熱物性
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20 巻, 4 号
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論文
  • 藤野 淳市, 本田 知宏
    2006 年 20 巻 4 号 p. 166-172
    発行日: 2006/11/30
    公開日: 2008/07/28
    ジャーナル フリー
    廃プラスチックとフライアッシュを主原料とする再生複合材およびその構成材の比熱容量を、サファイアディスクを標準試料に用いて、示差走査熱量計により測定した。昇温速度は2、5および10K·min-1、また測定温度は室温からプラスチックの融点を超えない362Kまでの範囲である。再生複合材の比熱容量は、試料温度が305から360Kまで上昇すると、約1.3から1.6kJ·kg-1·K-1まで直線的に増加する。測定値は試料の形状や質量に依らず、約±3%のばらつき範囲内で一致している。昇温速度5K·min-1の結果は2K·min-1の結果と0.2%以内で一致する。一方、10K·min-1 の結果は約2%低めである。難燃剤の比熱容量はフライアッシュとほぼ同程度と推測でき、また再生複合材の比熱容量は廃プラスチック含有量に強く依存する。
  • 冨田 大輔, 剣持 智, 塚田 隆夫, 横山 千昭
    2006 年 20 巻 4 号 p. 173-178
    発行日: 2006/11/30
    公開日: 2008/07/28
    ジャーナル フリー
    イオン液体は常温で液体の塩であり、新規な機能性流体材料として幅広い分野で注目されている物質である。本報では非定常短線加熱法に基づく装置を作製し、最も代表的なイオン液体の1 つである1-butyl-3-methylimidazolium tetrafluoroborate ([bmim][BF4])の熱伝導率を温度294 ~334 K 、圧力0.1~20 MPa の範囲で測定した。その結果、イオン液体の熱伝導率は温度依存性、圧力依存性共に有機溶媒と比べ非常に小さいことが明らかになった。
  • 小松 雅一, 山田 盛二, 高野 孝義
    2006 年 20 巻 4 号 p. 179-185
    発行日: 2006/11/30
    公開日: 2008/07/28
    ジャーナル フリー
    食パン焼成過程におけるパン生地内の伝熱機構の解明を目的として集積型の薄膜熱電対,細線熱電対を作製した.薄膜熱電対はバルクと比較して熱起電力が低下したが,均質であり,温度と熱起電力の関係は線形であった.そこで,実際の食パン焼成過程において集積型熱電対を用いて温度測定を行った結果,その高い位置精度により,両者ともクラスト近傍の温度場を良好に再現した.さらに,食パン焼成中の熱流束を測定し,焼成中の水分移動の寄与を含めた有効熱伝導度に相当する量を計算した.焼成中のクラムの有効熱伝導度は,定常時の熱伝導度と比較して非常に大きなものとなった.一方,クラストの有効熱伝導度は小さく,平板比較法で測定を行った有効熱伝導度に概ね一致した.
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