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下野 功, 高村 巧, 保坂 知世子, 小林 淳哉, 都木 靖彰, 山元 明
セッションID: 2P047
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
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前報では、空気中で焼成した貝殻の蛍光特性と、室内放置による風化と消光について報告した。本報では、風化と消光の抑制を目的とした二酸化炭素雰囲気焼成と、この焼成方法で作製した貝殻焼成物の蛍光特性について報告する。二酸化炭素雰囲気にて900℃以下で焼成することで、貝殻の風化と消光を抑制することが可能となった。これらの貝殻の発光スペクトルは、430nmと480nmと580nmにピークを持つ3つの発光帯からなる。430nmと480nmの2つの発光帯はCu2+、580nmの発光帯はMn2+による発光と推察される。
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山下 勝, 赤井 智子, 蔵岡 孝治, 矢澤 哲夫
セッションID: 2P048
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
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ゾルゲル法による有機無機ハイブリッド化によって極性有機分子を膜中に導入して配向させたあとこれを除去することによって膜面に垂直方向に配向した気孔をもつシリカ系の気孔配向膜の作製を試みた。配向率の向上のためにゾルの溶媒、組成、触媒含有量や製膜時の温度湿度等の製膜条件の検討を行った。またガス透過性能の評価を行った。
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増本 博, 上夏井 健, 後藤 孝
セッションID: 2P049
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
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RFマグネトロンスパッタリング法によりSi-O-C薄膜を作製し、その構造および光学特性の評価を行った。XPS測定およびFTIR測定により組成分析を行ったところ、Si-C薄膜では[C]/[Si]=1.0であり、Si-O薄膜では[O]/[Si]は電力の増加に伴い1.1から1.6へと変化した。Si-2pのXPSスペクトルより、Siまわりの短距離構造はそれぞれSi-O
4(103.4 eV)、Si-O
3C(102.6 eV)、Si-O
2C
2 (101.8 eV)、Si-OC
3(100.8 eV)、 Si-C4(100.2eV)、Si-Si
4(99.4 eV)の結合状態により表された。
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金井 俊光, 澤田 勉, 豊玉 彰子, 山中 淳平, 北村 健二
セッションID: 2P050
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
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シリカやポリスチレンなどの単分散コロイド微粒子を周期的に配列させた構造体はコロイド結晶と呼ばれており、近年フォトニック結晶としての応用が期待され、注目を集めている。その実用化には、大面積で単結晶性の高い結晶組織を短時間で簡単に作製することが重要となっている。我々は、単分散微粒子が水に分散したコロイド分散液を平板状のキャピラリーセル内で勢いよく流動させることで、微粒子を大面積で均一に配列できることを見出した。さらに、水に分散した配列体は不安定であるが、高分子ゲルで構造を固定化することに成功した。本発表では、これらの作製方法と得られたフォトニック結晶の光学特性について報告する。
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増田 佳丈, 河本 邦仁
セッションID: 2P051
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
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ナノ・マイクロ微粒子単独あるいはその規則集積体において、バルク体には見られない新機能が発現することから、粒子集積体の作製・粒子ハンドリング技術が注目されている。粒子集積体によりフォトニック結晶を目指した場合、任意に粒子集積体を2次元・3次元パターン化し、複雑な構造体を作製するプロセスの開発が必要である。さらに特性向上のためには、作製した集積体の構造・欠陥の評価方法の開発が望まれる。本研究では、新規プロセス “二溶液法” を提案し、“粒子球状集積体の作製およびそのパターニング”を初めて実現した。さらに、既存構造体を上回るパターン解像度を有する“高規則性粒子集積体2次元パターン”を実現した。また、これらの粒子集積構造体を結晶に見立て、2次元パターンの結晶構造・格子間隔の解析から形成過程を評価し、粒子球状集積体表面の線欠陥の定量評価から構造体およびプロセスを評価した。
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井原 梨恵, 橋本 大志郎, 紅野 安彦, 藤原 巧, 小松 高行
セッションID: 2P052
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
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近年、ガラスにレーザー照射を行うことにより、ガラス表面および内部改質を試みる研究が盛んである。我々は、これまでにサマリウムイオン含有ガラスにNd:YAGレーサーを集光照射することで屈折率変化や結晶化を局所的に誘起させたドットおよびラインパターニングに関する研究を報告してきた。しかし、ごく微小時間のレーザー照射によるガラス表面変化はいまだ不明な点が多い。本研究では、ミリ秒から数秒オーダーのレーザー照射によるガラス表面変化を観察した。実験にはcw Nd:YAGレーザーに吸収を持つ希土類イオンや遷移金属を含有したガラスを使用した。
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秋葉 周作, 笠原 正靖, 吉本 護
セッションID: 2P053
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
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酸化物ガラス表面をナノスケールで加工するために、我々は非晶質材料特有の過冷却液体状態に関連した軟化挙動に着目した。この軟化するという特性は、ガラス固有の特性であり、表面構造をナノスケールで自由に制御できる可能性を秘めている。今回我々は、熱式ナノインプリント法と自己組織化で作製した酸化物ナノモールドを用いて、酸化物ガラスの表面ナノ加工を試みるとともに、その高機能化に関する検討を行った。当日は作製した種々のナノ構造の特性、及びナノパターンガラスを新規ナノ構造基板として用い、その上へ合成した機能性薄膜の諸特性に関しても報告する。
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武部 博倫, 西元 修司, 桑原 誠
セッションID: 2P054
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
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系統的にBaO、CuO及びB2O3の含有量を変化させたCuO-BaO-P2O5-B2O3ガラスを熔融法により作製した。特にCuO及びP2O5を原料に用いる場合、試料中の水分量を低減する目的で水蒸気分圧と酸素分圧を1ppm以下に制御したN2ガスパージのグローブボックス中で秤量した。DTA及びTMAによりガラス転移温度、結晶化開始温度及び線熱膨張係数を測定した。ケロシンを浸液とするアルキメデス法により密度を測定し、分子容を算出しさらにガラスを構成するイオンを剛体球と仮定することでイオン充填率を算出した。Cu2+の吸収帯から[Cu2+]の存在割合を求めた。赤外透過スペクトルによりガラス中に残存するOH量を評価した。ラマン分光によりガラス構造を推定し、熱的及び光学特性との関係を調べた。CuOの含有量の増大とともにガラス転移温度は低下するとともに線熱膨張係数も同様に低下する傾向を示した。この組成依存性についてCu2+のガラス構造に対する役割と関連付けて考察する。
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野中 航, 武部 博倫, 桑原 誠
セッションID: 2P055
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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バリウムホウリン酸塩ガラスの温度と粘性の関係を調べるために、ペネトレーション法を用いて粘度を測定した。測定試料は φ5mm×3mmの円筒形ガラスであり、測定粘度域は10
7_から_10
10[Pa・s]である。標準試料にNBS711を用いて装置定数を決定した。ガラス試料には、粉末原料を500℃で2時間仮焼した後、1250℃で1時間熔融し、冷却してガラス化させたものを用いた。粘度のB
2O
3含有量依存性とガラス構造の関係について考察を行った。
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瀧川 和美, 山口 朋浩, 北島 圀夫, 樽田 誠一
セッションID: 2P056
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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カルシウムマイカが析出した結晶化ガラスのイオン伝導を高めるために,マイカ層間のCa
2+イオンを高電荷密度化することを試みてきた.Ca
2+イオンを高密度化することによって四面体層の Si
4+イオンを減らし,Al
3+イオンを増加させなければならない.しかし,網目形成酸化物であるSiO
2の減少によってガラス化が困難となった.そこで本研究では中間酸化物であるAl
2O
3の一部を網目形成酸化物であるB
2O
3で置換したCaMg
3Al
(2-x)B
xSi
2O
10F
2(X=0.7_から_0.9)組成のガラスを結晶化させ,ボロン置換型高電荷密度カルシウムマイカ結晶化ガラスを作製した.X=0.7で核形成剤としてCaF
2を0.1mass%添加し,800℃,1h熱処理試料は主結晶相としてマイカ結晶が多量に析出し,測定温度650℃で1.3×10
_-_7(S/cm)の伝導度を示した.
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山本 佳嗣, 橋本 典嗣, 新島 聖治, 橋本 忠範, 那須 弘行
セッションID: 2P057
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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Li
2B
6O
10(LBO)化学量論組成を持つガラスを溶融急冷法により作製し、熱処理によりガラスを部分結晶化させ、ガラスセラミックスとした。結晶化は、核形成と結晶成長からなる二段階熱処理、または、核形成助剤としてTiO
2を用いた一段階熱処理によって行った。これらの処理方法の違いにより、結晶の析出挙動に差異が見られた。
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赤井 智子, 松本 佐智子, 山下 勝
セッションID: 2P058
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
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鉛ガラスの廃棄時の耐水性評価を行うことを目的として、鉛ガラス(7.3Na2O-6.4K2O-3.7MgO-5.4CaO-66.4SiO2-7.8PbO-3Al2O3 (mol %))をpHの異なる溶液に浸漬させ、浸出試験を行った後、SEM、光学顕微鏡によって表面状態を観察した。
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松浦 良成, 老久保 雄太, 岡野 恵聖子, 由井 和子, 内田 寛, 板谷 清司, 幸田 清一郎
セッションID: 2P059
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
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シリケートコーティング膜作製技術の一つであるSol-Gel反応として知られるメチルトリエトキシシランの加水分解・縮合反応を
29Si-NMR法により追跡した。初期反応の加水分解においては、まず3つのエトキシ基が全てOH基により置換され、その後、比較的遅い速度で2量体、3量体が生成した。Sol-Gel法を用いてハードコート膜を作製する際には、コロイドシリカなどの添加物を加えることがある。そこで、これらの添加物やpHが反応速度や機構に及ぼす効果を調べ、Sol-Gel反応の制御の方法を検討した。
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小幡 亜希子, 前田 浩孝, 春日 敏宏
セッションID: 2P060
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
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骨形成の促進作用があると知られるSiを添加させたポリ乳酸/シロキサン/炭酸カルシウム複合体を作製し、細胞親和性、増殖性および分化について検討した。この複合体は生体分解性を有しており、またバイオミメティック法を用いることにより複合体表面に骨類似アパタイトを作製することが可能である。骨類似アパタイトには複合体から溶出したSiが含有されており、Siの徐放効果が期待される。実際に骨芽様細胞および間葉系細胞を用いた培養実験を行ったところ、Siを添加していない複合体と比較して、増殖性および骨芽細胞への分化能の促進が確認された。また骨芽細胞を用いた培養実験により骨小結節の形成観察を行い比較検討した。
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岡田 正弘, 生駒 俊之, 古薗 勉
セッションID: 2P061
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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ハイドロキシアパタイト(HAp)は硬組織および軟組織への生体適合性が高い材料である。細胞と材料との相互作用を評価する場合、同一の細胞集団の連続的な観察が可能な透明体は理想的な材料である。これまでに、熱間等方圧加圧成形や放電プラズマ焼結などの高温プロセスによりHAp透明体が作製されてきた。本発表では、高温・高圧プロセスを行わずに低結晶性ハイドロキシアパタイト透明体を作製することを試み、さらにその細胞接着性について報告を行う。
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黒澤 佳弘, 加藤 且也, 斎藤 隆雄, 横川 善之, マイケル ムツアロ, 亀山 哲也
セッションID: 2P062
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
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生体親和性に優れ、タンパク質などに対して特異的な吸着を示すアパタイトは,骨充填材のみならず,タンパク質などの生体高分子の除放担体としても検討されている.しかし,一般的なアパタイトはその高い結晶性のために溶解性が低く,除放後に生体内に残存する可能性もある.そこで,生体内で溶解されやすい低結晶性のアパタイトが除放担体として注目されている.今回は,数種類の方法によって合成された非晶質リン酸カルシウム(ACP)ナノ粒子のタンパク質吸着と脱着について検討した.また, ACPナノ粒子が細胞増殖に及ぼす影響,そして細胞に対する毒性に関しても検討を行った.
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林 彦史朗, 斎藤 隆雄, 加藤 且也, 横川 善之, 亀山 哲也
セッションID: 2P063
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
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低細胞密度で播種し培養されたマウス骨芽様細胞株MC3T3-E1は、表面粗さが小さい担体上では、造骨細胞の細胞応答に良好な結果を示した。一方、表面粗さが大きい担体上では、造骨細胞の細胞応答が抑制される傾向となった。この原因としては、表面粗さによって、細胞接着タンパク質発現やアクチンフィラメント配向、細胞形態は顕著な影響を受けた。表面粗さが大きい担体上での細胞増殖が抑えられ、細胞集団が形成されにくく、細胞分化の制御に寄与するギャップジャンクション(GJ)の形成が低く抑えられた。その為に、細胞が低分化状態に留まることが示唆された。以上のことより、担体表面粗さが、細胞形態、増殖、GJを介した細胞の分化、石灰化に影響を及ぼす結果となったと考えられる。
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村上 節明, 石田 秀輝, 井奥 洪二
セッションID: 2P064
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
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これまでアパタイト(HA)材料の物理的特性、例えば機械的強度の向上をめざした研究は多数行われてきたが、材料特性を活かした高機能化を目的とした複合材料の報告は極めて希薄である。本研究では水熱法を用いることにより、120℃という低い温度でHA材料を作製し、機能材料の機能を損なうことなく機能性複合材料を作製することを試みた。実験ではα-リン酸三カルシウム粉体にマグネタイト粉体を添加し、水熱処理を行った。水熱処理後、マグネタイト粒子が均一に分散保持されたHA単結晶状粒子から構成される多孔性複合体が合成できた。以上のことから、本作製法はマグネタイトをはじめとする種々の材料とHAとの複合化に有力な方法であると考えられる。
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木付 貴司, 斉藤 隆雄, 大柿 真毅, 横川 善之
セッションID: 2P065
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
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骨類似アパタイトと血清タンパク質の同時析出により形成される血清タンパク質吸着骨類似アパタイト層上で,骨芽細胞様細胞に対する高い細胞接着性および増殖性を発見した.本研究では,基材へのタンパク質吸着による骨類似アパタイト層形成の影響と形成された骨類似アパタイト層上での細胞反応を検討した.基材にストロンチウムアパタイト(Sr-HAp)を用いたところ,その表面にはナノサイズの球状粒子からなる骨類似アパタイト層が形成され,細胞接着および増殖が促進されることを確認した.リン酸カルシウム塩のCa-HApを基材とした場合と同様の効果が認められたことから,形成された骨類似アパタイト層には基材の影響は認められなかった.
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鈴木 実, 稲垣 雅彦, 魚江 康介, 横川 善之, 亀山 哲也, 斎藤 隆雄
セッションID: 2P066
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
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プラズマ溶射法により形成した、表面にC面が優先的に出現した水酸アパタイト(HA)皮膜の表面におけるタンパク質の吸着挙動について検討した。0.08mg/mlのタンパク質(BSA,CytchromeC)溶液1mlにC面配向したHA皮膜試料および無配向の焼結体HAを、室温で1時間浸漬し、10mMリン酸緩衝液で表面を軽く洗浄した後、乾燥させた。試料表面における赤外吸収スペクトルを反射顕微FTi-IRにて観察した。C面に優先配向したHA皮膜表面においてはタンパク質の吸着に起因する赤外吸収帯が観察されたが、無配向の焼結体HAではタンパクによる赤外吸収は観測されなかった。
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渡辺 元, 生駒 俊之, 陳 国平, 田中 順三
セッションID: 2P067
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
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ハイドロキシアパタイト(HAp)は、生体適合性に優れ、タンパク吸着特性を持っていることから、ドラッグデリバリーシステム(DDS)用キャリアへ応用する研究が進められている。しかし、HApは、タンパク吸着後、長期間安定に保持できない、徐放制御できない等の問題点が挙げられる。そこで、本研究では、HApと生体軟組織に多量に存在する酸性ムコ多糖であるヒアルロン酸(HyA)を複合化させ、スプレードライ法により、球状多孔質微粒子の作製・評価を行った。
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森岡 幸, 斎藤 隆雄, 黒澤 佳弘, 加藤 且也, 横川 善之
セッションID: 2P068
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
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界面活性剤を利用した均一孔のメソポーラスシリカ物質 (MPS) の合成をきっかけに、その規則性の高さを利用した触媒、吸着・分離剤、クラスター合成のミクロ容器等への様々な応用が現在盛んに検討されている。 さらにMPSを液晶パネルや燃料電池に利用する研究開発も開始されており、ますますMPSの応用範囲が拡大すると考えられている。しかしMPSの様な新規なナノマテリアル、特にナノ粒子の生体安全性については十分に検討されておらず、今後MPSの多方面での利用以前に、in vivo及びin vitro両面から、MPS類の生体安全性について明らかにする必要がある。今回我々は、様々な粒子サイズ (200nm_-_5μm) を有するMPS類を合成し、それらナノ粒子の細胞増殖に与える影響や毒性について詳細に検討した。
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栗原 亜弥, 難波 征太郎, 栗林 清
セッションID: 2P069
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
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硝酸インジウム.・n水和物(In(NO
3)
3・nH
2O)および硫酸バナジル・n水和物(VOSO
4・nH
2O)を出発原料とした前駆体溶液から合成したInVO
4紛体は硫黄成分の除去が不十分なため、不純物相としてInSO
4OH
2・H
2Oを含み、水に対する安定性がないことが確認された。そこで、本実験では硫黄を含まない原料として酸化バナジウム(V
2O
5)用い、硝酸インジウム.・n水和物(In(NO
3)
3・nH
2O)との前駆体溶液を作成した。この前駆体溶液を粉体にした後、650℃、空気中で2時間焼成してInVO
4紛体を合成した。合成したInVO
4紛体のキャラクタリゼーションとメチレンブルーの分解より光触媒特性を評価し、TiO
2との比較を行った。
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西本 俊介, 松田 元秀, Harjo Stefanus, 星川 晃範, 神山 崇, 石垣 徹, 三宅 通博
セッションID: 2P070
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
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プロトン化層状ペロブスカイト型化合物の中性子回折による結晶構造の解明と光触媒特性の評価が行われた。
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野澤 絵美子, 白田 佳子, 高木 善樹, 栗林 清
セッションID: 2P071
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
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Ag
2O-V
2O
5系化合物であるAgV
7O
18およびAg
2V
4O
11を固相反応法によって合成した。AgV
7O
18は300∼650℃で、Ag
2V
4O
11は200∼530℃で、空気中で20時間焼成した。合成した試料のキャラクタリゼーションは、XRD、SEMにより相の同定および微細構造を調べた。また、試料の比表面積は、BELSORP-mini装置を用いて測定した。光触媒特性を評価するため、蛍光灯およびブラックライト照射下でのメチレンブルーの分解特性を測定した。その結果、Ag含有量の多いAg
2V
4O
11の方が、AgV
7O
18よりもメチレンブルー分解能が良いことが分かった。
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伊藤 秀章, 久保 尚, 笹井 亮
セッションID: 2P072
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
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放射線防護やテレビのブラウン管に利用されている鉛ガラスは、有用であるが、鉛という有害元素を含有するため、廃棄時にその処理が問題となる。我々は、鉛ガラスからの鉛の分離回収が従来の高温溶融法ではなく、キレート剤存在下での湿式メカノケミカル法を用いることで室温下でも可能となることを明らかにした。しかしながら、この処理で用いるキレート剤は、高価であり、実用化の際にはコストが問題となる。これを解決するために、処理後に得られる鉛キレート錯体から鉛を分離し、キレート剤をリサイクルする手法を検討した結果、鉛を天然鉱物であるリン酸塩化鉛とすることで、キレート剤の再生が可能であることを明らかにした。
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山崎 拓也, 井奥 洪二, 石田 秀輝
セッションID: 2P073
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
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カオリナイトを出発物質としたメソ多孔体の水熱合成を試みた。メソ多孔体は高い調湿性能を有しており、この粘土材料が固化できれば、超低環境負荷・高機能材料のとなる。出発原料にはカオリナイトを主成分とする本山木節粘土を用い、これを400-900℃までの範囲で加熱することによりメタカオリン化の程度を変えて実験に用いた。メタカオリンは水酸基の脱水により作られたメソオーダーの脱水孔を持つ物質であり、この構造を利用した細孔量の多い多孔体作製を狙った。合成は、カオリナイト、生石灰、石英を湿式混合し、これを30MPaで一軸加圧成型の後、150℃の飽和水蒸気圧下で水熱反応を行った。
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高石 大吾, 稲田 博文, 佐藤 昌利
セッションID: 2P074
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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未利用資源や廃棄物の有効利用を目的として,ソーダ石灰ガラスである廃ビンガラス粉末を主原料に電気絶縁材料に適した低温焼成セラミックスの開発を研究してきた。これまでに,粉末プレス成形法により低温焼成ワラストナイト質ガラスセラミックスを開発した。実際のセラミックス製品には様々な寸法・形状・構造や機能等があり,多様な要求に応えるためには最適な成形方法を検討する必要がある。押出成形は長尺の棒・パイプ・シートや複雑形状のハニカムなどの成形に適しており,量産性にも非常に優れている。本研究では,廃ガラスを用いた低温焼成セラミックスの押出成形法について添加剤の影響などの成形条件を検討し,さらに焼結体を作製して機械的特性等を評価した。
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吉田 直哉, 鈴木 俊介, 宋 政桓, 酒井 宗寿, 橋本 綾子, 亀島 欣一, 中島 章
セッションID: 2P075
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
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先に報告しているように、フルオロアルキルシランおよびアルキルシラン類のシランカップリング剤を用いたシリコンウェハー基板の浸漬法による撥水処理において、溶媒の種類およびシランカップリング剤の濃度を適切に調整することで、高度に平滑な処理表面とそれに伴う高度な撥水性および水滴除去性(動的撥水性)を付与することができる。シランカップリング剤として、鎖長の異なるアルキルシラン類およびフルオロアルキルシラン類を用いて平滑なコーティングを行い、シランカップリング剤の構造の観点から、その静的・動的な撥水性について検討を行ったので報告する。
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渡 孝則, 荒川 博美, 濱北 明希, 鳥飼 紀雄, 矢田 光徳
セッションID: 2P076
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
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本研究では、稲藁や麦藁を炭化し多孔質炭素材の製造を行なった。藁(稲藁、麦藁)を2cmに切断し、二重ルツボに入れ、ルツボの間をグラファイトで覆い、これを電気炉中、600_から_1150℃、1時間保持し、藁を炭化した。炭化時の重量減少率は、稲藁で62_から_69%、麦藁で72_から_84%となり、共に1000℃で極大値を示した。炭化藁の炭素含有率は、稲藁では37_から_48%であったが、麦藁では73_から_87%と大きくなった。また、炭化藁の比表面積は、稲藁では68_から_111(m
2(/SUP>/g)、麦藁では352_から_898(m2/g)となり、稲藁では炭化温度が高くなるにつれ減少するが、麦藁では1000℃で極大値をとり、この値は800℃及び1150℃の約2倍を示した。
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亀島 欣一, 鈴木 俊介, 吉田 直哉, 酒井 宗寿, 宋 政桓, 橋本 綾子, 中島 章
セッションID: 2P077
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
会議録・要旨集
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材料の撥水挙動は身近な現象であり重要な物性である.有機系の撥水剤の中でもフッ素系と水素系では,フッ素系の方が水との相互作用が強いとされている.本研究では撥水表面のF・H基と水分子の相互作用を,分子軌道法を中心とした計算化学的手法でシミュレーションした.計算結果から水分子の表面基との相互作用の影響が示された.Hの場合は水分子のOとHの引力が大きく作用し,Fの場合は分子内のHとFが強く作用した.結果として,F系では水分子を表面に強く引きつけた.これは既往の村瀬らの報告と一致した.
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宋 政桓, 酒井 宗寿, 橋本 綾子, 吉田 直哉, 鈴木 俊介, 亀島 欣一, 中島 章
セッションID: 2P078
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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撥水性固体表面における液体の濡れ性を評価するのは単に水をはじくだけでなく、液滴の除去性能を示す「動的」な濡れの重要性が期待され始めている。実際の工業材料では大きさや機能などから表面の傾斜角が決まっている場合がほとんどで、「動的」な濡れを評価する場合、転落を開始する傾斜角よりもむしろ一定の傾斜角における液滴の転落加速度で議論されることが必要である。今回、前処理した基板上へ転落性が異なる撥水性シランを用いて連続的な表面エネルギー傾斜を持つコーティング膜を作製し、その傾斜複合表面構造膜での液滴の転落加速度や転落角等の水滴除去性の計測結果について述べる。
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奥村 健, 丸屋 航司, 冨樫 伸明, 大石 克嘉
セッションID: 2P079
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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我々は,これまでLi4SiO4のCO2吸収・放出挙動を,フリーマン・キャロル法を用いて反応速度論的に調べてきた。この方法は,放出挙動については妥当な結果を与えたが,重要なCO2吸収挙動については明確な結果を与えなかった。今回,我々はLi4SiO4のCO2吸収・放出反応を調べるに当たり,基礎に戻り,測定温度を一定にした場合において反応率が測定時間によりどのように変化するかを調べることによって,それら反応の速度定数kを概算することにした。種々の粒径をもつLi4SiO4を合成し,それら試料のCO2吸収・放出挙動を,熱重量分析装置を用いて様々な温度で調査した。得られたデータを反応速度論により解析することによって,Li4SiO4の最適な合成温度およびCO2吸収・放出条件を検討したので報告する。
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田尻 耕治, 長野 志保, 多井 豊
セッションID: 2P080
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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我々は、サイズ制御したチオール保護金超微粒子のサイズを変化させることなく担体へ固定化し、担持体を作成する簡便な方法を見出した。その結果、担体条件によって一酸化炭素酸化触媒活性に大きな差を生じる担持体が得られることがわかった。そこで、低温(273K以下)で一酸化炭素酸化触媒活性を示す担持体の担体条件を検討した。担体には多孔質担体を使用し、条件として、チタニア被覆の有無、担体作製条件(超臨界乾燥雰囲気,熱処理の有無)等を行った。その結果、チオール保護金超微粒子はアモルファスチタニアを含有する多孔質担体に担持されることで、低温でも高触媒活性を示すことが分かった。
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伊藤 陽一, 山口 十志明, 平野 眞一, 菊田 浩一
セッションID: 2P081
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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セラミックスのテープキャスティング成形と同時焼成技術に注目してSOFCの作製を検討している。テープキャスティング成形により薄い電解質シートを作製し、電極シートと積層して同時焼成すれば、電解質による内部抵抗の減少と、プロセスの簡略化が可能となる。本研究では、従来テープキャスティング成形に使用されてきた有機溶媒に替えて、環境にやさしく、安全、安価な水を溶媒として用い、各セラミック層の焼結挙動を調べ、調整することによって、平板型SOFCの作製に成功した。
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高橋 辰也, 大倉 利典, 門間 英毅, 山下 仁大
セッションID: 2P082
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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Na
2O-Y
2O
3-(V
2O
5, MoO
3)-SiO
2 系結晶化ガラスにおいて、結晶化の熱処理条件が生成結晶相や導電特性に及ぼす影響、また、導電性に相関する微構造について検討した。
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宮田 康史, 筒井 光範, 藤代 芳伸, 淡野 正信, 岩間 由希
セッションID: 2P083
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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固体電解質形燃料電池において、薄膜電解質を支持するアノード極支持構造電池では、電極の厚みが数十から数百ミクロンとなるため良好なイオン伝導とガス拡散性の確保が重要となる。電極内のYSZ(イットリア安定化ジルコニア)の結晶性を高め、イオン伝導性を確保するために1000℃以上の高温焼結を行うとアノード電極は緻密構造体になりガス拡散性が損なわれる。そこで本研究では高温焼結条件においても造孔作用を持つ炭素材料を用いてイオン伝導体と触媒の多孔質複合電極を試作し、燃料電池電極への応用を検討した。
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小田 耕平, 福住 志津, 青木 薫
セッションID: 2P084
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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ホウ酸メラミンの熱分解により生じるBCN化合物の、リチウムイオン2次電池の電極材料としての特性を検討した。成型体の抵抗率は、0.3Ωm程度で、電池の実用的な動作温度範囲ではその温度依存性は小さいことがわかった。作用極としてBCN化合物成型体、参照極・対極として金属Liを用いてサイクリックボルタンメトリを行ったところ、0.2-0.4V付近に、Li
+のインターカレーションに起因すると考えられるピークが観察された。BCN化合物のみの成型体は、電解液に浸漬すると外形が容易に崩れるため外形を維持するためにバインダであるPTFEを60wt%以上添加しなければならない。充放電容量を高めるためには、含有率をより一層高める必要があり、成型用バインダを工夫するか、結着性を高めるために何らかの表面処理を行う必要がある。
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小野田 和洋, 藤本 憲次郎, 伊藤 滋, 井上 悟, 渡辺 遵
セッションID: 2P085
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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我々が開発したコンビナトリアル静電噴霧システム“M-ist Combi”を利用し、擬四元系リチウム二次電池材料の高速合成と評価を行った。当該システムにより、1日に100種類程度の組成比制御した試料が合成でき、従来では大量の時間を費やさなければならなかった単一相化合物に適した組成比の発見が可能になった。また、電極評価試験に関しても高速評価するための検討を行っている。
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奥田 匠昭, 竹内 要二, 右京 良雄, 近藤 広規
セッションID: 2P086
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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出発原料を変えて固相合成法でLiFePO4を合成した。Fe原料にフマル酸鉄、シュウ酸鉄を用いた場合に高容量のLiFePO4が得られた。これは、高度に分散した出発原料中のCがFeの酸化を効果的に抑制したことに起因すると考えたれた
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西山 伸, 今野 真, 服部 豪夫
セッションID: 2P087
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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環境に優しい半導体材料である β-FeSi
2について、Siの一部をBで、また、Feの一部をMnあるいはCoで置換させた粉末試料を合成し、これらを水熱利用のHIP(熱間等方圧加圧焼結)法により焼結させ、得られたHIP体の熱電変換特性の評価を行った。β-FeSi
2にBを添加すると、電気伝導度(σ)が400℃以下の不純物伝導領域で高くなり、ゼーベック係数(α)が200℃付近で負から正へ転じた。FeをMnあるいはCoで置換すると、Bの有無に関わらず、α相からβ相への相転移が起こりにくくなり、単味のβ相を得るためには96h以上のアニーリングが必要であった。また、焼結体のαおよびσの値はアニーリング時間に依存しており、48 hアニールサンプルが最も高い熱電性能を示し、熱電変換特性が焼結体中に存在するα相の割合に影響されると考えた。
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小林 亮太, 多々見 純一, 脇原 徹, 米屋 勝利, 目黒 竹司, 後藤 孝, 塗 溶
セッションID: 2P088
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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AlNとSiCは高温で固溶体を形成し,組成に依存して微構造や特性が大きく変化することが知られている.我々のこれまでの研究で,固溶体の形成により導電率やゼーベック係数が制御できることがわかっている.本研究では,さらなる電気的特性の向上を目指して研究を行った.加圧焼結を利用することにより,低温で緻密な焼結体を作製した.さらに作製された緻密体をより高温で熱処理することにより,緻密かつ均質で高い導電率を有する固溶体が得られた.
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岩崎 航太, 伊藤 剛, 吉野 正人, 松井 恒雄, 長崎 正雅, 有田 裕二
セッションID: 2P089
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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ペロブスカイト型の酸化物においては、3d遷移金属を有するSrTiO
3、CaMnO
3、LaCoO
3等において高い熱電特性が報告されている。しかしながら、Ti, Mn, Co系以外の化合物に関しては、その熱電特性に関する報告は非常に少ない。本研究ではペロブスカイト型構造を有する(La,Sr)FeO
3、及びLa(Fe,Ni)O
3の多結晶体を合成し、その導電率、ゼーベック係数、出力因子を評価した。両試料の導電率はSr、Ni量の増加に伴い上昇したものの、その一方で、ゼーベック係数は減少する傾向を示した。出力因子は、1.1×10
-4 Wm
-1K
-2 [(La
0.9Sr
0.1)FeO
3]、0.63×10
-4 Wm
-1K
-2 [La(Fe
0.9Ni
0.1)O
3]を示した(1100 K)。
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池内 薫, 安川 雅啓, 河野 敏夫
セッションID: 2P090
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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Baの硝酸塩及びLa,Snの塩化物を原料としたエチレングリコール溶液にクエン酸のエタノール溶液を加え,加熱攪拌によりBa,La,Snのクエン酸-エチレングリコール重合体ゲルを合成した。これを623Kで加熱分解することにより前駆体粉末とし,高温焼成によりペロブスカイト型Ba
1-xLa
xSnO
3セラミックスを作製した。作製したセラミックスについて,373-1073Kの温度範囲で電気伝導率とゼーベック係数を測定し,熱電出力因子を評価した。固相反応法及び共沈法により作製したセラミックスの熱電特性と比較する。
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中津川 博, 五味 奈津子, 田中 紀壮
セッションID: 2P091
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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高い熱電特性を示す[Ca2CoO3]0.62CoO2は、伝導層CoO2層間にb軸方向に異なる周期を持つ絶縁層[Ca2CoO3]層が挿入され、単斜晶のa, c軸を共有した層状複合結晶である。CoO2層はC2/mの対称性を有し、[Ca2CoO3]層はC21/mの対称性であるので、両者の間には大きな変位変調が観測される。今回、我々はPb添加された[Ca2CoO3]0.62CoO2を作製し、その結晶構造と熱電特性を測定した。試料は原料粉末CaCO3 (99.9%)、Co3O4 (99.9%)、PbO (99.9%)より、一般的な固相反応法を用いて、多結晶試料 [(Ca1-xPbx)2CoO3]0.62CoO2 (0.00≦x≦0.08) を作製した。焼成条件は、空気中920℃で数回の焼成を繰返し、酸素雰囲気中700℃でアニール後クエンチすることによって目的試料を得た。作製した全ての試料について、室温での粉末X線回折測定をすることにより相の同定を行った。また、全ての試料について、400K以下の温度範囲で、熱電特性と磁化率の測定を行った。右図は、x=0.04の試料の結晶構造と熱電特性の結果である。超空間群C2/m(1 p 0)s0を用いて構造解析した結果、a = 4.8252Å、b1 = 2.8237Å、c =10.8669Å、β = 98.116°、b1/b2 = 0.618 を得た。室温における抵抗率と熱起電力はそれぞれ28.5mΩcmと124μV/Kであり、高い熱電特性を示した。磁化率測定の結果から、20K以下で明らかなフェリ磁性転移も確認した。講演では、その詳細を報告する予定である。
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池内 薫, 安川 雅啓, 河野 敏夫
セッションID: 2P092
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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InCl
3,SnCl
2の混合水溶液をスピンコーティングによりガラス基板上に塗布し,熱分解によりITO薄膜を作製した。作製したITO薄膜の電気伝導率及びゼーベック係数を測定し,熱電出力因子を評価した。Sn固溶量にともなうITO薄膜の熱電特性の変化を報告する。
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井上 侑子, 鳥飼 紀雄, 渡 孝則, 矢田 光徳
セッションID: 2P093
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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尿素を用いた均一沈殿法により、ルテニウム化合物/有機分子ナノ複合体を合成した。生成するナノ構造は鋳型となる有機分子の種類に大きく依存し、ナノチューブや中空球状粒子やハニカム類似構造体などの様々なナノ構造体が生成した。
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矢田 光徳, 鳥飼 紀雄, 渡 孝則, 井上 侑子
セッションID: 2P094
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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尿素を用いた均一沈殿法により、ルテニウム化合物/有機分子ナノ複合体を合成した。生成したナノ構造は鋳型となる有機分子の種類に大きく依存し、ナノチューブや中空球状粒子やハニカム類似構造体などの種々のナノ構造体が生成した。
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関 成之, 西出 利一
セッションID: 2P095
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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我々は水系で水酸化ハフニアウムをギ酸で処理し透明ゾルを得て,それを用いて高硬度・撥水性ハフニア薄膜の作製に成功している。そこで,新たに酢酸を含むハフニア薄膜を作製しその構造と性質を調べた。水酸化ハフニウムを酢酸で処理して得られた透明ハフニアゾルを,ガラス基板に塗布し,高圧水銀灯を用いて紫外線を照射してハフニア薄膜を作製した。この薄膜は,平均粒径12nmの微小粒子からなり,鉛筆硬度9H以上の高硬度を示した。水に対する接触角は経時により上昇し,約7日後に約100°となり撥水性を示した。この値は対応するギ酸を用いたハフニア薄膜のそれと比較すると高く,酢酸により高撥水性が発現することが分かった。
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丸野 敦紀, 野間 直樹, 伊藤 征司郎
セッションID: 2P096
発行日: 2006年
公開日: 2007/10/24
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色素増感型太陽電池の性能を高める一つのアプローチとして、広い表面積をもつTiO
2膜を用いることで、吸着させる色素の量を増やすことが挙げられる。これまでに我々は、Tiアルコキシドに微粒子安定化剤であるテトラエチルアンモニウムを加えてコーティング溶液を作製し、それを用いて作製したTiO
2膜の表面状態を検討している。その結果、安定化剤の有無により、結晶性の高い緻密な微粒子膜と表面積の広い粗い膜が作製できることを見いだしている。本研究では、これらの2種類の膜を組み合わせた多層膜を作製し、その表面状態、色素吸着量、光電変換特性を検討した結果を報告する。
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