日本補完代替医療学会誌
Online ISSN : 1348-7930
Print ISSN : 1348-7922
8 巻 , 2 号
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原著
  • 大野木 宏, 中出 祐介, 滝本 裕子, 關谷 暁子, 川島 拓也, シュナイダー アンドリュー, 新井 隆成, 上馬塲 和夫, 鈴木 信孝
    原稿種別: 【原  著】
    2011 年 8 巻 2 号 p. 45-53
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    ガゴメ昆布 (Kjellmaniella crassifolia) 由来のフコイダンを配合した飲料のヒトへの安全性について評価を行った.インフォームドコンセントの得られた健常成人ボランティア 32 名を 8 名ずつ 4 群に無作為に割り付け,2 種類のガゴメ昆布フコイダン配合飲料のそれぞれの 1 日目安量ならびに過剰量(3 倍量)を 4 週間摂取させた.摂取前後に血液検査,尿検査,QOL 調査,免疫機能検査などを行った.その結果,試験期間中,いずれの摂取群においても安全上問題となる検査値の変動例はなかった.また,ガゴメ昆布フコイダン配合飲料に関連し安全性に問題となる有害な事象は見られなかった.加えて,免疫機能検査においては Th1 の増加が認められた.以上,健常成人を対象としたヒト摂取試験によりガゴメ昆布フコイダンを配合した飲料の安全性が示された.
  • 川端 二功, 辻 智子
    2011 年 8 巻 2 号 p. 55-60
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    魚肉ソーセージは魚肉タンパク質を高含有する食品である.実験動物において魚肉タンパク質は血中の総コレステロール,LDL-コレステロール,中性脂肪を低下させることが報告されているが,ヒトにおいて魚肉タンパク質が血中コレステロール値を改善するかどうかについては明らかではない.本研究では,空腹時血中 LDL-コレステロールが 140–179 mg/dL の男性 20 名を被験者とした.各被験者に一日当たり 225 g の魚肉ソーセージを 8 週間摂取させた.摂取させた魚肉タンパク質は一日当たり 13.5 g に相当する.結果,魚肉ソーセージの摂取により,摂取後 4 週又は 8 週において血中の総コレステロール,LDL-コレステロール,動脈硬化指数は有意に減少し (P < 0.01, P < 0.05, P < 0.01),HDL-コレステロールは摂取後 4 週及び 8 週に有意に増加した (P < 0.01).投与期間中,副作用は特に観察されなかった.これらの結果より,魚肉タンパク質を含有する魚肉ソーセージの反復摂取は高コレステロール血症患者のコレステロール値を改善させる可能性が考えられた.
  • 大野木 宏, 滝本 裕子, 鈴木 里芳, STRONG Jeffry M, 鈴木 信孝
    原稿種別: 【原  著】
    2011 年 8 巻 2 号 p. 61-65
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    ガゴメ昆布 (Kjellmaniella crassifolia) 由来フコイダンの安全性を評価するために遺伝毒性試験を行った.その結果,微生物を用いた復帰突然変異試験では代謝の有無に関わらず試験に用いた 5 菌株すべてにおいて陰性であった.細胞を用いた染色体異常試験では代謝の有無に関わらず染色体の構造異常ならびに数的異常は見られず陰性であった.マウスを用いた小核試験では小核出現は見られず,多染性赤血球の減少もみられず陰性であった.以上の結果から,ガゴメ昆布フコイダンは,遺伝毒性を有さない安全な食品素材であることが示された.
  • 石渡 智子, 森藤 雅史, 石島 寿道, 青山 友子, 菅間 薫, 神田 和江, 鈴木 克彦, 樋口 満
    原稿種別: 【原  著】
    2011 年 8 巻 2 号 p. 67-73
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    激運動を実験モデルとして,運動によって生じる自覚的な疲労度と,血中ストレスホルモンおよびサイトカインとの関連性を検討した.対象は運動経験のある健康な男性 8 名とした.実験では激運動と 2 時間の休息後にパフォーマンステストを実施した.運動前,運動直後,2 時間の休息後,パフォーマンステスト後に計 4 回採血を実施した.自覚的疲労度の指標として,visual analogue scale (VAS) を測定した.VAS は,激運動後,パフォーマンステスト後ともに有意に上昇し,運動による疲労度を捉えていた.血液検査では,乳酸,アドレナリン,ノルアドレナリン,成長ホルモン,interleukin (IL)-6, IL-8 が,各運動後に有意に上昇し,運動による生体反応を捉えていた.自覚的疲労度との関連では,乳酸,IL-6 に有意な正の相関を認め,激運動による運動モデルにおいて,乳酸,IL-6 が客観的な疲労の指標になりうる可能性が示唆された.
  • 内川 久美子, 竹井 孝文, WAN Wenhan, 山口 宣夫
    2011 年 8 巻 2 号 p. 75-83
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    大豆は 5000 年もの昔から,東洋の諸国を中心に食用に供されてきた.それ故,生体に及ぼす作用についても多くの研究が進められている.多くの有用性が示される一方で,女性ホルモンと類似構造を有することにより,性周期への影響が副作用として指摘されている.そこで,我々は良質の蛋白源としてのメリットを生かしながら低分子化大豆ペプチドを調製し,新しい機能性の研究を行うことを目的とした.
    乾燥大豆ペプチド 8 gr を毎日 1 回,1 週間経口摂取し,摂取前後で採血し,生体への影響を検証した.その結果,投与前における白血球の数値には正常範囲ながらも個体差が認められた.個体差の内,投与前に高値であった場合は低下し,一方,低値の場合は増加を示し,調整作用が認められた.また,その変化率は投与前の数値に依存した逆相関を示した.さらに,大豆蛋白と大豆ペプチドそれにプラセボをダブルブラインド・クロスオーバーの手法で比較すると,この効果は大豆ペプチド,大豆蛋白の順で作用が弱まり,プラセボでは作用は認めなかった.
    この低分子化製剤は白血球亜群の調節並びに,リンパ球亜群に対しても調節作用を示した.CD 陽性細胞群の中では特に CD11 と CD56 陽性細胞に対して増加的な作用を示し,CD19 細胞は逆に減少を示した.
    一方各種ホルモン検査では,アドレナリンの平均値はペプチドの投与で低下し,ドーパミンは逆に増加を示した.
    また,白血球,情動ホルモン,脳表層血流の変化がそれぞれ関連していることも明らかになった.
  • 丸岡 弘, 藤井 健志
    原稿種別: 【原  著】
    2011 年 8 巻 2 号 p. 85-97
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    目的:マウスにおける食品摂取と運動トレーニング (EX) が酸化ストレス防御系や運動能力へおよぼす影響について検討した.
    方法:対象は雄性マウス 46 匹とし,無作為に還元型コエンザイム Q10 (H2CoQ10: QH) 摂取群,QH 摂取+EX 群,EX 群,コントロール群の 4 群に区分した.全群は研究開始時と研究開始 3 ヶ月,6 ヶ月,9 ヶ月の各時点においてラット用トレッドミルにて限界走行させ運動能力(走行時間)を測定した.酸化ストレス防御系は活性酸素・フリーラジカル分析装置を使用し,研究開始時と 6 ヶ月の時点で酸化ストレス度 (d-ROM test) と抗酸化力 (BAP test) を測定し,d-ROM/BAP 比を算出した.また,9 ヶ月の時点では速反応性/遅反応性抗酸化力 (ANTI-ROM test),血漿 QH 値と血漿 Q10 値を測定し,還元比率を算出した.
    結果:運動能力は短期効果として QH 摂取と EX の併用により走行時間の延長を,長期効果として EX の有無にかかわらず QH 摂取により走行時間の延長を認めた.酸化ストレス防御系は d-ROM test などにおいて QH 摂取と EX の併用による影響を認めなかったが,血漿 QH 値や還元比率では高値を認めた.つまり,QH 摂取と EX の併用は運動によって生じた過剰な酸化ストレスに対して抗酸化作用が賦活化された状態であることが示された.
    結論:QH 摂取と EX の併用は運動能力や還元比率などの酸化ストレス防御系に影響をおよぼすことが明らかになった.
  • 玄 美燕, 岡﨑 真理, 岩田 直洋, 神内 伸也, 鈴木 史子, 飯塚 博, 日比野 康英
    原稿種別: 【原  著】
    2011 年 8 巻 2 号 p. 99-107
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    脳梗塞急性期の虚血性脳障害メカニズムには,酸化ストレスの関与が大きく,また血流の再開による過剰の活性酸素種の産生により脳細胞にアポトーシスが誘発される.本研究では,虚血性脳障害に対する椎茸菌糸体培養培地抽出物 (LEM) の保護効果について,マウス低酸素脳虚血 (H/I) モデルを用いて検討した.
    LEM を 0.5%または 1%の割合で混合した飼料を,マウスに 14 日間自由摂取させた後,一側の総頸動脈結紮および低酸素負荷による H/I 処置を行い,体内酸化ストレス度,神経症状,脳梗塞巣体積,および脳細胞のアポトーシスを評価した.
    LEM 摂取群では,対照群と比較し,H/I 後の体内酸化ストレス度の上昇が抑制された.また,虚血障害による神経症状が軽減し,脳梗塞巣体積および海馬,皮質のアポトーシス陽性細胞数が有意に減少した.これらの結果から,LEM は酸化ストレスを抑制し,虚血性脳障害に対して脳保護作用を示すことが示唆された.
  • 鈴木 信孝, 新井 隆成, 上馬塲 和夫, 仲井 培雄, 鈴木 里芳, 滝本 裕子
    原稿種別: 【原  著】
    2011 年 8 巻 2 号 p. 109-118
    発行日: 2011年
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    主治療が終了した 20 歳以上 80 歳未満の男女 60 名のがん患者を対象に,タベブイア・アベラネダエ(タヒボ)エッセンスの通常量 2.0 g/日,2 倍量 4.0 g/日,3 倍量 6.0 g/日をそれぞれランダムに 6 ヶ月間投与し,血液・生化学データ・尿検査・有害事象,各種免疫パラメーター検査,尿中 8-OHdG,QOL 調査を行った.脱落例は 5 例みられたが,エキス摂取との因果関係はなかった.血液・生化学検査では,ヘモグロビン値は正常値範囲内での変動をみたが,その他には異常な値は見られなかった.エキス摂取によるアレルギーなどの副作用症状も見られなかった.免疫パラメーターや尿中 8-OHdG には有意な変化はなかったものの,炎症マーカーである高感度 CRP は摂取により有意に改善したことから,本エキスが血管の動脈硬化防止に役立つ可能性も示唆された.日本では本例のような食品の長期安全性試験はほとんど実施されていないので,今後同様な試験が数多く実施されることが望まれる.
症例報告
Letter to the Editor
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