日本図書館情報学会誌
Online ISSN : 2432-4027
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60 巻, 4 号
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論文
  • 安形 麻理, 小島 浩之, 上田 修一, 佐野 千絵, 矢野 正隆
    原稿種別: 論文
    2014 年 60 巻 4 号 p. 129-147
    発行日: 2014/12/31
    公開日: 2017/04/30
    ジャーナル オープンアクセス
    本稿の目的は,4年生大学図書館,大学院大学図書館,国立国会図書館,都道府県立図書館に悉皆質問紙調査を行うことにより,日本の図書館におけるマイクロ資料の保存の現状を把握することである。902件(回収率62.8%)の有効回答と予備調査4件の合計906件を分析した結果,回答館の52.3%にあたる474館がマイクロ資料を所蔵していた。マイクロ資料を所蔵している回答館のうち,47.5%がマイクロ資料を長期保存の媒体と位置付け,30.0%が1年に1回程度以上の頻度で受け入れを続けていること,11.4%の図書館で所蔵数が把握できていないこと,44.3%の図書館で代表的な劣化であるビネガーシンドロームが発生しているが,24時間の空調管理は31.6%,湿度設定は22.7%のみで可能であることなどが明らかになった。ビネガーシンドロームは加水分解により発生,進行するため,湿度の管理が非常に重要となるが,根本的な対策である環境改善が進んでいない現状が確認された。
  • 磯部 ゆき江, 三輪 眞木子
    原稿種別: 論文
    2014 年 60 巻 4 号 p. 148-164
    発行日: 2014/12/31
    公開日: 2017/04/30
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究の目的は,公共図書館の電子書籍提供を実現するための要件を公共図書館と出版社の関係に着目して明らかにすることである。公共図書館と出版社それぞれの状況,考え方を把握するために,インタビューとアンケートによる調査を実施した。電子書籍を導入している公共図書館,および提供している出版社へのインタビュー調査において,電子書籍の収集・提供に関わる要件を浮かび上がらせ,それらを他の公共図書館や出版社にも適用できるかアンケート調査で検証した。その結果,電子書籍のジャンル,価格,提供時期については公共図書館と出版社の考え方に相違があること,利用については公共図書館も全く制限がない状況を想定しているわけではないことが判明した。出版社は有効なビジネスモデルが構築できなければ,電子書籍を提供することは難しいと考えており,公共図書館と出版社がともに最も重視しているのはルール作りであった。
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