目的:地域で暮らす高齢者の人生の最終段階における医療やケアの選択に対する思いを明らかにすることを目的とした.
方法:関東の2市町村で実施されている介護予防事業に参加している高齢者に対し,自記式質問紙を配布し,自由記載欄に記述のあった内容を定性的コーディングの手順に則り分析した.
結果:質問紙の自由記載欄に記述があった135名の記載内容を分析した結果,【人生の終焉は生活の延長】【自分だけのものではない最期】【大切な人に対する配慮】【自分の最期は自分で決めたい】の4つの最終カテゴリーが生成された.
結論:地域で暮らす高齢者は,【人生の終焉は生活の延長】にあることを実感し,【自分の最期は自分で決めたい】と【自分のものだけではない最期】の相反する心情に揺れ動く中で,自らの経験から家族や周囲へ負担をかけてしまうのではないかという【大切な人への配慮】を含んだ思いを抱いていることが明らかとなった.
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