宇宙実験でタンパク質結晶が高品質化するメカニズムを解明するための Advanced Nano Step ミッションで、回収結晶の品質評価を行うための地上対照予備実験を行った。ガラスキャピラリ―ヘッドと溶液・流動パラフィンの密閉により、1週間程度の測定の間、グルコースイソメラーゼ結晶を乾燥させずに連続測定ができた。実際には同一の結晶を使って、十分な精度のデジタルトポグラフ、振動写真のグリッドスキャン、フルデータコレクションに成功した。低角反射のロッキングカーブの半値全幅と、高角反射の <
I/σ(
I)> の間には、はっきりとした相関がないことがわかった。モザイシティと半値全幅は、比較的相関がある可能性が高いが、モザイシティは、反射強度の減少に伴い小さくなり、完全性の向上による減少との区別がつきにくい。よって、現時点では結晶の完全性の正確な評価のためにはやはりロッキングカーブを見ないとわからないことが判明した。
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