日本乳癌検診学会誌
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16 巻, 3 号
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トピックス
  • 中山 崇, 古妻 嘉一, 平松 佐和子, 金井 信博, 金井 万里子, 藤原 靖久, 赤堀 泰一郎, 原 孝彦, 阪本 康夫, 山本 ひとみ ...
    2007 年 16 巻 3 号 p. 230-238
    発行日: 2007/10/30
    公開日: 2008/07/25
    ジャーナル フリー
    有効なマンモグラフィ検診には, 質の高いマンモグラムでの読影が必須で, そのためには日常読影しているマンモグラムの画像が, 読影に適切なポジショニングであることが不可欠である。
    新大阪マンモグラフィゼミナールでは, 医師, 技師によるマンモグラムの読影と画像に関する検討会を毎週行ってきた。
    ポジショニングは乳腺密度の高い40歳代のマンモグラムやデジタルマンモグラム, さらには比較読影において, 画像の精度に及ぼす影響が大きいことから, 平成17年7月から3~4ヶ月毎にポジショニングを検討し, 撮影者の技術向上に努めてきた。
    参加8施設が直近に撮影した連続20~30例のマンモグラムをNPO法人マンモグラフィ検診精度管理中央委員会施設画像評価 (6項目4点満点, 合計24点満点) に従って, ポジショニング評価 (自己評価と委員評価) を行った。
    「読影に有効」な「ポジショニング評価24点満点中, 合計点20点以上, 6項目すべて3点以上」 (ポジショニングA評価 : 評価P-A) は第1回検討会では全体の48%であったが, 第2回では72%, 第3回では66%と向上した。逆に, 「読影には危険」な「ポジショニング評価24満点中, 合計点20点未満, かつ6項目中1項目でも3点未満あり」 (評価P-D) は, 第1回検討会の41%から第2回は20%, 第3回は21%と半減し, ポジショニングは著明に改善された。
    技師と医師が合同でポジショニング向上の検討会を行うことは, 読影に有効な画像を得る上に有効と考える。
原著
  • 塚本 徳子, 角田 博子, 菊池 真理, 負門 克典, 佐藤 博子, 川上 美奈子, 福澤 晶子, 岡部 薫, 向井 理枝, 源新 めぐみ, ...
    2007 年 16 巻 3 号 p. 239-246
    発行日: 2007/10/30
    公開日: 2008/07/25
    ジャーナル フリー
    わが国で現在乳癌検診の中心はマンモグラフィで行われているが, 高濃度乳房である閉経前女性に対して超音波検診が注目されている。超音波検診の成績は過去多くの報告があるが, 日本乳腺甲状腺診断会議 (JABTS) によりまとめられた超音波検診の要精査基準に従って精度管理され行われたシステムでの報告はまだない。われわれは技師が検査を行い, 医師がこの要精査基準に従って判定した3年間の検診成績をまとめ, この体制での乳房超音波検診の有用性について検討した。
    乳房超音波検査延べ受診者は17,089名であり, 約90%が50歳未満であった。判定は, カテゴリー1が8,289名 (48.5%), カテゴリー2が8,183名 (47.9%), カテゴリー3以上の精査対象者が616名 (3.6%) となった。このうち73.4%にあたる452名の追跡が可能であり, 48名 (0.28%) が乳癌と診断された。手術症例46例の中で早期乳癌は37例 (80.5%) あり, そのうちマンモグラフィでは検出できなかったものは16例と43%を占めていた。
    乳房超音波検診の診断に際し, 乳房超音波診断ガイドラインを診断基準に用いることで, 有所見率の高いと言われている超音波検査でも精査率を上げ過ぎることなく早期乳癌の検出に寄与することができた。
症例報告
  • 荻谷 朗子, 高橋 かおる, 五味 直哉, 宮城 由美, 西村 誠一郎, 飯島 耕太郎, 多田 敬一郎, 蒔田 益次郎, 堀井 理絵, 秋山 ...
    2007 年 16 巻 3 号 p. 247-251
    発行日: 2007/10/30
    公開日: 2008/07/25
    ジャーナル フリー
    症例は52歳女性。前医から両側乳房の石灰化増加を疑われ, 当院紹介となった。石灰化は両側に淡く不明瞭なものがびまん性に広がっており良性病変と思われたが, 石灰化が目立つ左に対するマンモトーム依頼があり, ステレオガイド下マンモトーム生検を施行した。病理診断は正常乳管内の良性石灰化であったが, 石灰化と関係なく非浸潤性乳管癌が採取された。良性確認目的と考えてマンモトームを施行したため, マーキングクリップは留置しなかった。癌の正確な存在部位が不明であり, 前回と同じ条件で再度マンモトームを施行しクリップを留置した。部分切除術を施行したが, 広範囲に断端陽性となったため乳房切除術となった。
    マンモトーム生検において目的とした石灰化は良性でも標本内に偶然癌が発見されることがある。病理診断で石灰化の成因を確認することは, 切除範囲の設定やその後の石灰化診断に関係してくるため非常に重要である。
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