日本食品工学会誌
Online ISSN : 1884-5924
Print ISSN : 1345-7942
7 巻 , 2 号
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  • 橋本 篤
    2006 年 7 巻 2 号 p. 61-73
    発行日: 2006/06/15
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    食品加工プロセスにおける赤外線利用に関して, 放射伝熱学と分光学的な側面から総合的に論述した.赤外線の熱的操作への応用として, 食品モデルの乾燥と殺菌に関する研究を行った.食品モデルの赤外線乾燥特性に及ぼす因子に着目し, 赤外線乾燥の定量的評価には試料の赤外域における拡散分光情報の理解が重要であることが示された.また, 細菌の赤外線殺菌は従来法加熱殺菌よりも効果的であり, その効果は試料表面近傍における赤外線エネルギの吸収とバルク温度に起因することが示唆された.そこで, 赤外分光法による食品の定性・定量解析に関する研究を行った.それらの成果に応用することにより, 懸濁細胞の動的糖代謝挙動の把握, イオン解離性代謝物質が関与する酵素反応過程のモニタリング, および食味ロボットの開発が可能となった.以上より, これらの研究成果は, 食品加工プロセスにおける赤外線利用に関する重要な指針となりうるものである.
  • 渡辺 敦夫, 安藤 秀喜, 羽田 知由, 田村 肇, 片岡 龍磨
    2006 年 7 巻 2 号 p. 75-83
    発行日: 2006/06/15
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    For more than three decades, membrane technology has drawn keen attention and has been applied to various fields in food industry in Japan. The Research Association of Membrane Technology for Food Industry (MRA), which was established by the Japanese Ministry of Agriculture, Forestry and Fishery in 1982, continued the activity to accelerate the spread of membrane technology for 6 years. In 1989, Membrane Research Circle of Food (MRC) was established by the researchers and technologists in industry-government-academia. Watanabe, one of the present authors, who worked for Ministry of Agriculture, Forestry and Fishery at that time, participated in the activity as an executive committee member of MRA and as a chairperson of MRC, respectively. In 1996, one year after Watanabe moved to Niigata University as a professor of food engineering, Food Engineering Division in Food Research Laboratory in Niigata Prefecture was established. In 1997, when MRC 10th Autumn Workshop was held in Niigata, Membrane Application Research Circle (MARC) for food industry in Niigata was established. The research to apply membrane technology to food industry in Niigata started with collaboration among local companies just after Watanabe's coming to Niigata University. The establishment of MARC accelerated the widespread of knowledge of membrane technology. The research projects in the authors' laboratory and companies were: 1.Establishment of clarification and recycle system for rice washing drainage from packed rice cake manufacturing plant, 2.Establishment of concentration and recycle system for pickles seasoning drainage, 3.Development of squeeze and clarification technology of soy-sauce fermented broth by micro-fiber cloth for direct membrane filtration, 4.Gamma-Amino butyric acid production using clarification with membrane, 5.Sterilized and clarified raw soy-sauce production by ceramic MF membrane Under present circumstances, the research subjects of No.4 and No.5 came successfully into practical use.
  • 酒井 昇
    2006 年 7 巻 2 号 p. 85-97
    発行日: 2006/06/15
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    遠赤外線及びマイクロ波による食品の加熱に関して行ってきた研究について概要を説明した.遠赤外線による食品の加熱において高品質を保ちながら効率良く運転するには, 品質或いは品温に及ぼすヒータ温度等の操作条件の影響を予め知ることは重要である.本研究では遠赤外線照射時の熱移動について数学モデルを構築し, 加熱時の食品内温度変化について実験的, 理論的に検討を行った.一方, 食品をマイクロ波で加熱する場合, 食品内部に加熱むらを生じ, 大きな問題点となっている.この加熱むらが起こる要因として, (1) 食品 (容器) の形状や大きさによってマイクロ波の集中が異なる, (2) 加熱庫内の電界強度が不均一である, (3) 食品の誘電特性が温度によって変化する, (4) 食品によっては誘電特性が内部で不均一である, 等が考えられている.本研究では, マイクロ波加熱時の加熱むらを抑えることを目的として, 数学モデルを構築し, 上記要因について理論的な検討を行った.
  • 福本 由希, 大森 正司, 飯渕 貞明
    2006 年 7 巻 2 号 p. 99-104
    発行日: 2006/06/15
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    オレイン酸, リノール酸およびリノレン酸を光を遮断した40℃の恒温装置で酸化させ, 経時的にサンプリングし, 近赤外線反射スペクトルの測定を行った.同時に滴定法によって過酸化物価の測定を行った.その結果, 近赤外線反射スペクトルの4波長域における2次微分値を用いて過酸化物価を推定する回帰式を得た.この回帰式は脂肪酸の種類が異なっても適用することが可能であった.また脂肪酸の自動酸化の速度式を用いて, 酸化の各段階 (開始期, 連鎖反応期, 重合期, 分解期) の反応速度定数を求めた.開始期の速度定数は脂肪酸の種類が異なってもほぼ同じであった.また連鎖反応期の速度定数も脂肪酸の種類によらず同じ大きさであった.しかし, 重合期および分解期の速度定数は脂肪酸の2重結合が増えるにしたがって大きくなることがわかった.
  • 長縄 明大, 三保 茂之, 秋山 美展, 足立 高弘
    2006 年 7 巻 2 号 p. 105-111
    発行日: 2006/06/15
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    ジュール加熱法は, 加熱対象である食品に直接電気を流し, 食品の電気抵抗によって発生するジュール熱を用いて加工を行う方法である.しかし, ジュール加熱の発熱現象の解明に関する研究は, これまでいくつか報告されているが, 正味の発熱現象を解明した研究は行われていない.そこで, 本論文では, 食品内部の温度分布を非破壊的かつ連続的に観察し, その現象を数値解析により再現することを目的とする.本論文の手法は, 感温液晶マイクロカプセルを用いた実験システムを構築して可視化を行い, 可視化した実験データの信頼性を確認するため, 検証実験と有限要素解析を行う.実験結果と解析結果を比較したところ, 結果は非常によく一致しており, 正味のジュール発熱による温度変化を捉えることができた.
  • 島 元啓, 吉田 弥生, 安達 修二
    2006 年 7 巻 2 号 p. 113-118
    発行日: 2006/06/15
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    揚げ物は家庭だけではなく食品産業や外食産業で広く行われている操作である.揚げ物を繰り返すと油が劣化し, 使用に耐えなくなる.揚げ操作では, 材料から持ち込まれる水が揚げ油の劣化に関与していると考えられる.また, 揚げ物が吸油して系外に持ち出されて油量が減るため, 新たな油を追加されることもある.このように複雑な揚げ操作を合理的に実施, 制御するには, 揚げ油の品質の変化に関する速度論的な知見が必要である.
    油の劣化の程度を評価するには, 過酸化物価, カルボニル価, 色調, 粘度などの多くの指標がある.ここでは, アシルグリセロールの加水分解の程度を反映する酸価 (acid value; AV) を指標とした.この値は, 食品工業において油の劣化の程度を評価する指標として広く用いられている.また同様に, 食品工業での利用が多いことから, 揚げ油にはパーム油を使用した.
    材料から持ち込まれる水の量の影響を定量的に評価するため, 所定温度 (通常は180℃) に保ったパーム油にポンプを用いて一定流量で水を供給した.適当な間隔で揚げ油の一部を採取し, 電位差滴定法により酸価を測定した.
    Fig.1に示すように, 水を供給しない場合には, 長時間の加熱においても酸価はあまり上昇しなかった.しかし, 少しでも水が供給されると酸価は顕著に増加した.水の供給速度が0.003kg-水/kg-油/h以上では, とくに酸価の上昇が著しかった.酸価は誘導期を経たのち急激に上昇して最大値に達し, その後徐々に低下する傾向がみられた.酸価の最大値は約20mg-KOH/g-油であった.この値は, パーム油が完全に加水分解されたときに示す酸価 (計算値) の約1/10であった.このことは, 揚げ操作中のパーム油 (アシルグリセロール) の加水分解が可逆であり, 平衡が縮合側に偏倚していることを示唆する.
    そこで, パーム油と同様の脂肪酸組成の混合物にグリセロールを加えた場合と加えない場合 (Table1) について酸価の変化を測定した (Fig.2) .グリセロールを添加しなかった場合には, 酸価が徐々に減少し, 酸価と時間の関係は片対数方眼紙上で直線となった (Fig.2の内図) .このことより, 脂肪酸 (酸価を示す物質) の熱分解は1次反応速度式で表現できることが示された.一方, グリセロールが存在する場合には, 酸価は急激に減少し初期値の1/10程度の値に漸近した.また, このときの混合物をTLC-FIDで分析すると (Fig.3) , トリ, ジおよびモノアシルグリセロールが生成していることが示された.
    これらの結果に基づいて, 揚げ操作中の酸価の変化を記述する速度式を提出した.パーム油 (アシルグリセロール) 中のエステル結合をE, それが加水分解して生成する酸価を示す物質 (主として, カルボキシル基) と水酸基をそれぞれAとHと表す.酸価の上昇で誘導期が認められたことより, EがAとHに加水分解する過程 (式 (2) ) は可逆であり, 分解過程に対してAは自触媒的に作用すると考えた.さらに, Aは1次反応速度式に従って分解して, 酸価を示さなくなると考えた.これらの仮定に基づいて, E, AおよびHの変化はそれぞれ式 (4) , (6) および (7) で与えられる.これらの式は, 本来は容量モル濃度に基づいて表記されるべきであるが, 酸価が単位重量あたりの油を中和するのに必要なKOH量と定義されること, および揚げ操作中の油の密度の変化は大きくないことより, 重量モル濃度で表記した.また, 水の濃度mWを正確に求めることは容易ではないので, 式 (4) の右辺第1項の速度定数klとmWの積を1つのパラメータk1'として扱い, 式 (4) を式 (5) で表記した.酸価を示す物質Aの分解過程に対する速度定数k3は, グリセロールを添加しない脂肪酸混合物の酸価の変化 (Fig.2) より決定した.パラメータk1'とk2はFig.1に示した酸価の経時変化に適合するように決定した.
    上記で得られた速度定数k1', k2およびk3と水供給速度νWの関係をFig.4に示す.k3はνWにあまり依存しなかった.一方, k1'とk2はνWによって大きく影響され, とくにνWが小さい領域でその影響は顕著であった.
    また, 水の供給速度が一定の条件で, 酸価の変化に対する温度の影響を検討した (Fig.5) .160, 180および200℃のいずれの温度においても, 誘導期を経たのち急激に酸価が上昇し最大値に達する現象が認められた.酸価の最大値は低温ほど高い値を示し, 160℃では酸価がさらに漸増する傾向が認められた.
  • 池田 岳郎, 早川 文代, 神山 かおる
    2006 年 7 巻 2 号 p. 119-128
    発行日: 2006/06/15
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    加齢に伴い咀嚼能力が低下してもおいしく味わうことのできる食品の開発には, 食べやすさを評価する技術が必須と考えられている.本研究は, 食感覚の表現として一般的に用いられる擬音語・擬態語により, 食べやすさに関わるテクスチャの要素を示すとともに, 機器計測値との関連性を明らかにすることを目的とした.テクスチャを表す擬音語・擬態語を, 連想される食品の傾向に基づき11グループに分類し代表的な用語を選択した.これら11用語を用いた官能評価と, 万能試験機と圧力分布測定システムを用いた圧縮試験を実施した.擬音語・擬態語により表されるテクスチャに関して, 圧縮試験において測定された物理特性との関連性を回帰分析により評価した.その結果, ひずみ70%の応力が大きく「こりこり」する食品は噛みにくいが, ひずみ10%および30%応力が大きく「さくさく」「しゃりしゃり」「ぱりぱり」する食品は好まれることがわかった.
  • 渡辺 尚彦, 八幡 淑子, 福岡 美香, 崎山 高明, 三堀 友雄
    2006 年 7 巻 2 号 p. 129-139
    発行日: 2006/06/15
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    Fickの拡散法則は広く実用に使われているが, 孤立系で平衡時に均一含水率分布になるという意味で均一相である系にしか適用できない.デンプン食品はたとえ均一な素材を原料としても加熱加工・調理によって食品物体内が多相系に転じる場合がある.このような多相系では, 水の活量が含水率に対して線形近似できる限りにおいて, その含水率範囲内で適宜基準含水率を定義して, 含水率を基準含水率で除した相対含水率を用いることでFickの拡散法則を多相系に拡張できることを示した.
  • Masayuki MORI, Shuji ADACHI
    2006 年 7 巻 2 号 p. 141-145
    発行日: 2006/06/15
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    The retention behaviors of caffeine and vanillin in columns packed with thermostable octadecyl silica gels and zirconium particles with an extremely stable thin layer of cross-linked polybutadiene were observed using water at various temperatures or methanol mixed with water at 30°C as the eluent. For both columns, the retention times of the solutes at a specific flow rate became shorter at higher temperatures when water was used as the eluent. The effect of the temperature on the retention behaviors of the solutes were examined for the latter column in the temperature range of 70°C to 210°C. It was shown that the retention behaviors could be more effectively controlled by changing the temperature when using water as the eluent than by changing the methanol content in its mixture with water at 30°C.
  • Chisako USUKI, Yukitaka KIMURA, Shuji ADACHI
    2006 年 7 巻 2 号 p. 147-150
    発行日: 2006/06/15
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
    Linoleic acid was heated in the presence or absence of water in the temperature range of 200 to 260°C using a pressure-resistant batch reactor to examine the possibility of its conversion to conjugated isomers. The conversion occurred at very low yields, and the major products were the c9, t11 and t10, c12 conjugated linoleic acids. The t10, c12 isomer seemed to be produced more than the c9, t11, and the ratio of the isomers did not depend on both the temperature and the ratio of linoleic acid to water. When a dilute potassium hydroxide was used as the aqueous solution, the yield of the conjugated isomers was lower than that of the isomers in the mixture of linoleic acid with distilled water.
  • 福島 幸生
    2006 年 7 巻 2 号 p. 151
    発行日: 2006/06/15
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
  • 2006 年 7 巻 2 号 p. e1
    発行日: 2006年
    公開日: 2010/06/08
    ジャーナル フリー
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