有効なマンモグラフィ検診には, 質の高いマンモグラムでの読影が必須で, そのためには日常読影しているマンモグラムの画像が, 読影に適切なポジショニングであることが不可欠である。
新大阪マンモグラフィゼミナールでは, 医師, 技師によるマンモグラムの読影と画像に関する検討会を毎週行ってきた。
ポジショニングは乳腺密度の高い40歳代のマンモグラムやデジタルマンモグラム, さらには比較読影において, 画像の精度に及ぼす影響が大きいことから, 平成17年7月から3~4ヶ月毎にポジショニングを検討し, 撮影者の技術向上に努めてきた。
参加8施設が直近に撮影した連続20~30例のマンモグラムをNPO法人マンモグラフィ検診精度管理中央委員会施設画像評価 (6項目4点満点, 合計24点満点) に従って, ポジショニング評価 (自己評価と委員評価) を行った。
「読影に有効」な「ポジショニング評価24点満点中, 合計点20点以上, 6項目すべて3点以上」 (ポジショニングA評価 : 評価P-A) は第1回検討会では全体の48%であったが, 第2回では72%, 第3回では66%と向上した。逆に, 「読影には危険」な「ポジショニング評価24満点中, 合計点20点未満, かつ6項目中1項目でも3点未満あり」 (評価P-D) は, 第1回検討会の41%から第2回は20%, 第3回は21%と半減し, ポジショニングは著明に改善された。
技師と医師が合同でポジショニング向上の検討会を行うことは, 読影に有効な画像を得る上に有効と考える。
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