日本図書館情報学会誌
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論文
  • 山田 翔平
    原稿種別: 論文
    2024 年 70 巻 1 号 p. 1-23
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/02/29
    ジャーナル 認証あり

     本研究では,大学図書館の主な利用者である大学生の視点を考慮し,大学生に意識される大学の属性と大学図書館蔵書の関係を,ページ数に着目して高い解像度で記述した。大学の属性は,設置形態,入試偏差値,所在地の3 つを取り上げ,属性ごとに大学を群に分けて蔵書を比較した。大学図書館蔵書の分析でほとんど取り上げられていないページ数に着目し,ページ数の記述統計量とヒストグラムを分析した。経済学,理学,文学,工学の 4 つの学問分野を取り上げ,分野ごとの分析結果を見比べながら属性ごとの蔵書の特徴を精緻に記述した。4 分野で計251 校,334,594 タイトルを対象とした。4 分野に共通して見られた特徴として,設置形態においては,公立大学が所蔵するタイトルのページ数の平均値・中央値が国立大学・私立大学に比べて大きく,公立大学が所蔵するタイトルの分布は国立大学・私立大学に比べてページ数の多い方に寄っていることが得られた。

  • 百鳥 直樹, 小泉 公乃
    原稿種別: 論文
    2024 年 70 巻 1 号 p. 24-41
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/02/29
    ジャーナル 認証あり

     本研究の目的は,2000 年代前半の国立大学改革によって変化した国立大学図書館組織を類型化したうえで,その特徴を解明することである。現在の国立大学図書館組織を8 つに類型化し特徴を明らかにした。組織分類の特徴から,1)法人化前の組織形態を継続する組織,2)学内の他部門と統合した組織,3)図書館以外の業務も担当する組織と,組織が多様化していることを確認した。また,法人化前後の比較や学部数による大学規模の分析から, 大規模な国立大学(8 学部以上)が法人化前の組織体制を継続しているのに対し,中小規模の大学(7 学部以下)では他部門組織との統合,統合に伴う管理職数の削減,図書館管理職の職位の格下げが行われていることが明らかになった。そして,これら組織再編の多くが,大学全体の業務の合理化・集約化を目的に行われた。

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