日本図書館情報学会誌
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54 巻, 2 号
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論文
  • 椿 美智子, 椎名 宏樹, 齊藤 誠一
    原稿種別: 論文
    2008 年 54 巻 2 号 p. 71-96
    発行日: 2008/06/30
    公開日: 2017/05/04
    ジャーナル オープンアクセス
    市立図書館に関する市民意識調査では,一般的に一変量分布やクロス表を用いた解析が行われることが多い。しかし,市立図書館が知りたいのは,より詳細に,どのような特性を持った人が,どのような利用の仕方をし,どのような要望をもっているのかということである。本論文では,文部科学省の「社会教育活性化21世紀プラン」の「地域情報化拠点としての調布市立図書館のあり方に関する調査」に対し,個人の特性による利用状況や要望・満足度の違いを把握できるようにアンケートを設計した。そして,構造方程式モデリングによりモデル化を行い,特に,時間的・金銭的余裕,本の選好,家族構成などが,どのように市立図書館利用に影響を与えているか市民全体の意識を考察した。さらに,利用者と非利用者に分けた分析,中央図書館利用者と分館利用者に分けた分析を行い,非利用者や分館利用者の特徴を検討した。そして,顕在的にはわからない潜在的な図書館利用のタイプを潜在クラスを用いて分析した。
  • 松戸 宏予
    原稿種別: 論文
    2008 年 54 巻 2 号 p. 97-116
    発行日: 2008/06/30
    公開日: 2017/05/04
    ジャーナル オープンアクセス
    小・中学校の養護教諭,スクールカウンセラー,特別支援教育コーディネーターら学習の評価を担わない職員19名を対象に,学校図書館をどのように認識しているのか,またその認識の変化の要因を修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチで分析を試みた。結果として,評価を担わない職員は,利用する前は用がなかったらいかない場とみていたが,特別な教育的ニーズをもつ児童生徒の同行をきっかけに学校図書館を資料・情報の源,生徒が落ち着ける場,社会へつながる場へと捉えていく。この認識の変化は,評価を担わない職員が学校司書を資料の専門家,学校司書の生徒への自然なかかわりをもちながら生徒の成長を考えるという姿勢を認識したことによるものであった。これらの特性から,適切な資料提供,共感理解による児童生徒の自己肯定,児童生徒の社会性を育てる教育的な支援が,学校図書館の特別な支援として示唆された。
研究ノート
  • 杉江 典子
    原稿種別: 研究ノート
    2008 年 54 巻 2 号 p. 117-131
    発行日: 2008/06/30
    公開日: 2017/05/04
    ジャーナル オープンアクセス
    本研究の目的は,わが国の市町村立図書館におけるレファレンスサービスの利用者に関する既往調査を整理し概観することによりその傾向を明らにし,既往調査の全体像を示すことである。そのために,1970年代以降に実施されたレファレンスサービスに関する利用者調査を扱う文献29件を収集しそれらを分析した。さらに個々の調査結果からレファレンスサービスの利用者に関する調査結果を抽出し,分析した。その結果,既往調査の大半が図書館サービス全般の利用者調査の一部として行われており,調査手法は質問紙調査が主流であるなど限られた調査しか行われていないことが明らかになった。また利用者のレファレンスサービス利用として,1)調べものの利用者の割合が資料の借り出しや返却に比べると低いこと,2) 10代,20代の利用割合がその他の年代に比べて高いこと,3)学生の利用割合が高く主婦の利用割合がその他の職業に比べて低いこと,4)女性よりも男性の利用割合が高いことなどが明らかになっていることがわかった。
資料紹介
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