日本セラミックス協会 年会・秋季シンポジウム 講演予稿集
2006年年会講演予稿集
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  • 河合 千尋, 吉村 雅司, 長谷川 幹人, 井上 龍一
    セッションID: 3C25F
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    当社では、これまで培ってきた構造用セラミックスの微細構造制御技術や金属材料の粉末冶金技術を展開し、光・熱・摩擦等を制御できる各種機能性セラミックス・セラミックス基複合材料の開発に注力している。材料/テ゛ハ゛イス開発の進捗レヘ゛ルにより、製品化/移管、中量産技術開発、要素技術開発、ラホ゛探索の4つのstageに分類し、中長期的なハ゛ランスを考慮した資源投入で開発を進めている。本報告では、各stageの中から幾つかのトヒ゜ックスを取り上げて紹介する。
  • 堀田 幹則, 野中 祐樹, 鎌田 海, 榎本 尚也, 北條 純一
    セッションID: 3C28
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    微細なSiC及びAlNの原料粉末を用いて、放電プラズマ焼結によりSi-Al-C-N系セラミックスの作製を行い、微構造を観察するとともに、強度、硬度、靭性の機械的特性について調べた。助剤を添加することなく、緻密化が達成できることがわかった。AlN組成比が増加するとともに焼結性が顕著に向上した。SiC:AlN=50:50mol%の出発組成において、粒径1μm以下の微細な焼結体が得られた。また、結晶相については、2000℃以上で2H相のみとなり、SiC-AlN固溶体が生成することがわかった。さらに、出発組成によって破壊モードが変化することが確認された。
  • 野中 祐樹, 堀田 幹則, 鎌田 海, 榎本 尚也, 北條 純一
    セッションID: 3C29
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    放電プラズマ焼結により作製したSiC-AlNコンポジットにおいて、酸化挙動を解析することで、原料組成が耐酸化性に及ぼす影響を調査した。実験方法は、作製した試料に対して、空気中、1400度で長時間の酸化試験を行い、試験後の試料に対して、重量測定、表面及び断面観察、結晶相同定、元素分析などを行うことで、SiC-AlNコンポジットの酸化挙動を調べた。その結果、酸化後の試料表面においてムライト相が形成され、これが酸化に対しての保護膜として働くことで、SiC-AlNコンポジットが優れた耐酸化性を示すことがわかった。さらに、SiCとAlNの組成が酸化挙動に大きく影響することを明らかとした。
  • 菊池 芳郎, 井上 勝弘
    セッションID: 3C30
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    Siの窒化反応により合成される窒化珪素は針状結晶となることが知られている。この針状窒化珪素結晶の生成を抑制した窒化珪素/炭化珪素複合多孔体を窒化反応により合成した。針状窒化珪素結晶の生成要因をSiのアクティブ酸化(Si+1/2O2→SiO↑)と考察し、これを抑制するために、焼成および窒化条件について検討した。具体的な作製方法は、SiとSiCを混合成形し、Siを溶融し、SiCと結合させるためにAr中で1450℃保持した。その後、雰囲気をH2添加したN2ガスに切換えた。これにより、1450℃という低温で針状結晶の少ない窒化珪素と炭化珪素が強固に結合した複合多孔体が得られた。
  • 佐藤 史治, 本多 沢雄, 橋本 忍, 淡路 英夫
    セッションID: 3C31
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    アルミナおよびジルコニアは高強度耐磨耗性材料であるため, 生体材料としては高負荷をうける箇所や摺動面に利用されている.しかし, 高い弾性率をもつ人工骨としては天然骨との弾性率のミスマッチが天然骨に応力集中を発生させ破損などの原因となることがある. 現在においてはアルミナやジルコニアは硬すぎるため金属のように自由にデザインが出来ないという面や, 荷重下においては生体力学的馴染みがなく人工関節などで緩みを生じるなどの問題も発生している. そこで, 本研究では生体親和性を持ちかつ, 比較的低硬度, 低弾性率を有するリューサイトをアルミナおよびジルコニアに添加することによって, 天然骨以上の強度を維持しつつ硬度, 弾性率を低下させることを考えた.
  • 関野 徹, 水口 創, 鵜飼 武士, 楠瀬 尚史, 新原 晧一
    セッションID: 3C32
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    イットリア安定化正方晶ジルコニア(Y-TZP)に多層カーボンナノチューブ(MWCNTs)を分散したTZP/CNTナノコンポジットでは、微量CNT添加で導電性を付与できることを明らかにしているが、本研究では、第3相分散相としてナノサイズの炭化ケイ素(SiC)等を同時にナノ複合化した3元系ナノコンポジットの創製とその微細組織ならびに機械的性質の評価を行った。CNTにSiCを同時添加することで、材料の破壊強度が向上すること、および導電性へは影響を与えないことが明らかとなった。これら特性と組織の関連について詳細に報告する。
  • 新田 安隆, 本多 沢雄, 橋本 忍, 淡路 英夫
    セッションID: 3C33
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    これまでに本研究者らはγ-アルミナの細孔にニッケルイオンを導入し、還元することによってγ-アルミナ粒内にナノ寸法のニッケル粒子の分散した粉末を作り、PECS法にて焼結することでアルミナ/ニッケルナノ複合材料を作製し、その機械的特性を評価してきた。本研究においては、さらなる特性向上を目的とし、アルミナ/ニッケル複合材料作製における最適条件を追求した。作製したナノ複合材料は破壊強度、破壊靭性などの機械的特性やSEMによる微細構造を観察した。さらに, 破壊靭性とき裂前方損傷域との関係を評価した。
  • 達野 陽介, 本多 沢雄, 橋本 忍, 淡路 英夫
    セッションID: 3C34
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    セラミックス材料の特性は製造方法に深く関わる.中でも焼結段階前の粉末特性は特に重要である.その粉末特性は出発原料・製造方法に依存する.そこで様々な前駆体と製造プロセスの選択によりセラミックスの機械的特性の向上を目指す.本研究ではマトリックスであるアルミナの前駆体として硝酸アルミニウム,硫酸アルミニウム,アルミニウムイソプロポキシド,第二相粒子の鉄には硝酸鉄を用いた.さらにシードとしてα- アルミナ粒子を用いた.それらを用いて沈殿法により粉末を作製した.それぞれの粉末の特性評価,作製した粉末をPECS法により焼結させ,焼結体の微構造観察・破壊強度,破壊靭性などの機械的特性評価を行った.
  • 末廣 隆之, 広崎 尚登, 矢島 祥行, 解 栄軍, 三友 護
    セッションID: 3D03
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    CaSiAlN3は過去HuangらによりSi3N4—AlN—CaO系状態図研究における副生成物として報告がなされているが,これまで構造機能用途共に実用に供された例はない.近年Eu2+の付活により近紫外—可視光域で効率的に励起される赤色蛍光体となることが見出され,白色LED用途での普及が期待されている.現状におけるCaSiAlN3粉末の合成はCa3N2—Si3N4—AlN原料系を加圧窒素雰囲気中1600—1800℃で焼成後粉砕するプロセスにより行われている.本研究ではガス還元窒化法(GRN)をCaO—SiO2—Al2O3系に応用し,低温常圧下で酸化物原料からCaSiAlN3微粒子の直接合成を行う新プロセスを報告する.
  • 李 鳳錦, 脇原 徹, 多々見 純一, 米屋 勝利, 目黒 竹司, k. J.D.Mackenzie
    セッションID: 3D04
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    SiO2/Al2O3=6のY型ゼオライト(東ソー_(株)_)とカーボンブラック(三菱化学(株))を原料粉末とし,炭素還元窒化を行った。ゼオライトに化学量論比の1.2倍のカーボンブラックを加えて乾式混合を行い、得られた混合粉末1.0gを水平型管状電気炉中に挿入し,0.5l/minのN2気流中で1000_から_1450℃,0_から_120minで焼成を行った.合成された粉末はXRDにより主相がβ‐サイアロンのみであることを確認した。本発表ではβ‐サイアロンが生成する過程をNMRとXRDにより解析した。
  • 中里 勉, 津久井 伸一, 中川 紳好
    セッションID: 3D05
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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     600?900℃の熱風で流動化している媒体流動層内に水酸アパタイトの原料となる溶液あるいはスラリーを一定の供給速度で頭頂部より連続的に滴下供給し、ガスと共に流出してくる生成物微粒子をサイクロンにより固気分離し回収した。原料の濃度や種類、熟成時間媒体粒子の種類が及ぼす生成物微粒子のCa/Pモル比および熱安定性への影響を検討した。
     媒体粒子としてアルミナボールを用いた場合はシリカサンドに比べて生成物微粒子への混入を著しく減少できた。スラリー原料の場合、熟成期間が短いと媒体流動層による熱処理を施しても熱安定性の弱い水酸アパタイトが生成された。本手法により溶液系原料から水酸アパタイト微粒子を一段で製造できることが分かった。
  • 村山 陵一, 松田 厚範, 片桐 清文, 小暮 敏博, 武藤 浩行, 逆井 基次
    セッションID: 3D06
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    我々は、ゾルゲル法によって作製したSiO2-TiO2系ゲルやAl2O3-TiO2系ゲルにメカニカルミリング処理を行なうことによって、結晶が析出することを見出した。さらに、Al2O3-TiO2系ゲルの場合はAlとTiの原子比が1:1の新規な複合酸化物結晶が析出し、光触媒活性が発現することもわかっている。そこで、ゾルゲル法によって種々の組成のMxOy-TiO2系複合酸化物ゲルを作製し、ミリング処理を行ないXRDによる結晶相の確認、TEM観察、光触媒活性評価を行なった。また、熱処理を行なった場合との結晶化挙動の比較も行なった。
  • 前田 晋吾, 大門 啓志, 太田 敏孝
    セッションID: 3D07
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    アルミナの原料として一般的に使われているアルミン酸ナトリウムを用いたNi-スピネルの生成について検討した。アルミン酸ナトリウムとNiSO4水和物をボールミル混合した後、加熱処理して生成相を粉末X線回折にて調べた。ボールミル処理の直後では、Al(OH)3、Ni(OH)2およびNa2SO4であった。これを500_から_700℃で加熱処理することによりNi-スピネル、NiOおよびNa2SO4となった。さらに蒸留水を用いて洗浄することによりNa2SO4を取り除くことが出来た。これを炭素雰囲気中で還元焼成することによって金属Niとアルミナの複合焼結体を得ることができた。
  • 松田 元秀, 上田 正樹, 三宅 通博
    セッションID: 3D08
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    発表では、新規に創製されたインターカレーション化合物ヨウ素包蔵Sr1.5Bi7.5O12.75の構造安定性と化学状態について、熱分析およびXPSの結果に基づき考察する。
  • 家村 薫, 甲斐 裕章, 木田 徹也, 永野 正光
    セッションID: 3D09
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    我々はこれまでに、極性溶媒下においてMoO3を単純なアルキルアミンと作用させ調製した溶液を用いれば、ディップコーティング等の簡便な手法によって無機層にアルキルアミンが挿入された無機-有機ハイブリット薄膜を自己組織的に作製できることを見出している。これはアルキルアミンとの反応によりMoO3がMo7O246-等のポリオキソアニオンとして溶解し、基板上で無機層がアミン有機層を挟んで自己組織的に配列するためだと考えている。本研究では、この無機-有機ハイブリット薄膜を前駆体として用いて、熱処理によるMoO3膜の調製について検討した。さらにWO3についても同様の手法によってハイブリッド膜を調製し、薄膜調製を試みた。
  • 北脇 照啓, 手嶋 勝弥, 鈴木 孝臣, 大石 修治
    セッションID: 3D10
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    アルミニウム廃棄物のリサイクルの一種として,アルミホイルを原料としたフラックス蒸発法により,ルビー単結晶(Al2O3:Cr)を育成した。フラックスには環境調和材料である酸化モリブデン(MoO3)を用い,その蒸発を結晶育成の駆動力として利用した。育成したルビー単結晶は赤紫色透明であり,その形状は結晶面の発達した六角板であった.生成した結晶は最大0.9×0.8×0.3 mmに達した。MoO3フラックスの蒸発速度を化学的あるいは物理的に抑制すると,その結晶形状はMoO3フラックス特有の六方両錐体に変化する傾向が観察された。同様の方法で原料にアルミ缶廃棄物を用いても,ルビー単結晶を育成できた。
  • 三井 主樹, 手嶋 勝弥, 鈴木 孝臣, 大石 修治
    セッションID: 3D11
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    酸化モリブデン(MoO3)フラックス蒸発法により,遷移金属元素(Me)を添加した着色コランダム(サファイア,Al2O3:Me)単結晶を育成した.育成した着色コランダム結晶は,遷移金属元素の種類に関わらず,MoO3フラックスに特有の六方両錐を基本形状とした.遷移金属元素としてNiを選択した場合,生成した着色コランダム結晶は黄色透明であり,最大の大きさは3.0×1.9×1.9 mmに達した.出発原料にLi2Oを添加し,MoO3の蒸発速度を抑制すると,結晶中へのインクルージョンの含有量を低減できた. Ni添加量の増加とともに,結晶の黄色度も増加した.
  • 須田 一成, 坂元 尚紀, 渡辺 友亮, 松下 伸広, 吉村 昌弘
    セッションID: 3D12
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    セラミックスは一般的に粉末から成形、焼結の過程を経て作製されている。また、ガラスセラミックスはアモルファス相を作るためにSiO2,GeO2B2O3,P2O5などの網目形成酸化物を多く含んでいる。しかし、共晶組成で融体を急冷すれば、これらの網目形成酸化物を含まないアモルファス相を作製することが可能であり、粉末からの成形、焼結よりも高い成形性がある。本研究では、以前に報告したCaO-Al2O3-R2O3系やHfO2-Al2O3-R2O3系(R=Rare earth) と同様に、CaO-Al2O3-HfO2系の共晶組成付近でアモルファス相の作製に成功した。さらに、このアモルファス相をアニールすることで作製されたナノ結晶の特性について検討した。
  • 本田 暁拡, 木村 禎一, 後藤 孝
    セッションID: 3E01
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    レーザーCVD法では、様々な微細構造の酸化物膜を高い成膜速度で合成することができる。中でも、大きな表面積を持つ羽毛上組織は、触媒担体への応用が期待されている。触媒は、例えばハニカムのような多孔体の上に作製されるがCVD法はスパッタ法などとは異なり、孔の内部へも成膜するとこができる。そこで本研究では、直径数_mm_程度の内径を持つセラミックスチューブ内壁への成膜を試み、チューブ内壁に成長した膜の微細構造観察を行った。
  • 遠藤 淳, 木村 禎一, 後藤 孝
    セッションID: 3E02
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
     SiO2は優れた化学的安定性を有するため、金属への耐酸化コーティングなどに広く応用されている。化学気相析出法(CVD法)は、高純度で緻密なシリカ膜を合成できるプロセスであるが、これまで報告されている成膜速度は10 micro m/hと小さい。本研究では、テトラエトキシシラン(TEOS)を原料とし、レーザCVD法によるシリカ膜の高速合成を試みるとともに、成膜条件と、膜の微細構造、成膜速度の関係を調べた。
  • 木村 禎一, Ryan BANAL, 後藤 孝
    セッションID: 3E03
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    アルミナは、その高い硬度を利用して、切削工具のコーティング材料として利用されている。CVD法は、緻密なアルミナ膜を合成できるため、アルミナコーティングプロセスとして利用されているが、成膜速度は小さく、また、低硬度のkappa相やgannma相が主相として得られる場合が多い。本研究では、レーザーCVD法によって高硬度のalpha相の高速合成を試み、さらに、成膜条件の検討によって高硬度面であるc面の優先成長を目指した。その結果、成膜速度1 mm/hを達成し、700℃の低温でのalpha相の単一相膜の合成に成功した。講演では、成膜条件による成膜速度、結晶相、結晶の配向、微細組織の変化について発表する。
  • 中山 忠親, 横尾 知行, 清野 智史, 江 偉華, 末松 久幸, 鈴木 常生, 関野 徹, 楠瀬 尚史, 新原 晧一
    セッションID: 3E04
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    固体半導体素子の材料としてSiCが用いられるなどの技術革新によって近年のスイッチング素子は高耐圧化および高速化の面において著しい進歩を遂げている。このような素子を用いることで、申請者らは数十ナノ秒程度のパルス幅でありながら、最高電圧50kVを超える極めて高エネルギー密度からなるパルス電源の構築に成功した。同時に、この電源を用いることにより、従来実現不可能であった大気圧でストリーク放電のみを発生するいわゆる大気圧プラズマの発生と材料合成に展開することが可能となった。また、最近、高周波電源を用いることで、大気圧において熱平衡状態と非平衡状態の中間から成る新しいプラズマ状態の合成に成功し、これを大気圧バルクプラズマと称している。本発表においてはこのような大気圧バルクプラズマの有する様々な特徴を生かすことにより、ナノ粒子の合成ならびに様々な基板への複合化が可能であることを紹介し、本手法の特異性について解説する。
  • 木村 禎一
    セッションID: 3E05A
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    化学気相析出(CVD)法は、微細構造制御性に優れる成膜法であり、主に薄膜材料の合成に広く用いられてきた。その一方で、CVD法による酸化物セラミックス膜の合成速度は数_から_数10 m/h程度と遅いため、酸化物厚膜材料の合成にはほとんど用いられてこなかった。本研究者らは、レーザーをCVDに導入することによって、従来の数10_から_数100倍の成膜速度を合成できることを見出し、YSZ、Y2O3、TiO2、Al2O3など種々の酸化物セラミックス膜の合成を試みてきた。本講演では、レーザーCVD法の概要と、本研究者らのこれまでの研究を紹介する。
  • 永野 正光, 木田 徹也, マンナン エムディー アブドル, 重住 和也, 秋山 守人
    セッションID: 3E07
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    マイクロ波プラズマCVDにより、ボラントリメチルアミンあるいはトリスジメチルアミノボランをB,C,N源として、B_-_C_-_N混成膜の調製を試みた。反応温度、圧力、原料供給速度などの最適調製条件を探索した。調製した膜の結晶相、化学結合、組成をXRD,FTIR,XPSにより分析した。 調製した膜はほとんどアモロファスで、出発原料により組成が変動した。FTIR測定により、膜中にh_-_BN,c_-_BN、C_-_N、B_-_Cの結合が存在することが判ったが、B_-_C_-_Nの単一相は得られていない。 XPS測定により、BはB_-_NおよびB_-_C結合で存在すること、CはBとNとの結合よりC_-_C結合が多いこと、NはC_-_N結合がおおいことが判った。
  • 増本 博, 高根沢 祐, 後藤 孝
    セッションID: 3E08
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    RFプラズマなどに比べて高活性なプラズマであるため成膜温度の低温化が期待できる、電子サイクロトロン共鳴(ECR: Electron Cyclotron Resonance)プラズマを用いたMOCVDでチタニア膜の低温合成を試み、結晶構造、微細組織および諸特性とその成膜条件の関係を調べた。Anatase(A)、Rutile(R)、またはその混相膜が成膜速度約1μm/hで石英基板上に生成した。基板温度が700℃ではRutile単相が、300℃以下では(101) Anatase単相が得られた。基板予熱なしにおいても均一で緻密なAnatase膜が成膜した。ECRプラズマが低温合成に効果的であることがわかった。
  • 松本 慎司, 木村 禎一, 後藤 孝
    セッションID: 3E09
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    RuO2は高い電気伝導性を示す酸化物であり、RuO2膜は触媒電極や電気二重層キャパシタへの応用が期待されている。他方、RuO2は蒸気圧が高いため、スパッタ法などの高真空プロセスでは成膜が困難であり、数100Pa_から_数kPa程度の比較的高い圧力で成膜できるCVDが適している。そこで本研究ではMOCVD法でRuO2の合成を試み、Ru、RuO2の成膜条件を明らかにするとともに、膜の合成条件と、電気的特性、微細構造との関係を調べた。
  • 北澤 賢三, 西出 利一
    セッションID: 3E10
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    我々はゾル_-_ゲル法で作製したハフニアゲル膜に紫外線を照射することにより,高硬度・撥水性ハフニア薄膜の作製に成功している。そこで,紫外線に変えて,表面処理法として多用されているプラズマ処理をゲル膜の硬化法として用い,得られたハフニア薄膜の硬化と性質を調べた。ハフニアゲル膜に大気圧下でプラズマ処理してハフニア薄膜を作製した。プラズマ処理2分で,薄膜は鉛筆硬度9H以上の高硬度を示し,水に対する接触角が約90°となり撥水性を示した。この薄膜はXRD解析からアモルファスであり,その表面はFE-SEM観察によれば平坦であった。この硬化プロセスを昇温脱離法などで解析した。
  • 山本 修, 谷 浩樹, 今井 浩之, 室田 正道, 中川 善兵衛
    セッションID: 3E11
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    太陽電池用透明電極薄膜は300℃以下の低温形成が望まれているが,ゾルゲル法などの溶液法での薄膜形成は500℃以上が必要であった。そこで,我々は,300℃以下で結晶質ITO薄膜を得るための新規前駆体溶液の調製を試み,200℃で結晶化する前駆体の開発に成功した。本研究では,新規ITO前駆体溶液の調製条件,結晶化過程および電気伝導度を検討した。新規前駆体溶液の調製条件は,塩化インジウム及び塩化スズのエタノール溶液にオゾンガスを通気した後,pH6.5となるまでアンモニアを添加し,得られた沈殿物を80℃で保持することであった。前駆体と用いて形成したITO薄膜は200℃で結晶化することが分かった。電気伝導度は加熱処理温度の増加に伴い増加した。
  • 幸塚 広光, 草部 真理子, 阿部 悟, 鈴木 啓之
    セッションID: 3E12
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    ゾル-ゲル法によりヒドロキシプロピルセルロース(HPC)/チタニアハイブリッド透明コーティング膜を作製した。作製した薄膜の光吸収スペクトル、接触角、屈折率、鉛筆硬度を評価し、それぞれの性質に及ぼすHPC量その他の作製条件の効果を系統的に明らかにした。
  • 古川 周平, 木股 幸司, 片桐 清文, 松田 厚範, 武藤 浩行, 逆井 基次
    セッションID: 3E17
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    これまでに、ゾル-ゲル法で作製したシリカ-チタニア系ゲル膜を温水中に浸漬処理することにより100 °C以下の低温でアナターゼ微結晶が膜表面に析出し、さらに温水処理中に基板に振動や電場を印加することにより析出結晶の形態や結晶相が変化することを見出している。そして、この温水処理を機能性薄膜として注目を集めている酸化亜鉛薄膜の作製にも応用できれば有用な手法になると考えられる。 そこで本研究では、温水処理による酸化亜鉛薄膜の作製、外部場として条件がコントロールしやすい電場を用いた場合の析出結晶の形態への影響について詳細に検討を行った。さらには、温水処理による微結晶析出機構についても調査を行った。
  • 張 五星, 柳澤 和道
    セッションID: 3E18
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
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    塩化亜鉛を水酸化ナトリウム水溶液に溶解させてから80℃以上の温度で水熱処理を行うと,200μmに達する針状の酸化亜鉛結晶が生成した。一方,pHが中性の塩化亜鉛水溶液を220℃で水熱処理を行うと,500μmに達する六角板状のsimonkolleite(Zn5(OH)8Cl2•H2O)結晶が生成した。得られたsimonkolleite結晶を空気中で仮焼すると,板状の形態を維持したまま,酸化亜鉛へと変化した。
  • 河野 哲夫, 今井 宏明
    セッションID: 3E19
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    水溶液中(60℃)で形態・サイズの制御された酸化亜鉛(ZnO)粒子を形成するために、酸性領域あるいは塩基性領域を経由させるというルートの違いとpH制御の組み合わせによって、アスペクト比を変化させたナノスケールの酸化亜鉛粒子を作製した。硫酸亜鉛水溶液(酸性)中に、水酸化ナトリウム水溶液を添加することで、球状に近いZnO粒子を得た。また、水酸化ナトリウム水溶液(塩基性)中に硫酸亜鉛水溶液を添加することによって、約12のアスペクト比をもつZnOナノロッド状粒子を得た。このZnOナノロッドは、c軸方向に成長した粒子であった。最終的に同じ溶液組成(同じpH)でも、粒子形成プロセスが酸性領域あるいは塩基性領域経由かによって、粒子形態が変化することを見出した。この形態の違いを、酸化亜鉛の溶解度曲線と比較させながら議論する。
  • 内山 弘章, 今井 宏明
    セッションID: 3E20
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    Sn系酸化物は大容量のリチウムイオン2次電池電極として期待されナノスケールでの形態制御が求められている。本研究ではSn(_II_)水溶液のpH、温度、原料濃度を調整することで単相のSnO結晶を25−60℃で作製した。SnO結晶は原料添加後に生成する水酸化物が溶解再析出することで得られ、その形態は前駆溶液の過飽和度により制御することが可能であった。過飽和度が低い条件では幅20−100μm、厚さ数μm程のプレート状の形態をもち、過飽和度が高くなることで幅50−100nmほどのプレートが網目状に集積した形態へと変化した。
  • Yanfeng Gao, Masayuki Nagai
    セッションID: 3E21
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    We have succeeded in preparation of a rutile TiO2 nanowire array from a peroxotitanium aqueous solution under normal conditions in terms of temperature and pressure. Nanowires were <100 nm in diameter and 2 - 3 micrometer in length. The surface and cross section, and the crystalline phases of the nanowire film were characterized in detail. Dye-sensitized solar cells using these nanowire films as electrodes were made and their J-V properties were measured.
  • 細野 英司, 平澤 誠一, 藤原 忍, 今井 宏明, 本間 格, 周 豪慎
    セッションID: 3E22
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    TiO2は光触媒、色素増感型太陽電池、Liイオン二次電池などのエネルギー・環境材料への幅広い応用が期待されている。また、ダイヤモンドよりも高い屈折率を有するTiO2を用いた光学材料もまた注目されている。これまでのところ、直方体形態を有する大きな単結晶ルチル型TiO2の作製は報告されている。しかしながら、アナターゼTiO2は熱力学的に準安定相であるため、溶液中で大きな単結晶アナターゼ型TiO2を作製することは非常に困難である。溶液合成法を用いた大きなアナターゼ型TiO2単結晶であり、かつ熱力学的平衡状態の形態である八面体に非常に近い形態を作製した例はない。ここでは、大きな単結晶アナターゼ型TiO2八面体の溶液合成について報告する。
  • 大野 一貴, 増田 佳丈, 河本 邦仁
    セッションID: 3E23
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    これまで様々なセラミックスが水溶液プロセスによって作製されてきたが、その析出機構は未解明の部分も多い。本研究では、反応溶液の温度・pH・濃度・溶液量などを変化させ、結晶性アナターゼTiO2、アモルファスTiO2それぞれの反応速度の解析を行った。液相析出法(LPD法)によりTiO2を析出させてXRD測定を行った後、TiO2をXRD測定セルにセットした状態で完全に結晶化する温度・時間にて加熱処理を施し、再びXRD測定を行った。加熱処理前後での回折線の積分強度比を比較することにより、加熱前のTiO2の結晶化度を定量評価した。さらに、反応速度の解析により、生成の活性化エネルギー、反応機構などを評価した。これらの評価では、析出反応系の制御(添加剤等)による、析出物の結晶性(完全結晶化・完全アモルファス化)の制御を最終目標としている。
  • 樋口 将平, 大門 啓志, 太田 敏孝
    セッションID: 3E24
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    TiOSO4・2H2Oの濃厚溶液を加水分解することにより高純度で均一なチタニア超微粒子の大量合成を行った。TiOSO4・2H2O水溶液にアンモニアを加え作製した0.7molの水酸化チタンと0.3molのTiOSO4・2H2Oを加え溶解させた後、室温付近で加水分解を行った。加水分解後、ろ過洗浄を行い、チタニアを得た。チタニアは、XRDよりアナターゼとして認められ、加熱により800℃で完全にルチルに相転移した。Scherrer式により算出したアナターゼの結晶子径は約4nmの超微粒子であった。また生成したアナターゼを用いて焼成したところ1000℃以下で緻密化した。
  • 小島 隆, 鈴木 里英, 上川 直文, 掛川 一幸
    セッションID: 3E25
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では、針状に形状異方性を有するチタニア粒子の積層によるセラミックス多孔体の作製を試みた。まず、水酸化チタンをアミン類等の吸着物質存在下で水熱処理することにより、粒径が均一で、かつ針状に形状異方性を有するチタニア粒子を合成した。また、酸性条件下での水熱合成により調製した、非常に微細なチタニアナノ粒子を種結晶として用いることにより、針状チタニア粒子の粒径を変化させてそれぞれ合成した。得られた粒子を水中に分散、吸引濾過を用いて成形することにより、多孔体の作製を行った。均一な粒径を有する異方性粒子を用いたことにより、得られる多孔体は気孔率が大きく均一な細孔径を有していた。
  • 上川 直文, 小島 隆, 掛川 一幸
    セッションID: 3E26
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    6価の多価アルコールであり代表的な糖アルコールであるD-マンニトール水溶液をチタンイソプロポキシドに加え95℃で24h加熱処理することによりTiO2-糖アルコール複合体を合成した。複合体中に含まれているTiO2の結晶構造はアナターゼ型であった。このTiO2-D-マンニトール複合体を0.5M硝酸水溶液中で35℃から95℃で24h加熱処理した後NH3水で粒子を凝集させエタノールで洗浄した後蒸留水中に分散させることによってアナターゼ型TiO2ナノ粒子が中性水溶液中に安定に分散したゾルを得ることが出来た。硝酸処理温度が低いほど高い光触媒活性を有していた。
  • 原 聖子, 冨田 恒之, 鈴木 義仁, ペトリキン ヴァレリー, 垣花 眞人, 佐々木 聡, 下村 康夫, 木島 直人
    セッションID: 3E27
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    希土類系蛍光体の多くは従来固相フラックス法で合成され粒径が数μm_から_数10μmであるが、近年では1μm以下の微小粒径蛍光体が求められている。本研究では、約1_から_2μmの赤色蛍光体YNbO4:Eu3+を溶液法の一つであるポリビニルアルコール法(PVA法)で合成した。この方法では、環境負荷の小さい水を溶媒とし、PVA水溶液がゲル化することで金属イオンの偏析を防ぎ、均質な高分子前駆体が得られる。したがって、比較的低温で焼成することが可能となり、粒成長が抑制される。また、高輝度化を実現するために、Li+及びTb3+をYNbO4:Eu3+に共添加することで、市販品蛍光体YVO4:Eu3+の蛍光輝度を上回ったことを報告する。
  • 幸塚 広光, 畠山 卓也
    セッションID: 3E28
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    アルコールを含まず、水だけを溶媒とするコーティング液からの機能性セラミック薄膜成膜法の開発が生産現場で強く望まれている。本研究ではポリビニルピトリドンを含有する金属塩水溶液をコーティング液とするスピンコーティングにより、ニオブ酸リチウム薄膜を作製し、結晶相、微細構造、誘電的性質を調べた。
  • 高村 一雄, 陶山 容子, 市居 宏
    セッションID: 3E29
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    (Li1-XNaX)Nb(OEt)Yと仮定される組成を持つLi-Na-Nb複合エトキシド単結晶を合成した。NbCl5を出発原料として合成したNb(OEt)5に所定量の金属Li、金属Naおよびエタノールを加え、冷却保持することで種々の組成を持つLi-Na-Nb複合エトキシド単結晶を析出させた。得られた結晶は2mm以下の無色透明結晶であった。これらの結晶は673Kで六方晶もしくは斜方晶の(Li1-XNaX)NbO3に転化した。873Kで熱処理したLiNbO3の格子定数はa=0.5149nm、c=1.385nmであった。
  • 吉口 尚, 太田 敏孝, 安達 信泰
    セッションID: 3E30
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    KNbO3は電気機械結合係数の大きい鉛フリー圧電材料として注目されている。しかし、コングルエント溶融しないので高温からの結晶成長が非常に困難である。一方、K2NbO3Fを水溶液中で攪拌するとKNbO3が生成する事が報告されている。そこで、我々は、この現象を利用して、KNbO3結晶を水溶液から成長させる事を試みた。実験は、鍾乳石を模倣した滴下法によって行った。K2NbO3F水溶液(4.2×10-3mol/l)と過酸化水素水(3から15mol/l)を同時に滴下し、KNbO3やSrTiO3基板上にKNbO3結晶を析出させた。
  • 松原 誉昌, 楊 勇, 野上 正行
    セッションID: 3F01
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    ナノサイズの金微粒子では,表面に存在する電子のプラズマ振動によって表面プラズモン共鳴(SPR)が起き,特定の波長の光を散乱する.SPRは金微粒子表面の電子状態に影響を受ける.そのため金微粒子の形状の変化や,連結などの状態変化に伴う表面プラズモン状態の変化によって,球状金微粒子とは異なった光学的性質を発現させることができる.そこで本研究では,陽イオン界面活性剤であるcetyltrimethylammonium bromide (CTAB)を用いて金微粒子を連結し,保護剤としてmercaptoundecanoic acid (MUA)を用いて連結反応を抑制することで金微粒子の光学的性質の変化を調べた.
  • 早川 知克, 堀 真美子, 野上 正行
    セッションID: 3F02
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    これまで我々は4,5-Dihydroxy-1,3-benzene-disulfonic acid, disodium salt(通称Tiron)を保護剤かつ還元剤として用いたAu微粒子の作製方法について報告してきた。Tironは金属イオンとキレート結合する性質があることから、セラミックス微粒子の分散剤にも用いられている。本研究では、Au微粒子の高屈折率セラミックスによる被覆とその光学材料としての応用について検討している。今回は、ゾルゲル法を用い、加水分解させたTiアルコキシドと、Tiron法により作製されたAu微粒子とを反応させることで、TiO2とAu微粒子との複合化を行った。作製したAu@TiO2の表面プラズモン特性などについて報告する。
  • 熊谷 ユキ, 松田 泰仁, 大垣 武, 西尾 圭史, 安盛 敦雄
    セッションID: 3F03
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    近年バイオ分野の研究の発展への期待はさらに大きくなってきている。それに伴い、診断や薬効評価に適用できるバイオセンサの開発も重要となっている。金属の表面プラズモン共鳴(SPR)現象を用いたバイオセンサは、様々な測定対象物に対応できるマルチセンサであり、すでに実用化されている。しかし現在のセンサチップは反射型が主流であり、測定対象物やサンプル量、一度に測定できる種類等が制限されてしまう。本研究では透明ガラスロッドに金微粒子を複合化することで、光導波路構造および金の微粒子化による更なる高感度化、高機能化を目指している。本発表では金微粒子の担持方法とSPR効果の発現の関係について報告する。
  • 岸本 由佳理, 楊 勇, 早川 知克, 野上 正行
    セッションID: 3F04
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    メゾスコピック系と呼ばれるμmからnmの大きさの金属微粒子は、可視域に表面プラズモン共鳴を示すことが知られており、その光学特性を生かした光学デバイスや光触媒などへの応用が期待されている。金属微粒子は、その大きさや形状によって異なる波長に表面プラズモン共鳴が生じるため、それらを制御することは重要である。本研究では、多角形などの球状とは異なる銀微粒子を含むコロイド溶液に、フェムト秒レーザーを集光・照射したときの銀微粒子の大きさや形状の変化を調べた。
  • 青木  紳一郎, 早川 知克, 野上 正行
    セッションID: 3F05
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    金属ナノ粒子は,光,触媒,電気,磁気特性に関して非常に興味深い特性を示し,これら特性は金属ナノ粒子の形状や配列に大きく影響される.そこで,本研究では,表面プラズモン共鳴(SPR)バンドピークを2つ持ち,光学的に異方性をもったアスペクト比が異なる金ナノ粒子(金ナノロッド)に着目した.金ナノロッドは核種成長法を用いて作製し,アスペクト比はTEM観察,Gans理論を用いて評価した.作製した金ナノロッドをゼラチン膜中に固定し,その膜を一方向に延伸することにより,金ナノロッドの配向を制御した.金ナノロッド配向膜に対して,非線形光学材料としての可能性を調査した.
  • 福島 岳行, 紅野 安彦, 藤原 巧, 小松 高行
    セッションID: 3F06
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    非線形光学特性と透明性とを併せ持つ、非線形光学結晶を有するナノ結晶化ガラスは、光機能性材料として期待されている。新組成であるK2O-TiO2-GeO2系に焦点を当て、二次光非線形性を有する透明結晶化ガラスの作成を目的とした。このガラスの結晶化から生成した結晶相はK2TiGe3O9であり、結晶化ガラスから第二次高調波発生(SHG)が観測されたことから非線形光学結晶であることが初めて明らかとなった。またこの系は非常に結晶化しやすいため、結晶化の抑制を検討した結果、非化学量論組成である18K2O-18TiO2-64GeO2ガラスにおいて透明結晶化ガラスの作製に成功した。さらにTiO2のSnO2置換によるSHGの増大を検討している。
  • 辻 真二, 紅野 安彦, 藤原 巧, 小松 高行
    セッションID: 3F07
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/10/24
    会議録・要旨集 フリー
    Ba2TiSi2O8は強誘電性に起因する高い機能性を有しており、フレスノイト型構造の化学量論組成を有するガラスはナノ結晶化を呈することが知られている。今回、BaO-TiO2-SiO2系ガラスの組成を変化させ、結晶化挙動と二次光非線形性を調査した。その結果、結晶化挙動が、ガラス組成の変化により、ナノ結晶化、バルク結晶化、及び表面結晶化と変化することを見出した。また、これらは多くの場合フレスノイト型構造を有する結晶相であることを確認した。これらの結果は、BaO-TiO2-SiO2系のガラス組成によって結晶化の組織構造を制御できる可能性を示唆している。二次光非線形性は、c軸配向を示す表面結晶化ガラスの場合がもっとも大きな値を示した。
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