日本セラミックス協会 年会・秋季シンポジウム 講演予稿集
第17回秋季シンポジウム
選択された号の論文の681件中301~350を表示しています
  • 足立 修一郎, 西尾 圭史, 安盛 敦雄
    セッションID: 2M02
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
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    自動車の排気ガスを浄化し、大気汚染や地球温暖化の抑制をさらに進めるためには、ガソリンやディーゼルエンジンに用いられる酸素センサの小型化、高速応答性、高精度を実現することが求められている。本研究では、酸化物高温融液の相分離現象を用いて作製した多孔質酸化物半導体を抵抗型酸素センサに応用させることを目的とした。半導体として、酸素分圧により抵抗率の変化を示し、また高温でSiO2との不混和領域を有するCeO2に着目した。さらに分相組織の微細化と試料の均質化をもたらすAl2O3を第3成分として添加した。得られたCeO2-Al2O3-SiO2系試料の分相状態および結晶化状態を調べるとともに、電気伝導度の酸素分圧依存性についての調査、検討を行った。
  • 岡元 智一郎, 傳井 美史, 高田 雅介
    セッションID: 2M03
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
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    我々は、GdBa2Cu3O7-δセラミックス線材に、ある値以上の電圧を印加すると線材の一部分が赤熱する現象を見出し、これをホットスポット現象と名付けた。本現象は酸素センサへの応用が期待される。しかし、この酸素センサを実用化する上で、ホットスポット部分での線材の溶断が問題となっている。最近、高融点材料を用いてGdBa2Cu3O7-δの複合化を行うことにより線材の溶断を抑制できることがわかってきた。本研究ではGdBa2Cu3O7-δ基複合セラミックスに発生するホットスポット内部での微細構造と組成の変化から、本酸素センサの破壊メカニズムについて考察する。
  • 鈴木 玄, 木村 禎一, 後藤 孝
    セッションID: 2M04
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
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    Ru(dpm)3を原料とするMOCVD法によってRu-Cナノコンポジット電極を合成した。酸素分圧90_から_150 Paでは金属Ruと非晶質Cからなる膜が生成し、直径10_から_20 nmの球状粒子が非晶質C中に分散している様子が観察された。焼結体基板上にこれらのナノコンポジット膜を合成し、電極特性を評価した。その結果、電極/YSZ界面の電気伝導度は従来のペースト法によるPt電極よりも3桁高い値となった。また、Ru-Cナノコンポジット電極とYSZから構成される酸素ガス濃淡セルを作製し、酸素センサー特性を評価した結果、473 Kでも酸素濃度の変化に追従する起電力変化がみられ、低温作動酸素センサー用電極として優れた特性を示すことがわかった。
  • 今井 宏明, 仰木 浩俊 , 前田 峻宏, 藤原 忍
    セッションID: 2M05
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
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    60℃のスズ(II)イオン水溶液から結晶性のナノグレインおよびナノシートにより構成される多孔質二酸化スズ粒子を作製した。一次・二次粒子の形態は原料濃度とpHの調整によって制御された。ナノグレインから構成される球状多孔質粒子では150℃の水熱処理によって比表面積は240m2/gまで増加し、耐熱性も向上した。また、尿素を加えることでガラス基板上での不均一核生成を誘起し、ナノグレインおよびナノシートから構成される多孔質二酸化スズ膜を作製することが可能であった。
  • 藤原 忍, 前田 峻宏, 仰木 浩俊, 今井 宏明
    セッションID: 2M06
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
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     固体ガスセンサ材料として利用されるSnO2をナノ粒子化すると、そのセンサ特性が向上することが多く報告されている。ナノ粒子そのものは化学溶液法や気相法によって合成することが可能であるが、これをデバイス化する際には電極基板上に400_から_500℃の温度で焼き付ける必要があり、また、実際のセンサ稼働温度も400℃付近と高温である。こうした加熱過程は、ナノ粒子の成長および焼結、さらに比表面積の大幅な減少を引き起こし、実際には期待されるほどの特性向上は望めない。本研究では、これらの加熱過程を経た後でも、粒子径が5_から_7nm、比表面積が110m2/g以上、さらに3_から_4nm付近に狭い細孔径分布を有するメソ多孔質SnO2ナノ粒子の合成法を開発することに成功した。
  • 松嶋 雄太, 山崎 務, 前田 和之, 鈴木 健之
    セッションID: 2M07
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
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    本研究では、塩化スズ(II)-エタノール溶液を原料として静電噴霧法で作製した酸化スズ微粒子層のガスセンサ特性について報告する。特に検知ガスの存在下において、センサ素子の動作温度を変化させることによる動的応答を利用したガス識別を試みる。
  • 白幡 直人, 穂積 篤
    セッションID: 2M08
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
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    ポリマー基板上へ密着性良く高機能性金属酸化物を微細構造化するためのプロセス開発を有機シラン系分子膜テンプレートを用いた水溶液プロセスにより実現した。予め、オキサイドナノスキン層を被覆したポリイミド基板上に、有機シラン分子膜テンプレートを形成した。膜の堆積は0.05 Mの塩化スズ(II)水溶液中、65℃で行った。微細構造化は溶液リソグラフィーによって行った。オキサイドナノスキンをバッファー層に用いることにより、酸化スズ前駆体膜とポリマー界面の密着性は著しく向上した。また、酸化物の膜厚を任意の膜厚(数nm~1mm)で、高解像度に微細加工できることが明らかとなった。
  • 戸田 健司, 櫻庭 大樹, 上松 和義, 佐藤 峰夫
    セッションID: 2M09
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
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    mechanoluminescence(ML)、triboluminescence(TL)は物質に応力や摩擦などのエネルギーを加えることで発光を示す現象であり、破壊センサーなどへの応用が期待されている。本研究ではコロンバイト構造をとり、発光材料、誘電体合成の前駆体として用いられているMNb2O6(M = Ca, Mg)においてTLを確認し、発光イオンとして希土類などを付活することでTL発光色の制御が可能であることを明らかにした。
  • ラジャゴバラン ラマセシャン, 関野 徹, 河原 宏太郎, 浜橋 喜幸, 岡本 吉久, 西田 弘, 山本 泰生, 新原 晧一
    セッションID: 2M10
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
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    無機導電物質と無機ナノ粒子をエラストマーマトリックスへハイブリッド複合化する事により、印荷圧力により電気抵抗が変化する感圧センサを創製した。導電相および強化相の分散料をパーコレーション制御すると共に異方構造を最適化することで、広い荷重範囲で繰り返しセンシング再現性や力学的特性に優れたナノコンポジットセンサを得た。プロセス、微細構造およびパフォーマンスについて発表する。
  • 岸本 昭, 牟田口 大介, 林 秀考, 沼田 喜光
    セッションID: 2M11
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
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    我々は既にイットリアおよびアルミナを添加し液相焼結させた炭化珪素セラミックスが500℃以上の高温で顕著な歪み抵抗効果を示すことを明らかにしている。本研究では、添加物として_III_族元素であるホウ素、アルミニウム、ガリウム、_V_族元素として窒素を添加し歪み抵抗効果を測定した。添加物量を変化させても同等の相対密度が得られるようにHIPにより試料を作製した。また、窒素添加においてもHIPを用い窒素処理圧力を変化させることにより添加量を制御した。_V_族元素に比べ_III_族元素を添加したp型半導体の方が感度が高く、何れの場合でも固溶量の増加と共にピエゾ抵抗係数が向上することが分かった。
  • 浅井 満, 牧野 浩明, 田島 伸, 本間 隆彦, 鷹取 一雅
    セッションID: 2M12
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
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    力学量(荷重,歪,圧力)検知機能を有しかつ構造部材として使用できるセンサ材料の創製を目的として,ジルコニアをマトリックスとして,圧力抵抗効果を有する酸化物セラミックス(La,Sr)MnO3を分散させた複合材料の開発を進めている.本報告では,絶縁層/センサ層/絶縁層の3層センサ素子を一体焼結する製造方法を検討した.その結果,絶縁層にLSMOを電気伝導度が出ない範囲内で添加し,絶縁層とセンサ層の収縮率を近づけることによって,抵抗値,温度特性のばらつきの小さい一体焼結素子を得た.
  • 土屋 哲男, 吉武 務, 久保 佳実, 山口 巌, 真部 高明, 熊谷 俊弥, 水田 進
    セッションID: 2M13
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
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    赤外線センサは、近年、電子・電気機器、自動車、鉄道等民生用としてのニーズが高まってきている。ペロブスカイとマンガン酸化物は、現在用いられている材料に比べて抵抗温度係数(TCR)が3~5%と高いため、赤外線センサへの応用が期待されている。しかしながらペロブスカイとマンガン酸化物膜の作製には、通常700℃以上の熱処理が必要であることに加えて微細加工が困難である問題がある。このような問題を解決するために、低温かつパターニングが可能である塗布レーザー光分解法による金属酸化物膜低温成長法の開発を行った。その結果、500℃の低温で、TCR=4%のLSMO膜の作製に成功した。
  • 三好 紀武, 中村 吉伸, 藤原 宏平, 保田 周一郎, 松本 亮, 高木 英典
    セッションID: 2M14
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
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    尿素均一沈殿法により作製した微粉原料により、組織の異なるCrドープV2O3セラミックスを作製し、そのPTCR特性、温度センシング特性を評価した。CrドープV2O3は単結晶試料においてはPTCR特性の起原である高温側の金属-絶縁体転移点付近における抵抗ジャンプ幅はせいぜい2桁であったが、粒界層を高密度に導入した上で高密度化した試料においては、そのジャンプ幅は3桁を越えた。高密度・微小粒径のV2O3セラミックスがとくに優れたPTCR特性を示すが、さらに焼結体組織の制御により、降温過程の絶縁体-金属転移温度を変えることなく、昇温過程における金属から絶縁体への転移温度のみを独立に変化させることが可能であることが示された。
  • 木戸 博康, 高橋 雅也, 谷 淳一, 川原 昭彦
    セッションID: 2M15
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
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    ケイ化鉄は、中高温用の熱電材料として注目されているが、熱起電力が熱電対に比べて数十倍大きく高感度の温度センサとしても期待できる。本研究では、ケイ化鉄を自己燃焼合成法により、大気中で経済的に製造する技術を開発するとともに、転写印刷法により厚膜温度センサ化する技術を開発した。転写紙を用いることにより、薄く嵩張らず、保存性も良く経済的であり、また、平面だけでなく曲面などにも温度センサを作ることが容易になった。
  • キャリド アルアメリ, 難波 典之, 山崎 貴, 金子 文隆
    セッションID: 2M16
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
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    自己温度制御形湿度センサは温度補正回路を必要としないセンサである。クロム酸鉛(PbCrO4)に酸化鉄(Fe2O3)を0.3 mol組み合わせることで自己温度制御形湿度センサとしての可能性を示す素子が得られることをこれまでに報告してきている。この素子の実用化には信頼性の向上を必要とする。安定な特性を持つ信頼性の高い素子を得ることを目的に今回の研究を行った。電極材料に金及び白金を使うことで熱処理条件を大幅に変えることができた。結果として、望ましい特性の素子が得られた。
  • 吉門 進三, 脇坂 憲一
    セッションID: 2M17
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
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    薄膜発熱体は,開発されて間もないことから,その応用の分野は未だほとんどないといってよい.しかしながら,急速な昇降温が可能であること,投入電力密度が大きいこと,局部加熱が可能なことなどからセンサ等,将来応用分野が広がると考えられる.本講演では,主にLaCrO3(ランタンクロマイト)薄膜発熱体について述べる.LaCrO3は融点が約2490℃と非常に高く,高温の酸化雰囲気中でも化学的な安定性に優れる。また,CaやSrなどのアルカリ土類金属などを不純物として置換すると導電性が飛躍的に増加する.そのため,室温から通電可能なバルク抵抗発熱体材料などに利用されている。しかしLaCrO3は難焼結体であり,一般に非金属発熱体は製造時の成型が困難であり,一定の形状のものしか得られないことが多い.本研究では,LaCrO3をRFマグネトロンスパッタリング装置を用いて直接薄膜化することでそれらの材質の欠点を改善することが可能であると考え,基板上に堆積させた薄膜および作製した発熱体の発熱特性などを評価した.特に高純度アルミナ基板を用いて作製した薄膜発熱体は直流通電の場合においても発熱の均一性およびその発熱温度の安定性が非常に優れており,1300℃程度まで長時間使用可能であることがわかった.
  • 越智 篤, 森 透, 岡本 章, 中村 靖之, 島川 祐一, 久保 佳実, 太刀川 純孝, 大西 晃
    セッションID: 2M18
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
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    ペロブスカイト材料であるLa1-xSrxMnO3材料を用い、全く新しい熱制御デバイスである熱放射率可変素子を開発し、宇宙衛星への搭載、実用化を行った。採用した材料は室温付近に相転移点(Tc)を有し、低温側では強磁性金属、高温側では常磁性絶縁体である。開発した素子は厚さ約70μmの薄型軽量のセラミックスタイル状。温度上昇に伴って半球熱放射率が0.35から0.75まで電気的あるいは機械的制御なしに自動的に変化し、衛星内部の温度制御を行う。現在、本素子は小惑星探査機(MUSES-C「はやぶさ」)に搭載され宇宙軌道上で実用評価中である。
  • 吉高神 力, 安盛 敦雄, 小西 智也, 末原 茂, 轟 眞市, 井上 悟
    セッションID: 2E01
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
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    本研究では、有害鉛成分の環境への分散による問題から、鉛を含まない低融点ガラスの探索を目的として、新規低融点ガラスの可能性のあるテルル酸塩ガラスの研究を行った。試料の合成には大幅な効率化を図るために、自動バッチ調合装置や並列ルツボ溶融炉を用いて行った。また、試料を作製するにあたり、大気中での合成の他に、ガラス成分の酸化を防ぐために窒素雰囲気で行った。合成した試料はガラス化範囲を決定するとともに、個々のガラス転移点および熱膨張率を測定した。その結果、鉛含有低融点ガラスの代用の可能性として期待できるガラスを発見した。
  • 小西 智也, 吉高神 力, 安盛 敦雄, 末原 茂, 轟 眞市, 井上 悟
    セッションID: 2E02
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
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    鉛を含まない低融点ガラスを探索することを目的とし、B3O3-TeO2-[xBaF2/(100-x)BaO] 3元系におけるガラス化範囲を決定するとともに、個々のガラスの軟化点および熱膨張率を測定した。試料の合成には、自動パッチ調合装置や並列坩堝ガラス溶融炉を用いた。ガラス化した組成における軟化点は約450_から_470℃、熱膨張率は115-140 x 10-7 / ℃であった。これらの値は現在広く使われている鉛含有低融点ガラスに匹敵することがわかった。また、BaOをBaF2で置換していくことにより、軟化点を効果的に下げることが可能であった。
  • 高橋 基, 森 利之, ビヌー アジャヤン, 小林 秀彦, ドレナン ジョン, 西村 睦
    セッションID: 2E03
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
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    高分子型燃料電池は、水素を用いたクリーンで、高い発電効率を示すことから次世代の発電システムとして期待されている。一方、高性能な高分子型燃料電池を作製する為には、ナノ構造に特徴を持つ電極の作製が必要である。本研究では、ソフト化学的合成手法を用い、ナノPt-CeO2粒子/カーボン複合材料を作製した。本合成手法を用いることで、Pt-CeO2の形態制御が可能であった。そこで、その粒子形態の影響による、電極の電気化学的特性について検討した。粒径と粒子形態は走査型電子顕微鏡(SEM)と透過型電子顕微鏡(TEM)で観察し、電気化学的特性はサイクリックボルタンメトリーを用いて調べ、その結果について報告する。
  • 森 利之, ドレナン ジョン, ワン ヤ-ロン, 小林 智昭, 高橋 基, リー ジグアン
    セッションID: 2E04
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
    会議録・要旨集 フリー
    炭酸アンモニウム共沈法により、易焼結性SmxCe1-xO2-y(x=0.10-0.25)ナノ粉末を合成した。合成した前駆体粉末は、700℃,2hの条件で酸素ガス流通下において仮焼することで、固溶体粉末を作製した。こうして得られた粉末を用いて常圧焼結法により、高密度焼結体を作製し、焼結体中の微細構造を透過型電子顕微鏡により観察した。その結果、ドーパントの量が多くなるに従い、粒内には蛍石構造ではない秩序構造を有するマイクロドメインが多く現れるようになり、導電率を低下させる傾向にあることが分かった。制限視野電子線回折試験の結果、マイクロドメインは、歪んだパイロクロア構造又はその関連構造であり、こうしたナノヘテロ構造がイオン伝導特性に大きな影響を与えているものと考察した。
  • 小林 智昭, 森 利之, ワン ヤーロン, ドレナン ジョン, 西村 聡之, 小林 秀彦
    セッションID: 2E05
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
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    炭酸アンモニウム共沈法により、易焼結性DyxCe1-xO2-δ(x=0.10-0.25)ナノ粉末を合成した。合成した前駆体粉末を700℃,2hの条件で仮焼することにより、固溶体粉末を生成した。本研究では、通電焼結法(SPS法)と常圧焼結法(CS法)を組み合わせた焼結法を用いて、ナノサイズの粒径を有する高密度焼結体を作製した。SPS法を用いて500℃/minの昇温速度で1200℃まで昇温して予備焼結を行った後、さらにCS法により緻密化させた。この焼結体の導電率を測定したところ、CS法のみと比較して最大で約2桁向上した。(SPS+CS)法により得られた焼結体と、CS法のみの焼結体の微細構造を、SEM及びTEMにより観察し、電気的特性と微細構造の関係について考察した。
  • ドレナン ジョン, 森 利之
    セッションID: 2E06
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
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    酸化物イオン伝導体の原子レベルの内部構造は複雑です。しかしながら、ナノプローブを用いた透過型電子顕微鏡により、格子欠陥や秩序構造の詳細な情報も分かるようになってきました。希土類ドープセリアや安定化ジルコニアの場合、優れた導電特性を示す組成にも、秩序構造が含まれることが分かっています。ランタンガレート系化合物のようなペロブスカイト化合物では、双晶、マイクロドメインや結晶相境界が微細構造中に特徴的に現れます。そこで、導電特性の理論的解析の際には、こうした実際に観察されるナノ組織を考慮に入れる必要があります。こうした注意深い研究が、材料中の導電率の飛躍的な向上や、安定性の向上につながるものと考えられるからです。発表では、導電特性が、マイクロドメインにより影響を受けることなどを、実際の例を用いて説明し、こうしたイオン伝導特性に与えるナノ組織の影響についての考えをまとめたいと思います。
  • 三岡 哲也, 春日 敏宏, 野上 正行
    セッションID: 2E07
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
    会議録・要旨集 フリー
    メソ細孔の形状や配向を制御したガラス薄膜が注目され,幅広い分野で応用されている.本報告では細孔のテンプレートとして界面活性剤を用いて5P2O5-95SiO2ガラス薄膜を作製し,細孔の形状及び配向性,プロトン伝導性を評価した.細孔の配向性は,ゾルの熟成時間が長くなるほど失われ,プロトン伝導度も低下した.また,細孔形状の異なる立方晶様および六方晶様に配列するガラス薄膜では立方晶の配列を有する薄膜がより高いプロトン伝導度を示した.
  • 坂田 道太, 山口 朋浩, 北島 圀夫, 樽田 誠一
    セッションID: 2E08
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
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    マイカ系のセラミックスは電気的には絶縁体として知られている。これはマイカの層間イオンがカリウムイオンであり、そのイオン半径が大きいため、層間を移動できないからである。一方、イオン半径の小さなカルシウムイオンが層間イオンである場合、カルシウムイオンがキャリアーとなるイオン伝導性を示すことが期待される。しかし、カルシウムマイカは膨潤性を示すため、バルクの結晶化ガラスを作製することは困難である。そこで、本研究では、ナノレベルに制御したカルシウムマイカおよび層間によりカルシウムイオンがつめこめられた高電荷密度カルシウムマイカを含む結晶化ガラスの作製条件と得られた結晶化ガラスのイオン伝導性を検討した。
  • 長田 崇, 田中 修平, 平尾 一之
    セッションID: 2E09
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
    会議録・要旨集 フリー
    ナノテクノロジーが注目される中、ナノ領域での評価技術は加工ほどの進捗があまり見られていない現状がある。特に物性評価においてはナノ領域でサンプルに何が起きているかを知るうえでも重要な位置にある。本研究では走査型プローブ顕微鏡(SPM)を用いて、シリコン内部にドープされている不純物の特定、及び物性評価を試みている。今回報告する結果によりサンプルのナノ領域における物性評価やその分布などを実現できる可能性が得られている。
  • 栗原 雅人, 丸山 哲, 田中 秀樹, 守吉 佑介, 大橋 直樹, 石垣 隆正
    セッションID: 2E10
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
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    携帯機器端末の電源として広く利用されているリチウムイオン二次電池は、高エネルギー密度化、異常時の安全性の向上が、継続的に重要な課題となっている。これまでに高容量化、熱安定性の向上などを目指して、負極材料としてさまざまな炭素材料が検討されている。われわれは、1万度以上の高温が得られ、酸化・還元・反応性といった各種雰囲気のプラズマの発生が可能な高周波熱プラズマプロセスに着目し、炭素前駆体であるフェノール樹脂、グラッシーカーボン、人造黒鉛などの炭素粉末に対して熱プラズマによるナノスケールの表面改質を行い、炭素粉末の構造と負極特性に与える効果について検討し、二次電池負極特性の改善を試みた。
  • 内野 隆司, 山田 朋子, 網干 敦子
    セッションID: 2E11
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
    会議録・要旨集 フリー
    粒径がナノメートルサイズのシリカ微粒子およびその固相焼結体の構造および物性について報告する.我々は、同シリカ微粒子の固相焼結により、透明なバルクシリカガラスが得られることを見い出した.また、得られたバルクシリカガラスは、通常のシリカガラスには見られない可視発光を示すことを見い出した.講演では、固相焼結のメカニズム、及びその際に生成する発光中心の微視的起原について報告する.
  • 神山 弘志, 李 継光, 王 暁輝, 守吉 佑介, 石垣 隆正
    セッションID: 2E12
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
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    近年、酸化チタン光触媒への可視光応答性付与を目的とした様々な研究がなされており、中でも酸化チタンへの窒素ドーピングが注目を集めている。一方、高周波誘導熱プラズマは、材料合成反応場としての高いポテンシャルを有しており、ナノ粒子の合成と任意元素のドーピングを一段階で行うことが可能である。
     そこで本研究は、アミンを添加したチタンのアルコキシドを熱プラズマ処理することにより、窒素がドープされた酸化チタンナノ粒子の一段階合成を試みた。合成された酸化チタンはベージュを呈しており、窒素含有量の増加も見られた。これは、酸化チタンへの窒素ドープを示唆するものであり、光触媒活性の向上が期待できる。
  • 中嶋 聖介, 藤田 晃司, 田中 勝久, 平尾 一之
    セッションID: 2E13
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
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    青色半導体レーザーの実用化により光エレクトロニクスにおける材料開発は大きな転機を迎えている。例えば、光アイソレーターとして用いられているファラデー回転素子では、これまでの近赤外領域で機能するBi添加イットリウム鉄ガーネットに代わり、可視光域のより短波長側で動作する新しい材料の開発が望まれている。演者らはこれまで、スパッタ法により作製した亜鉛フェライト薄膜がナノ結晶の集合体から構成されており、本来の反強磁性とは異なり、室温でフェリ磁性的に振舞うことを報告している。本研究では、この亜鉛フェライト薄膜に低温の熱処理を加えることにより、400nm付近の青色領域で大きなファラデー効果が得られることを報告する。
  • 鈴木 健伸, 植村 優一, 中津畑 良英, Senthil Murugan Ganapathy, 大石 泰丈
    セッションID: 2E14
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
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    近年、超広帯域増幅特性を持つ光ファイバアンプの実現が期待されている。ガラス中では遷移金属イオンは格子振動との相互作用のために近赤外域の蛍光は室温において観測されない。われわれはNiドープ亜鉛アルミノケイ酸塩ガラスをアニールすることで、透明結晶化ガラスを作製した。析出した結晶はNi2+:ZnAl2O4系スピネル相で約10nmの直径であった。このナノ結晶が蛍光の発光中心として働くと考えられる。中心波長約1400nmで半値幅約300nmの蛍光が室温において観測された。本ガラス系のアンプとしての性能指数はTm3+およびPr3+ドープガラスに優っており、超広帯域光ファイバアンプとしての応用が期待される。
  • 高橋 儀宏, 北村 健二, 井上 悟, 紅野 安彦, 藤原 巧, 小松 高行
    セッションID: 2E15
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
    会議録・要旨集 フリー
    本研究において、圧電体であるフレスノイト(Ba2TiSi2O8)の化学量論組成を有するガラスの結晶化挙動、透明結晶化ガラスの創製およびその光学特性の調査を行った。鏡面研磨を施したガラスに適切に熱処理を施すことでフレスノイト結晶が析出した透明結晶化ガラスの作製に成功した。この透明結晶化ガラスはバルク内部にナノサイズのフレスノイト結晶が析出していると考えられる。また、この試料から強い第二高調波発生を確認した。さらに、これらガラスおよび結晶化ガラスから青色蛍光も確認された。
  • 早川 知克, 伊佐 泰紀, 野上 正行
    セッションID: 2E16
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
    会議録・要旨集 フリー
    シリカで被覆した金微粒子の自己組織化膜において、ナノオーダーで凝集・組織化させることにより第2次高調波が発生することを近年報告してきた。ナノオーダーでの組織化には膜形成雰囲気の制御が不可欠であり、それにより初めて第2次高調波は検出されるようになる。今回、そのための自己組織化膜作製雰囲気パラメータを決定すると共に、ナノ組織化により生ずる結合表面プラズモン共鳴(Coupled Surface Plasmon Resonance)との関係についても議論する。
  • 豊原 望, 紅野 安彦, 藤原 巧, 植松 敬三, 小松 高行
    セッションID: 2E17
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
    会議録・要旨集 フリー
    2次非線形光学特性を有する強誘電体結晶をガラス中に含有するガラスセラミックスは光通信分野において波長変換素子などの光デバイスへの応用が期待されている。現在ガラスセラミックスの持つ2次非線形光学特性の向上が期待されている。
    セラミックスの機能性向上の手段の一つに結晶配向が挙げられる。本実験では表面結晶層を析出する30BaO-15TiO2-55GeO2ガラスを強磁場中で結晶化させることで結晶配向の変化および2次非線形光学特性を調査した。その結果結晶の配向が向上し、特に磁場と結晶成長方向が同じであった場合において磁場を印可せずに作製した試料よりも高い2次非線形光学特性を得ることに成功した。
  • 高坂 真司, 紅野 安彦, 藤原 巧, 小松 高行
    セッションID: 2E18
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
    会議録・要旨集 フリー
    チタン含有結晶には二次光非線形性を有するものが多く存在しているが、チタニア低含有ガラスを結晶化させた場合にはチタン含有結晶は析出しにくい。それに対してチタニア高含有ガラスではチタン含有結晶の析出が比較的容易であり、本研究においてもチタニア高含有結晶化ガラスにおいて二次光非線形性を有するチタン含有結晶の析出を確認した。また、ガラス組成や熱処理条件の制御による結晶配向の可能性も示唆されている。しかしながら、チタニア高含有結晶化ガラスについて光二次非線形性を系統的に評価した報告はされていない。そこで本研究では、チタニア高含有ガラスの創製および結晶化挙動の調査、粉末法によるSHG(第二高調波発生)特性の評価を行っている。
  • 右近 咲希子, 田中 勝久, 米崎 功記, 若杉 隆, 大田 陸夫
    セッションID: 2E19
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
    会議録・要旨集 フリー
    ガラスは等方体であり、通常光第二高調波発生(SHG)は観測されないが、テルライトガラスは光ポーリングを施すことによってSHGが観測されるようになる。光ポーリングとはレーザーの基本波と第二高調波を同軸で照射する操作である。これまでにシード光の波長に共鳴する希土類イオンや遷移金属イオンをガラスに添加することで光ポーリングの効率を上げ、高い二次非線形光学効果の誘起に成功した例が報告されている。本研究では20WO3・80TeO2ガラスにV2O5を添加し、実験を行った。V2O5を少量添加するとSH強度は増加したが、0.1mol%以上添加するとSH強度は減少した。
  • 水野 真太郎, 本間 剛, 紅野 安彦, 藤原 巧, 小松 高行
    セッションID: 2E20
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
    会議録・要旨集 フリー
    次世代の機能性ガラスとして注目されているテルライト系ガラスへ紫外レーザー光を照射することにより直径約200-500nm、高さ10-90nmのガラス粒子形成に成功している。このようなナノサイズの粒子構造は、新規の光子伝搬方式による超小型光回路の実現に重要な構造となる。これまでに総照射エネルギーおよびパルス周波数を変化させることによりそのサイズを制御できることを報告した1)。本研究において、加熱補助を加えた紫外レーザー光照射を行ったところ、粒子径は変化せず粒子高さのみが大きく成長するという変化が確認された。この結果は粒子形成に熱的な効果が関与していることを示唆しており、ナノ粒子形成機構の解明、粒子構造制御の上で非常に興味深い。1) 日本セラミックス協会 2004年年会講演予稿集, 119, 1K34
  • 勝田 喜宣, 安盛 敦雄, 褚 松竹, 和田 健二, 井上 悟
    セッションID: 3E01
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では高純度Al板およびITOまたはFTO付きガラス基板に蒸着したAl薄膜を用い、電解液、濃度、印加電圧、温度などを変化させ、陽極酸化を行った。特にリンゴ酸溶液では200 V以上の限界高電圧の陽極酸酸化により、500 nm以上の可視光領域を含む大きなセルサイズを持ち、ポーラスアルミナ皮膜を形成することができた。各種条件で形成したアルミナ皮膜の微細構造および諸特性についてFESEM , XRD , UV-vis spectroscopy等により調べた。
  • 礒貝 雅文, 安盛 敦雄, 褚 松竹, 和田 健二, 井上 悟
    セッションID: 3E02
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
    会議録・要旨集 フリー
    高純度Al板とITO付きガラス基板上に蒸着したAl薄膜を用い、電解液の種類と濃度、印加電圧、温度等の条件を変化させ、陽極酸化を行った。各条件により形成したナノポーラスアルミナ皮膜の形態及び自己組織化について、FESEM、XRD、Uv-vis spectroscopy等により調べた。その結果、皮膜は基板に垂直に細孔が配列したポーラス構造体であり、セルサイズ(細孔間距離)40-600 nm、細孔径5-580 nmの幅広い範囲で制御できることがわかった。また、印加電圧の上昇に伴い、皮膜の細孔配列は規則化に進行する傾向がみられた。
  • 和田 健二
    セッションID: 3E03
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
    会議録・要旨集 フリー
    ITO膜付きガラス基板上に欠陥の少ないAlを蒸着すると、電気化学的な陽極酸化によってガラス表面に自己組織化した多孔質アルミナのナノ構造膜が生成する。この膜を利用してさらに異分野のゾルゲル法、電析法、電着法とを組み合わせることによって多機能化し、光触媒材、垂直磁気記録媒体、太陽電池などへの応用が期待できる材料となる。こうして得られたガラス上の種々のナノ構造体の作成方法とその微細構造および特性評価結果を中心に報告する。
  • 岡本 匡史, 板谷 清司, 幸田 清一郎
    セッションID: 3E04
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
    会議録・要旨集 フリー
    酸化イットリウム (Y2O3)を焼結助剤に用いて窒化ケイ素 (Si3N4)セラミックスを作製すると、結晶粒界に種々のSi3N4-SiO2-Y2O3系化合物が生成する。代表的なSi3N4-SiO2-Y2O3系化合物にはY2Si3O3N4(melilite)、YSiO2N(wollastonite)、Y4Si2O2N7(cuspidine)およびY5(SiO4)3N(apatite)がある。Si3N4セラミックスの高温強度を改善するためには粒界相の組成を制御する必要があるが、そのためにはこれらのSi3N4-SiO2-Y2O3系化合物の諸性質を解明することが重要である。本研究では上述のSi3N4-SiO2-Y2O3 系化合物の高密度焼結体を作製し、それらの力学的性質を評価することを目的とした。その結果、これらの高純度化合物をホットプレスすることにより、(1)相対密度が98 %以上の高密度焼結体が作製できること、(2)得られた焼結体の曲げ強度はYSiO2N>Y2Si3O3N4>Y4Si2O7N2>Y5(SiO4)3Nの順になることがわかった。
  • 鈴木 ソフィア沙織, 小島 隆, 上川 直文, 掛川 一幸
    セッションID: 3E05
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
    会議録・要旨集 フリー
    本研究の目的は、準安定非晶質相から成る粉体の放電プラズマ焼結(SPS)による機能性セラミックスの創製である。本報告では、超急冷法を用いて作製した非晶質アルミナ/シリカ(モル比1:1)粉体についてSPSを用いて焼結し、常圧焼結法と比較した。本手法によって新機能性を有する、ユニークな非晶質バルク体の作製が期待できる。SPS温度850degC(100degC/min、0秒保持)までは非晶質相を保ったままバルク化することができたが、相対密度は80%程度と低かった。SPS温度900degCでは著しく緻密化した(95%)が、ムライト相が急激に結晶化したため亀裂が生じた。しかし、常圧焼結法では、900‐1100degCにおいて50%程度しか緻密かしなかったため、非晶質のバルク化とともに難焼結性を改善できることを見出した。
  • 田中 英彦, 西村 聡之, 広崎 尚登, 岸 幸男, 松尾 裕之, 市川 佳孝
    セッションID: 3E06
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
    会議録・要旨集 フリー
    α(3C)-SiCとβ(3C)-SiC粉末をAlB2とCを添加して焼結した。その結果、0.67 から 2.7 mass%のAlB2および1900から2000℃の焼結条件で密度98%以上に緻密化した。この焼結温度は工業的な焼結温度より約200℃低い。焼結中にAl8B4C7-SiC組成近傍の液相ができて焼結が促進されたと考えた。助剤のAl原子がSiCに固溶し、SiCの多形4Hを安定化させる。そのためSiCは部分的に4Hに転移をおこし、SiC粉末は板・柱状に粒成長した。板状粒成長は破壊靱性値を増大させる。粒成長はα-SiCで穏やかであるが、β-SiCでは急速で異常粒成長を起こし、緻密化はα-SiCでより進んだ。この低温焼結によって熱間静水圧焼結(HIP)が容易になった。まず、前処理としてSiC粉末を1850℃で焼結して緻密化させる。引き続いて、1850℃でHIPするとほぼ理論密度に達した。気孔のないSiC焼結体を製造することに成功した
  • 平賀 啓二郎, 金 炳男, 森田 孝治, 鈴木 達, 目 義雄
    セッションID: 3E07
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
    会議録・要旨集 フリー
    超塑性変形の担い手となる粒界すべりに不可避的に随伴する粒界損傷過程とこれに関与する材料学的因子への考察に基づいて、酸化物系セラミックスで高速超塑性を得るために必要な組成、組織およびプロセシングに関する条件について述べ、この観点によって得た研究結果を紹介する。
  • 森田 孝治, 金 炳男, 平賀 啓二郎, 目 義雄
    セッションID: 3E08
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
    会議録・要旨集 フリー
    種々のセラミックスにおいて超塑性現象が確認されているが、その変形速度は金属に比べ2_-_3桁遅く、精密塑性加工に応用するのは困難な状況にある。これを克服するには、金属並みの変形速度においても優れた引張延性を示す高速超塑性セラミックスの開発が必要となる。我々は、これまでに微細化・均質化などの組織の最適化を図ることにより、高い変形速度においても金属並みの超塑性特性を示すジルコニア基複合セラミックスを開発することに成功した。本発表では、得られた結果をもとに微細組織と超塑性特性との相関について報告し、その変形メカニズムについて検討する。また、組織をナノレベルまで微細化させた材料の機械的特性についても発表する予定である。
  • Xin Xu, Toshiyuki Nishimura, Naoto Hirosaki, Rong-Jun Xie, Yoshinobu Y ...
    セッションID: 3E09
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
    会議録・要旨集 フリー
    Nano-crystalline beta-Si3N4 powder has been prepared by high-energy mechanical milling. A systematic study of various sintering parameters, namely temperature, holding time, heating rate, etc. was conducted to investigate their effect on the densification, grain-growth and mechanical properties of the nano-crystal beta-Si3N4 powder. The objective is to obtain a dense beta-Si3N4 ceramics with grains as small as possible.
  • 吉田 英弘
    セッションID: 3E10
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
    会議録・要旨集 フリー
    アルミナやジルコニア等の酸化物系セラミックスの高温変形は、粒界拡散による物質移動を主体として進行する。そのため、極微量のドーパントを用いた粒界ナノ領域での原子間化学結合状態の制御により、優れた耐高温クリープ特性や超塑性特性が発現される。また、この手法はセラミックスの焼結性の向上にも有効である。講演では、アルミナ及びジルコニアに関して、粒界ナノ領域での化学結合状態の制御と優れた高温特性発現の例を紹介する。
  • 岩野 隆史, 田中 修平, 平尾 一之
    セッションID: 3E11
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
    会議録・要旨集 フリー
    我々は、フェムト秒レーザーを用いてガラス内部にクラックの進展を抑制するような異質相を形成し、ガラスの強度が向上する手法を開発した。この強度向上へのレーザー照射条件(異質相の形状や物性)の影響について考察し、さらに、形成した異質相周辺部の物性を調べることで、そのメカニズムの解明に取り組んでいる。レーザー照射条件の検討の結果、レーザーを照射していないガラスに比較して約1.7倍の強度向上を確認できた。特に、異質相形成面積が大きく照射パワーが低い条件が強度向上に有効な条件であった。 また、異質相周辺部の物性評価から、異質相部は周囲に比べ硬度が低いことが確認され、異質相周辺部には大きなリタデーションが発生していることが確認された。これらの物性変化と高強度化の関係についても考察を行った。
  • 北原 丈嗣, 池田 賢一, 吉田 冬樹, 中島 英治, 阿部 弘
    セッションID: 3E12
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
    会議録・要旨集 フリー
    SiO2-Al2O3-LiO2系結晶化ガラス中に生ずる残留応力およびその熱処理による変化をビッカース圧子圧入法により評価した。結晶化前のガラス中の残留応力は歪点温度(530℃)付近の熱処理によってほぼゼロとなったが、同じ熱処理条件で結晶化ガラス中には残留応力が観察された。
  • 広崎 尚登, 解 栄軍, 三友 護, 山本 吉信, 上田 恭太
    セッションID: 3E13
    発行日: 2004年
    公開日: 2006/09/01
    会議録・要旨集 フリー
    高輝度の励起光に長時間照射される発光デバイスでは、蛍光体に高い耐久性が要求される。現行の蛍光体は酸化物や硫化物のホスト結晶に希土類イオンを固溶させたものであり、結晶構造が弱いため使用中に結晶が分解して輝度が低下する問題がある。そこで、耐熱材料であるサイアロンをホストとして、これに光学活性な希土類イオンを固溶させることにより、発光効率が高くしかも安定性に優れた蛍光体を合成した。
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