日本助産学会誌
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18 巻, 1 号
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  • 人と環境の視点から
    宮中 文子
    2004 年 18 巻 1 号 p. 1
    発行日: 2004/06/30
    公開日: 2010/11/17
    ジャーナル フリー
  • 葉久 真理, 大橋 一友
    2004 年 18 巻 1 号 p. 6-18
    発行日: 2004/06/30
    公開日: 2010/11/17
    ジャーナル フリー
    目的
    本研究の目的は, 母乳哺育の継続を制限する要因を看護理論家オレムの提唱する依存的ケアモデルを用いて分析し, 母親に必要とされる母乳哺育を継続するための能力を明らかにすることである。
    方法
    研究デザインは, 記述的研究である。方法は, 半構成的面接法を用いてデータを収集した。調査対象は, 産後1か月健診に来院した母親103名で, 児への哺育形態が母乳とミルクの混合栄養あるいはミルクのみの人工栄養であり, 母乳のみの哺育が継続できなかった母親である。
    結果
    母乳哺育継続を制限していた特徴的な要因には, 1) 経験からのあきらめ, 2) 想像上の児と現実の児の違いから生じた不適応, 3) 児への想いから生じる不適切な助言, という3つの制限要因があがってきた。これらの制限要因には, 関連性を認め, 想像上の児と現実の児の違いから生じた不適応は, 児との生活体験や母乳哺育体験の不足, 時間的・精神的余裕がもてない生活環境, 母親ならびに家族の母乳不足の判断と対応の未習得を伴っていた。
    結論
    以上の結果から, 母親に必要とされる依存的ケア能力は, 1) 経験をポジティブに活用する能力, 2) 児は泣くという現実認識と児の泣きへの適応能力, 3) サポート, アドバイスを選択して取り入れ, 母乳哺育を主張する能力である。
  • 断乳のケアに焦点を当てて
    松永 佳子
    2004 年 18 巻 1 号 p. 19-28
    発行日: 2004/06/30
    公開日: 2010/11/17
    ジャーナル フリー
    目的
    本研究は母乳相談室において母乳哺育の最終段階であり, 母親にも子どもにも節目となる断乳の時期に注目して助産師が母親にどのようなかかわりをもっているのかについて, 明らかにすることを目的とする。
    方法
    質的記述的研究方法を選択した。都内総合病院の母乳相談室で断乳ケアを提供している助産師2名とそのケアを受けた母親3名を対象とし, 参加観察を延べ9回行った。それらの記述をテーマ単位で239単位に区分して内容分析を行った。
    結果
    助産師のかかわりは3つのカテゴリが得られた。『断乳することを肯定する』,『母親を一人にしない』,『子育ての振り返りにつきあう』の3つのサブカテゴリからなる第1のカテゴリは,「母親の思いの支持」であり, 42.3%であった。また,『母親から情報を得る』,『現状が正常であること保証する』,『母親の判断を肯定する』などの6つのサブカテゴリからなる第2のカテゴリは,「母親の心配事の緩和」であり, 52.9%, 2つのサブカテゴリ『待たせている母親の存在を認識する』,『タイミング良くケアを切り上げる』からなる第3のカテゴリは「来院している母親のすべてに目を向ける」であり, 4.8%であった。
    結論
    助産師のかわわりは母親にとってデューラ的存在となり, その結果, 母親自身が問題を解決するきっかけを作り出していた。抽出した3つのカテゴリに象徴されるように助産師のかかわりは, 断乳の時期において不可欠であり, 母乳相談室での断乳ケアの必要性が示唆された。
  • 下見 千恵
    2004 年 18 巻 1 号 p. 29-36
    発行日: 2004/06/30
    公開日: 2010/11/17
    ジャーナル フリー
    目的
    本研究の目的は分娩期における唾液中の分泌型IgA (secretory IgA: s-IgA) の動態を明らかにし, 産婦のストレス要因を唾液中のs-IgAを用いて, 家族という人的環境から検討することである。
    対象および方法
    妊娠経過中合併症がなく正期産である産婦 (経腟分娩) で, 研究協力の了解が得られた18人 (初産婦10人, 経産婦8人) を対象とした。
    妊娠末期および分娩期 (陣痛発来で入院した時点およびその後分娩室入室まで2時間おき) に唾液採取を行い, EIAによるキット (MBL製) を用いてs-IgAの定量を行った。また対象の分娩期にかかわった看護者に対し, 分娩期における家族の付き添い状況等を問う質問紙調査を行った。
    結果
    分娩期における唾液中s-IgA濃度は, 個人差が大きかった。また, 分娩期における唾液中s-IgA濃度は, 分娩前16時間値より分娩前6時間値が有意に高値であった。加えて, 妊娠末期の唾液中s-IgA濃度と比較して, 同様に分娩前6時間値が高かった。
    家族の付き添い時間と分娩前2時間の産婦の唾液中s-IgA濃度は正の相関を認めた。
    結論
    分娩期は陣痛や産痛という強い痛みに持続的にさらされ, 産婦のストレスは高くs-IgA濃度は低いことが予測された。しかし, 分娩期における唾液中s-IgA濃度は分娩進行に伴い上昇傾向にあることがわかった。また, 家族の付き添い状況が産婦のストレスに関連している一要因であることが考察された。
  • 出産体験と産褥1週間の体験の分析を通して
    横手 直美
    2004 年 18 巻 1 号 p. 37-48
    発行日: 2004/06/30
    公開日: 2010/11/17
    ジャーナル フリー
    目的
    緊急帝王切開によって生児を出産した女性が自らの出産体験をトラウマとして認知しているのか, 認知していた場合はどのような急性ストレス反応を示すのかを知ることを目的とした。
    対象および方法
    民間の産婦人科病院において緊急帝切で生児を出産した女性11名に対し, 半構成的面接2回 (産褥2, 7日) と参加観察, 1か月健診時にも面接を行った。逐語記録とフィールド・ノートから得られた女性の体験に関する記述データをDSM-IVによる急性ストレス障害診断基準 (American Psychiatric Association, 1994/1996) を用いて分析した。さらに, 特にトラウマの再体験を含む急性ストレス反応が認められた女性の出産体験と産褥1週間の体験を記述的に分析した。
    結果
    11名のうち8名が緊急帝切において何らかのトラウマを有しており, そのうち3名にフラッシュバック, 悪夢, 侵入性想起といったトラウマの再体験を含む急性ストレス反応が認められた。これら3名は, 手術そのものよりも, 出産において自分と子どもの生命や自己の存在を圧倒した強烈な体験をトラウマとして認知していた。しかし, 子どもによる癒し, 母子の順調な経過と適切なケア, 出産体験を第三者に語ることという3つの要因が出産に対する認識の変化を促し, ストレス反応の軽減につながったと考えられた。
    結論
    以上から, 緊急帝切後の女性の急性ストレス反応を軽減するためにも, 可能な範囲での母子の早期接触, 授乳や養育, 女性が自らの出産体験をとらえ直すことができるようなサポートが重要であることが示唆された。
  • 榮 玲子
    2004 年 18 巻 1 号 p. 49-55
    発行日: 2004/06/30
    公開日: 2010/11/17
    ジャーナル フリー
  • 江藤 宏美, 有森 直子, 堀内 成子, 片岡 弥恵子, 野口 真貴子, 今村 朋子
    2004 年 18 巻 1 号 p. 56-61
    発行日: 2004/06/30
    公開日: 2010/11/17
    ジャーナル フリー
    開業助産師に有用となるケア指針の作成を目指して, これまでかかわってきた中で事故の発生, および事故を招きそうになった出来事や, 助産所が他の医療機関への搬送に至った事例について開業助産師に聴き取り調査を行った。得られた6事例ごとにその事態に陥った具体的要因を「人, 物・機械, 環境, 管理」に分けて分析し, さらに改善策を「教育・訓練, 技術・工学, 強化・徹底, 模範」の視点で検討した。その結果, 搬送先の医師や嘱託医, 助産師同士, 産婦との関係など「ひと」が具体的要因として多くかかわっていた。そこから導かれた改善策としては, インフォームドコンセントのあり方, 助産師の業務範囲の明文化などが上げられた。今後, それぞれの助産師が専門職者として周囲との関係性を見直していくことに加え, それらの対策を包括的に推進する役割は職能団体が担い, 組織的に取り組むことが期待される。
  • 女性と助産師の新たな関係
    松岡 恵
    2004 年 18 巻 1 号 p. 62-67
    発行日: 2004/06/30
    公開日: 2010/11/17
    ジャーナル フリー
  • グレイ サンデイ
    2004 年 18 巻 1 号 p. 68-75
    発行日: 2004/06/30
    公開日: 2010/11/17
    ジャーナル フリー
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