日本図書館情報学会誌
Online ISSN : 2432-4027
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57 巻, 1 号
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論文
  • 杉江 典子
    原稿種別: 論文
    2011 年 57 巻 1 号 p. 1-18
    発行日: 2011/03/30
    公開日: 2017/05/04
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究では,公共図書館における利用者の情報探索行動を説明できるような概念と理論を導くことを目的とした。そこで公共図書館5館において,利用者への半構造化インタビューを行い,得られたデータを修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチにより分析した。その結果,35の概念が導かれ,それらの概念は7つのカテゴリに整理された。7つのカテゴリとは,"知りたい/読みたい気持ちの蓄積","図書館での探索に対する認識","探索にあたっての気分","物理的な条件","探索の実行","情報/資料の入手","探索結果に対して抱くもの"である。さらに,"知りたい/読みたい気持ちの蓄積"が"探索の実行"の直接の要因になり,"図書館での探索に対する認識"が個人の"探索の実行"のあり方に影響を与え,探索の結果,"情報/資料の入手"が起こり,"探索結果に対して抱くもの"が表れるといった,カテゴリ間の関係も明らかになった。
  • 安里 のり子, ウエルトハイマー アンドリュー, 根本 彰
    原稿種別: 論文
    2011 年 57 巻 1 号 p. 19-32
    発行日: 2011/03/30
    公開日: 2017/05/04
    ジャーナル オープンアクセス
    2006年に出版されベストセラーになった有川浩の『図書館戦争』シリーズを題材にこの小説が日本図書館協会の「図書館の自由に関する宣言」に触発されて書かれたことからそこで表現されている暴力的イメージの源泉を分析した。「宣言」は,1953年に埼玉県図書館協会が「図書館憲章案」として提案したものが元になり,1954年の図書館大会および日本図書館協会総会で激論の後に採択された。本稿ではこれらの案文をその社会的背景に照らし分析した結果,有川が「宣言」から読み取ったものは,その文言に込められた当時の図書館員の潜在的なメンタリティーである「権力に抵抗する図書館」という職務理念であると指摘した。また,当時の議論では最初使われた「抵抗」という表現が,検討過程で外的な要因に配慮し,図書館自らの主体性を強調することから他の言葉に置き換えられたことを明らかにした。
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