プロジェクトマネジメント学会誌

見積もりにまつわる問題・課題を挙げ,見積り方法論や見積もりの実作業の前に,大きな課題があることを述べる.一度原点に立ち返って基本的な見積り手順,ステップを提示し,どのような作業がそこで行われるべきかを検討し,不適切な見積りが原因によるプロジェクトのトラブルを避けることに役立ちたい.ITベンダ側の見積り担当プロジェクトマネジャの立場を中心に,基本的なスタンスを再確認できることを願っている.

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ITプロジェクトの見積りを行う場合,自社でデータを積み上げた結果をもとに考えることが必要である.しかし新しい領域のソフトウェアや新しい技術を使って開発するソフトウェアの場合,他社のデータを参考に見積ったり,生産性・品質のあるべきレベルを検討していくことが有効である.本稿では,この活動に寄与するために日本ファンクションポイントユーザ会で行っている国内,海外のプロジェクトデータの分析活動等について紹介する.

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「プロジェクトの評価」という課題の前に「プロジェクトの計測と分析」という課題がある.本論は,本来見えにくいソフトウェアプロジェクトを,その進行中に様々な方法で計測し,得たデータを分析できるように可視化して,プロジェクト運営と評価に反映してゆこうとする努力の一つについて述べる.筆者らはソフトウェア開発環境の中の構成管理システムと障害追跡システム,メール管理システムから開発管理に役立つデータを収集し,グラフ等の形で可視的に提示するエンピリカル・プロジェクト・モニタと名付けたプラットフォーム型の計測ツールの提供と普及策をすすめている,本論ではその活動から得た課題について報告する.当該ツールは文部科学省の委託によるEASEプロジェクトで開発されたものを筆者らの所属する(独)情報処理推進機構で商用レベルの品質と機能に高めたものである.

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NEDOでは、追跡調査・評価を行い、プロジェクトマネジメントの改善を図っている。筆者らは、ケーススタディにより得られた研究開発プロジェクトマネジメントにおいて重要と考えられる要因の有効性について、クロス表を用いて統計的な分析を行った。その結果、特に、研究部門と事業部門を繋ぐ,または研究開発と実用化の両方について担当できるキーパーソンの参加を求めることが重要な要因であることが判明した。

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