マンモグラフィの普及によって,微細石灰化のみで要精密検査となる症例が増加している。われわれは,このような症例に対して,より小さな侵襲で確定診断を得る方法として,ステレオガイド下マンモトーム生検を行っており,その成績と手技の実際を報告する。
2002年5月~2007年10月までに,マンモグラフィで微細石灰化病変を指摘された450例に対してステレオガイド下マンモトーム生検を行った。石灰化のカテゴリーは,カテゴリー2:9.8%(44例),カテゴリー3:68.2%(307例),カテゴリー4:16%(72例),カテゴリー5:6%(27例)であった。
全例で,石灰化の採取が可能で確定診断が得られた。カテゴリーごとの癌発見例の割合は,カテゴリー2:0%(0例),カテゴリー3:7.8%(24例),カテゴリー4:22.2%(16例),カテゴリー5:85.1%(23例)で,全体では14%(63例)であった。
マンモトーム生検を行うにあたり,患者をリラックスさせるための工夫や,手技的な工夫を段階的に導入した。そして,全症例を前期(2002年5月~2005年10月)の223例と,後期(2005年11月~2007年10月)の227例に分け,検査時間と合併症について検討すると,平均検査時間は前期:38.7分に対して,後期:26.0分と有意に短縮していた。合併症では,前期・後期において,気分不良:4.5%・1.8%,後出血:4.0%・1.3%,創感染:0.4%・0%であり,後期では合併症が減少していた。
ターゲットとした微細石灰化病変のすべてにおいて,マンモトーム検査で確定診断が得られた。マンモトーム手技に関するさまざまな工夫を行うことで,検査時間の短縮と合併症の減少が得られた。
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