LaCoO
3 の希薄 Ni 置換系 LaCo
0.99Ni
0.01O
3 は、既報の希薄ホールドープ系と異なり、巨大な磁気応答と顕著な磁気異方性を併せ持つ。その起源として、先行研究では、Ni周囲に局所的に形成される「スピン状態転移型の異方的形状を持つ分子磁石(スピン・軌道・格子のマルチオーダー)」が提案された [K. Tomiyasu
et al., Phys. Rev. B,
87, 224409 (2013)]。そこで、本研究では、分子磁石の立体形状を蛍光X線ホログラフィ法により調査した。その結果、予想に反し、形状は
等方的であり、分子磁石内のスピン・電子状態や磁気異方性の起源には再考を要することが明らかにされた。
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