金融機関のディーリングシステムの開発プロジェクトなどは,専門的な金融知識と高度な数理工学の知識など先端知識が要求されるため,海外のシステム・ペンダーや海外のメンバーとともにプロジェクトチームを構成する,いわゆる「グローバル・プロジェクト」となる場合が多い.さらに急速なグローバリゼーションが進む現在,グローバル・プロジェクトは非常に身近な存在となっている.グローバル・プロジェクトとは,複数の国や地域からきたメンバーで構成されているプロジェクトである.従って,プロジェクトを成功に向けて前進させるには,メンバー間の言語や文化的なバックグラウンドの違いを乗り越え,さまざまな問題を克服しなければならない.これに関して,かつて欧米系グローバル企業で多様なメンバーに囲まれながらグローバル・プロジェクトに従事した著者自身が実際の経験を踏まえて,グローバル・プロジェクトを成功させるために日本人と外国人が共に協調関係を構築するためのカギについて考察し,今後のグローバル・プロジェクトのマネジメントへの提言を行う.
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