 臨床的な形態の鋳造体の変形について
    五十嵐 正晴
    1977 年 44 巻 3 号 p. 187-195
    発行日: 1977年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
    歯科用ニッケルクローム合金を用いて各種鋳造体を作製した時の変形を検討する目的をもって, リン酸塩系のセラミゴールド埋没材の専用練和液を水で希釈した時の埋没材の性質の変化を調べた後, それによって作られた臨床的形態の鋳造修復物を原窩洞に合着し, 生じたセメント被膜の厚さにより変形度を調べ, また参考として合金の棒状試片による鋳造収縮を測定し, 次のような知見を得た。
    (1) セラミゴールド埋没材の専用練和液を10%および20%の水を加えて希釈すると, 凝結膨張・加熱膨張および圧縮強さが減少したが, 凝結時の温度上昇は明らかな変化を示さなかった。
    (2) 原窩洞に合着した全部鋳造冠やMODインレーの側壁部のセメント厚さは, すべて上部よりも下部の方が大きく, 開脚変形を示しており, その程度は10%希釈液で練和した時の方が大きかった。
    (3) 1級インレーでも側壁上部よりも側壁下部のセメント厚さが大きかったが, その差は練和液を希釈しても変化しなかった。
    (4) 使用したニッケルクローム合金の棒状試片の鋳造収縮は2.48 (±0.16) %であった。
  • 川口 洋
    1977 年 44 巻 3 号 p. 196-216
    発行日: 1977年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
    歯の通電術式に関して電極や装置の検討を行い, 歯と歯周組織に所定の正しい電気的な条件を与えるとき, 電極や装置に介在する諸問題について, 基本的な解決策を示した。
    要点を列挙すると,
    1) 生体組織の計測に関して直流から高い周波数まで測定することの利点を述べ, これを可能にする電極を考案作製した。またこの電極を用いれば組織に加わる正しい電圧を測ることが可能であった。
    2) この電極と半導体装置との組み合わせで, 性能の高い生体用定電圧電源を実現した。同様にして理想的に生体を接地する装置を実現した。
    3) 組織表面に沿って流れる漏洩電流の対策として複数電極を用いる静電的な方法を検討した。そして半導体装置との組み合わせで, 複数電極間の電圧を一定の関係に追随動作させるVoltage-followup電極を実現した。この静電的手法は漏洩対策だけでなく, 組織内の電流や電界の分布に有効な影響を与え得ることを述べ実測結果を考察した。
    4) 歯に直流通電を行ったとき, 神経の応答は神経を含む歯髄と象牙質表面で測定される電圧の大きさに依存しているようである。この電圧 (電界) と電気麻酔とを関連づけることにより実りある相互関係が得られるであろうことを示唆した。
  • 第1編単発病変について
    迫田 由紀子
    1977 年 44 巻 3 号 p. 217-235
    発行日: 1977年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
    顎骨のfibro-osseouslesionは発生部位の数により単発性と多発性に分けられるが, 自験例は単発性156例, 多発性25例からなる。本稿 (第1編) では単発病変について検索した結果: を記載する。単発病変の組織分類はセメント芽細胞腫6例, 骨芽細胞腫5例, セメント質形成線維腫17例, 化骨性線維腫11例, 根尖性セメント質異形成症14例, 線維性骨異形成症49例, セメント質の塊状増殖からなりいわゆるセメント質腫としたもの47例, 根尖部に限局した病変で組織学的には線維性骨異形成症の像を示したもの1例, 従来の診断名には合致しなかったもの6例である。顎骨のセメント芽細胞腫, 骨芽細胞腫はともに比較的稀な疾患とされ報告例も少ないが, 自験例中ではそれ程少なくなかった。セメント質形成線維腫および化骨性線維腫は歯根膜由来の腫瘍性病変で, ほぼ同様の病像を示す。この2つの疾患は真の腫瘍と考えたが, 本態についてはさらに検討を要する。根尖性セメント質異形成症とした症例は欧米での報告例と同一疾患かどうかの比較検討が必要である。線維性骨異形成症の所見は従来の報告例と同様であり, 層板骨の形成もみられた。いわゆるセメント質腫としたものはセメント質病変の中では頻度の高いものであるが, 根尖性セメント質異形成症の成熟像か, 独立疾患か不明であった。偏光顕微鏡は鑑別診断に有用であるが, 絶対的ではなかった。
  • 野田 和稔
    1977 年 44 巻 3 号 p. 236-252
    発行日: 1977年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
    根尖の病巣の治癒過程を口内法X線写真により追跡し, 病態の変化を定量的に把握するために, 口内法規格X線写真撮影に関する基礎的事項にっいて検討し, 臨床応用を目的として実験を行った。使用した装置は, 本多D-60-5歯科用X線装置で, 物理的条件, 幾何学的な撮影条件は, 管電圧60kVp, 半価層1.8mmAl, 管電流10mA, 焦点フィルム間距離34.5cmで, 照射野は, 直径17cmとした。使用したフィルムは, フジKX, X線フィルムで, 現像液にはハイレンドール, 定着液にハイレンフィックスを用いた。実験用ファントームとして石膏階段の模型を用いて行った結果では, 石膏階段 (歯槽骨) と石膏階段に穿った穴 (根尖病巣) との写真濃度および両者の間の写真コントラストは, 照射時間と石膏階段の厚さによって変化を生じた。また, 口内法においては, X線の物理条件 (管電圧, 管電流) は固定されており, 幾何学的条件も, 口外法に比べてかなり再現性は高い。それ故, 根尖病巣のフィルム濃度は, 口内法においては露出時間と患部の状態によって左右される。
    以上の結果をもとに, 同一患者で同一部位を照射時間のみを変えて撮影したフィルムの濃度と病巣の大きさについて測定した結果, 濃度は照射時間が変わることによって変化しても, 病巣の大きさには, 変化が少なく, 病巣の経過を観察する時は, 濃度によってではなく, 病巣の大きさを観察した方が妥当と考えられた。
  • 浅田 洸一, 清水 正嗣, 石橋 克禮, 上野 正
    1977 年 44 巻 3 号 p. 253-256
    発行日: 1977年
    公開日: 2010/12/08
    ジャーナル フリー
  • 小椋 秀亮, 加藤 有三, 山田 庄司
    1977 年 44 巻 3 号 p. 257-266
    発行日: 1977年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
  • 三浦 不二夫, 近藤 勝義
    1977 年 44 巻 3 号 p. 267-272
    発行日: 1977年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
  • 栗原 三郎
    1977 年 44 巻 3 号 p. 273
    発行日: 1977年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
  • 伊藤 弘通, 海野 雅浩, 久保田 康耶
    1977 年 44 巻 3 号 p. 274
    発行日: 1977年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
  • 漢那 強
    1977 年 44 巻 3 号 p. 275
    発行日: 1977年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
  • 五十嵐 順正
    1977 年 44 巻 3 号 p. 276
    発行日: 1977年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
  • 高木 実
    1977 年 44 巻 3 号 p. 277
    発行日: 1977年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
  • 佐藤 信義, 斎藤 祐一
    1977 年 44 巻 3 号 p. 278
    発行日: 1977年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
  • 窪田 金次郎, 柵木 利昭, 佐藤 彌四郎
    1977 年 44 巻 3 号 p. 279
    発行日: 1977年
    公開日: 2010/10/08
    ジャーナル フリー
feedback
Top