日本プライマリ・ケア連合学会誌
Online ISSN : 2187-2791
Print ISSN : 2185-2928
ISSN-L : 2185-2928
45 巻, 4 号
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Editorial
原著(研究)
  • 郷原 志保, 須佐 公子
    2022 年 45 巻 4 号 p. 108-115
    発行日: 2022/12/20
    公開日: 2022/12/23
    ジャーナル フリー

    目的:地域で暮らす高齢者の人生の最終段階における医療やケアの選択に対する思いを明らかにすることを目的とした.

    方法:関東の2市町村で実施されている介護予防事業に参加している高齢者に対し,自記式質問紙を配布し,自由記載欄に記述のあった内容を定性的コーディングの手順に則り分析した.

    結果:質問紙の自由記載欄に記述があった135名の記載内容を分析した結果,【人生の終焉は生活の延長】【自分だけのものではない最期】【大切な人に対する配慮】【自分の最期は自分で決めたい】の4つの最終カテゴリーが生成された.

    結論:地域で暮らす高齢者は,【人生の終焉は生活の延長】にあることを実感し,【自分の最期は自分で決めたい】と【自分のものだけではない最期】の相反する心情に揺れ動く中で,自らの経験から家族や周囲へ負担をかけてしまうのではないかという【大切な人への配慮】を含んだ思いを抱いていることが明らかとなった.

  • 後藤 美佳, 林 邦好, 上松 東宏, 小林 大輝, 久賀 孝郎, 大杉 泰弘
    2022 年 45 巻 4 号 p. 116-125
    発行日: 2022/12/20
    公開日: 2022/12/23
    ジャーナル フリー

    目的:COVID-19流行下の乳幼児の感染予防行動の実態,および親子のスキンシップの変化を調査する.

    方法:2021年2月から3月,豊田市公立こども園の園児の保護者を対象に,無記名のアンケート調査を実施した.記述統計,単変量解析(Spearmanの相関係数,Fisher正確確率検定)および多変量解析で分析を行った.

    結果:767家庭(51.4%)から回答を得た.帰宅時手洗いは保護者で78.6%,子どもでは76.2%がいつも行っていた.マスクは保護者で92.7%,子どもでは68.9%が外出時にいつも着用していた.授乳,顔同士の密着は他と比べ減る傾向にあったが(p<0.001),親子のスキンシップの頻度は「変わらない」が最多だった.

    結論:乳幼児は,成人が行っているレベルで感染予防行動を行うのは困難であった.スキンシップの頻度の変化は,多くの親子で見受けられなかった.

原著(症例報告)
  • 水野 将徳, 一城 貴政, 村山 圭, 伏見 拓矢, 乾 あやの, 早坂 もえ, 池原 佳世子, 比嘉 眞理子
    2022 年 45 巻 4 号 p. 126-131
    発行日: 2022/12/20
    公開日: 2022/12/23
    ジャーナル フリー

    40歳女性.乳歯の早期脱落,病的骨折の既往を認めず,家系に骨系統疾患を認めない.倦怠感を主訴に受診.身体所見に異常を認めなかったが,血清アルカリフォスファターゼ値が18 U/Lと低値であった.低亜鉛血症も認めたため補正したが,血清アルカリフォスファターゼは依然低値であった.カルシウム,リン代謝には異常を認めなかった.単純レントゲン写真で骨軟化症は認めなかったが,骨密度がやや低値であった.尿中アミノ酸分析ではフォスフォエタノールアミン上昇を認めた.低フォスファターゼ症を疑い遺伝子検査を施行したところ,ALPL遺伝子にヘテロ接合性ミスセンス変異(c.529G>A p.Ala177Thrおよびc.670A>G p.Lys224Glu)を認め,確定診断に至った.成人型低フォスファターゼ症は非特異的な症状を呈することがあるため,スクリーニングで血清アルカリフォスファターゼを測定することが重要である.

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