日本補完代替医療学会誌
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6 巻, 3 号
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総説
  • 西谷 真人, 宗清 芳美, 杉野 友啓, 梶本 修身
    原稿種別: 【総説】
    2009 年 6 巻 3 号 p. 123-129
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    先端的な疲労研究を行っている 7 大学をはじめ,食品メーカー,医薬品メーカーなど 19 社および大阪市で構成された産官学連携「疲労定量化及び抗疲労食薬開発プロジェクト」において,抗疲労食品の開発が進められている.抗疲労食品とは,健常者が身体的あるいは精神的に負荷を与えられたときにみられる作業効率の低下ならびに休息欲求と不快感を伴った状態を軽減する食品と定義される.健常者の疲労においては,その発現に酸化ストレスが大きく関わっていることが分かってきており,抗酸化物質の疲労に対する効果について精力的に研究が進められている.中でも動物の骨格筋や脳に多く含まれるイミダゾールジペプチドは,その抗酸化作用により動物試験およびヒト試験で最も顕著な抗疲労効果が確認されている.本稿では新規抗疲労成分イミダゾールジペプチドについて詳細に述べることにする.
原著
  • 林 浩孝, 新井 隆成, STRONG Jeffry Michael, 徳田 春邦, 島野 康子, 太田 康之, 榎本 俊樹, 上馬塲 和夫 ...
    2009 年 6 巻 3 号 p. 131-135
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    ハトムギの種皮を除いた種子の部分であるヨクイニンは長年,疣贅に対する伝統的な漢方薬として利用されている.しかしながら,ハトムギの殻,薄皮,渋皮の熱水抽出物についての安全性試験に関する報告は少ない.そこで,我々はハトムギの殻,薄皮,渋皮,種子のすべての部分を含む熱水抽出物を高用量 (2,000 mg/kg) 摂取した場合の 28 日間反復経口投与毒性試験をラットを用いて行ったところ,当該エキス摂取後の体重変化,血液検査,臓器重量測定・組織病理検査,尿検査のすべての項目において異常は認められなかった.
  • 森 広子, 小林 章子, 吉川 沙苗, 山下 仁
    原稿種別: 【原  著】
    2009 年 6 巻 3 号 p. 137-142
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    目的:精油が循環器系に与える影響に注目し,血圧と脈拍に対する効果を評価した.
    方法:昇圧作用があるとされているローズマリーと,降圧作用があるとされている真正ラベンダーの 2 種類の精油を用いた.被験者 60 名を,ローズマリー群,真正ラベンダー群,およびコントロール群の 3 群に分け,2 分間の香り吸入前後に血圧・脈拍測定を行い,さらに香りに対する嗜好を 10 段階で評価し,香りの嗜好が血圧・脈拍に及ぼす影響も検討した.
    結果:ローズマリー吸入後に有意な脈拍上昇を認めた.また,ローズマリーの香りに否定的な感情をもった被験者群では,吸入後の拡張期血圧上昇傾向を認めた.一方,真正ラベンダーの香りに否定的な感情をもった被験者群では,吸入後の脈拍上昇傾向を認め,「肯定群」「否定群」間で収縮期血圧と脈拍における吸入前後の変化のパターンに有意差が見られた.
    結論:精油成分から想定される効果だけでなく,香りに対する好き嫌いが,生体反応に影響を与える事が示唆された.
  • 梶本 修身, 吉田 勝, 藤代 光明, 廣畑 亮輔, 杉野 友啓, 西谷 真人, 梶本 佳孝
    原稿種別: 【原  著】
    2009 年 6 巻 3 号 p. 143-150
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    本研究では,エアーマッサージチェアの疲労に対する有用性を検証するため,健常成人を対象としたランダム化 2 試験区クロスオーバー試験を実施した.8 時間のデスクワーク負荷の条件下で,VAS, ATMT による作業効率評価,生化学的検査により検証した結果,エアーマッサージチェア群は対照群と比較して,VAS で疲労感の軽減,ATMT の作業効率評価でパフォーマンスの低下抑制がみられた.このことからエアーマッサージチェアがデスクワークによる疲労に対し効果を有することが明らかとなった.また,生化学的検査で唾液アミラーゼの上昇抑制がみられたことから,その作用機序は疲労時に起こる自律神経機能の乱れを調節することであると考えられた.エアーマッサージチェアは,デスクワークによる疲労をはじめとした日常生活において生じる疲労に対して有用であると考えられた.
  • 森 広子, 岩橋 秀夫
    原稿種別: 【原  著】
    2009 年 6 巻 3 号 p. 151-156
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    目的:リボフラビン溶液への UVA (365 nm) 照射によるスーパーオキシド生成に対するティートリーオイル等各種精油の影響について検討した.
    方法:15 μM リボフラビン,0.10 M DMPO (5,5-dimethyl-l-pyrroline-N-oxide), 23 mM リン酸緩衝液 (pH 7.4), 6.3% (v/v) DMSO (dimethyl sulfoxide) を含む反応溶液(標準反応溶液)に UVA (365 nm) を照射し,ESR(electron spin resonance: 電子スピン共鳴)を測定した.
    結果:標準反応溶液に各種精油を種々の濃度で添加すると,ESR ピーク高は濃度依存的に減少した.
    結論:各種精油の抗酸化能は以下の順に大きくなった:ラベンダースーパーオイル<グレープフルーツオイル<ペパーミントオイル<ティートリーオイル<ウインターグリーンオイル.
  • ―復帰変異試験,マウスリンフォーマ試験 (MLA),マウス小核試験―
    林 浩孝, 石橋 範人, 太田 真弓, 新井 隆成, 重田 優子, STRONG Jeffry M, 太田 富久, 鈴木 信孝
    原稿種別: 【原  著】
    2009 年 6 巻 3 号 p. 157-162
    発行日: 2009年
    公開日: 2009/11/11
    ジャーナル フリー
    ハトムギ (Coix lacryma-jobi L. var. ma-yuen Stapf) は伝統薬として長年用いられ,抗腫瘍,抗肥満,抗糖尿などの機能をもつことが知られている.ハトムギの子実,渋皮,薄皮,外殻の全ての部分の熱水抽出物の変異原性について検討するために,細菌を用いた復帰変異試験,マウスリンフォーマ試験およびマウス小核試験を実施した.その結果,いずれの試験においても陰性の結果が得られ,被験食は生体に対し,変異原性を有する可能性はないと考えられた.
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