日本図書館情報学会誌
Online ISSN : 2432-4027
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58 巻, 1 号
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論文
  • 海野 敏, 影浦 峡, 戸田 愼一
    原稿種別: 論文
    2012 年 58 巻 1 号 p. 1-17
    発行日: 2012/03/31
    公開日: 2017/04/30
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿の目的は,戦後日本における印刷メディア受容量変化の数量的分析である。分析には,販売ルート経由の図書,雑誌,新聞の受容量,図書館ルート経由の受容量,経済動向の5変数からなるモデルを用いた。具体的には,国民1人当たりの図書,雑誌の実売部数,新聞の発行部数,公共図書館の館外貸出数と,実質経済成長率を分析した。この5つの時系列データに対し,同時変化関係の指標として相関係数を求め,先行遅行関係の指標としてグレンジャー因果性検定を行った。分析の結果,以下の結論が得られた。第1に,販売ルート経由の受容量と経済動向とのあいだに正の相関,図書館ルート経由の受容量と経済動向とのあいだに負の相関がある。第2に,図書の販売ルート経由の受容量は図書館ルートに先行している。第3に,販売ルート経由の受容量は相互に正の相関があり,図書,雑誌,新聞の順に変動している。図書と雑誌の関係については詳細な分析を加えた。
  • 長澤 多代
    原稿種別: 論文
    2012 年 58 巻 1 号 p. 18-34
    発行日: 2012/03/31
    公開日: 2017/04/30
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿の目的は,アーラム・カレッジの解釈的ケース・スタディによって,"図書館員による教員へのアプローチの中で,何が教員と図書館員の連携を促す要因となっているのか"という研究課題を明らかにすることである。文献調査及び訪問調査で得た情報を帰納的分析法で分析した。その結果,次のことが明らかになった。1)アラーム・カレッジの教育目標が【学ぶ方法の習得】であるために,多くの授業科目で課題探求型の課題を与えている,(2)学生の[情報リテラシー]は低く,図書館員は初歩的な「図書館サービス」に多くの時間と労力を投じているという【図書館員の気づき】があった。[学習成果]は低く,無関心や誤解という[教員の図書館観]のために,教員は学生の図書館利用を促さなかった,(3)図書館員は,教員との【つながり方を開拓】することが重要であると考え,自身の役割を【ファシリテーター】と捉え,【事前対策的な働きかけ】によって教員との連携を構築しようとした。
研究ノート
  • 宮澤 彰, 向當 麻衣子
    原稿種別: 研究ノート
    2012 年 58 巻 1 号 p. 35-44
    発行日: 2012/03/31
    公開日: 2017/04/30
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究は,国内の大学図書館を中心に多くの機関が参加するNACSIS-CATの日本人著者名・団体名の典拠レコード作成状況を調査し,国内の日本著者名典拠コントロールの実態を把握することを目的とする。1986年1月1日から2009年12月31日までに作成されたNACSIS-CAT著者名典拠レコード全件(1,517,926件)のうち,日本人著者名・団体名典拠レコードである425,360件を対象に分析を行った結果,1)対象レコードの作成を行う機関は微増傾向にある,2)作成について先行研究が指摘するほどの寡占傾向は見られない,3)各々の参加組織の作成量の変動は年によって激しいものの一部の組織はコンスタントなペースを維持している,4)作成数上位組織は固定していない,ことが明らかとなった。NACSIS-CATにおける日本人著者名・団体名典拠レコード作成は未だ安定的に保証されているとは言えない状況と見られる。
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