目的:住民主体の通いの場が抱える運営上の課題を明らかにし,活動継続に必要な支援を検討する.方法:2021年9月から11月に,通いの場の住民ボランティア12名を対象にインタビュー調査を行い,活動システムモデルを分析フレームワークとした演繹的内容分析を行った.結果:活動システムの6つの構成要素内では,サポーターは活動継続への不安を抱えていること,通いの場では新しい参加者が増えないこと,人間関係の難しさという地域性があること,構成要素間では,年齢や健康上の理由により通いの場に参加できないこと,働く高齢者が多いことや体操以外にも多様な活動があるため通いの場の参加につながらないことが「矛盾」として挙げられた.結論:通いの場を利用するメリットの見える化や,住民を巻き込んだ幅広い周知活動,あらゆる健康レベルの人でも参加可能な体制づくり,高齢期を見据えた若い世代からの継続した健康づくり支援が必要である.
症例は80歳,女性.2型糖尿病に罹患しており,イプラグリフロジンを内服していた.X-7日に大腸内視鏡検査を施行された後,気分不良のため食事が減少していた.X日に腹痛と繰り返す嘔吐の為,救急搬送された.身体診察と胸腹部単純CTでは腹痛,嘔吐の原因疾患はなく,血液ガス検査ではアニオンギャップ開大性代謝性アシドーシスを示した.血中ケトンは上昇しており,血糖値は182 mg/dLであった.イプラグリフロジンによる正常血糖糖尿病性ケトアシドーシス(以下euDKA)と診断し同薬を中止した.輸液とインスリン投与によりアシドーシスは改善し,腹痛や嘔吐も消失した.SGLT2阻害薬を内服中の患者が本症例のように大腸内視鏡検査に伴う禁食や検査後の食事量減少を契機としてeuDKAを発症しうることを認識し,少なくとも2日前にSGLT2阻害薬を中止する必要がある.
当診療所は,熊野川流域に位置する山間部のへき地診療所である.常勤医の定年退職により2020年より自治医科大学卒業生等の派遣先となった.地域に根ざした診療所でありたい,また児童・生徒が職業を決める時の参考になればとの思いから,学校医を兼任している地元小中学生を対象とした医療体験を企画した.血圧測定・聴診,超音波検査,遠隔医療支援,採血,縫合を体験し,事後アンケートでは医療への関心が高まったと窺えた.
倉敷医師会では「倉敷女性医師の会」を立ち上げ,医師のワークライフバランス(WLB)の改善に取り組んでいる.今回女性医師会員に行ったアンケートでは,57%がWLBを改善させたいと考えていた.本会の活動に対してはWLBや復職関連のニーズが高く,WLBと疾患を共に学べる講演会や女性が参加しやすい福利厚生は新規参加者を増やす上で有用と考えられた.引き続き地域をあげてWLB改善のための活動を行う方針である.
学会理事選挙にクオータ制が導入される機会に合わせ,ダイバシティ推進委員会で女性のリーダーシップ,フォロワーシップ,スポンサーシップについて考えるためのワークショップを実施した.その結果,これらには女性ならではの特徴があることや,女性がこれらを発揮するための支援のあり方が明らかになった.
本ワークショップはピアミーティングの役割も果たし,ニーズ・満足度ともに高かった.今後各方面に広げていきたい.
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